『悪魔が世界を統治している』(九評編集部)

人権

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第一章 人類を壊滅する邪悪の陰謀

     内  容 
1.人類の思想を堕落させる
2.伝統文化を破壊する
3.社会を分断させる
4.暴動を仕向け、社会不安をでっち上げる
5.分断し、占領する
6.欺瞞と隠蔽 

1. 人類の思想を堕落させる

悪魔は、善悪を見分ける基準を逆転させた。つまり、高潔を悪とし、非行を善としたのである。その邪悪な概念を「科学」という言葉で偽装し、まともでない理論を「社会正義」という言葉でカバーした。「ポリティカル・コレクトネス」で歪んだ概念を押し付け、「価値観の中立性」を宣伝し、そのため人々は残虐な行為を目にしても、全く無感覚になってしまった。

a. 無神論という嘘

人間は神によって造られ、神を信じる者は神の加護を受ける。従って、人類の壊滅への第一歩は、人間と神の絆を断つことである。悪魔は彼らの代理人を人間界に遣わし、無神論を広め、絶え間なく人間の思想を歪めた。

1850年代、ドイツの唯物論哲学者ルートヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバッハ(Ludwig Feuerbach)は、神とは人間の感情が投影されたものにすぎないと述べた。社会主義者の革命歌「インターナショナル」(The Internationale)は、創世主は存在しないと唱える。しかし、人間の道徳の基準と理性的な思考は、全て神を源としている。動乱の歴史の中で、神への信仰は太い錨の綱であり、人類が大波にのまれて見失わないよう保障する命綱であることを忘れてはならない。

君主政治と聖職者たちを倒したフランス革命の流血事件を見て、イギリスの哲学者エドマンド・バーク(Edmound Burke)は、「人々が神を演じると、まもなく彼らは悪魔のようになる」と言った。無神論に惑わされた傲慢な者たちは神を演じるようになり、他人の運命と社会をコントロールしようとする。最も狂信的な共産主義者は自分を神格化するのが常だ。無神論の拡散は、人類を壊滅する悪魔の仕業の第一歩である。

b. 唯物主義という詭弁

精神と物質は同時に存在している。一方、マルクス思想の核心は弁証法的唯物論で、精神の存在を否定する。唯物主義のルーツは産業革命に遡り、科学技術と製造業が急速に発達した時期と重なる。これが経験主義と無神論というカルトを促進し、人々は神の奇跡と信仰を失い、神から与えられた十戒を放棄した。

この唯物主義は悪魔が発明した詭弁であり、哲学的な概念はない。しかし、これは人間の精神や信仰を打撃する強力な武器となる。無神論の申し子である唯物主義は、知識層の主義主張の礎を築いたのである。

c. 進化論という冒涜

ダーウィンの進化論には欠陥があり、長い間、信用のない仮説とみなされていた。しかし、悪魔は神と人間の絆を断つため、この粗悪な理論を利用した。人間を動物と同等のレベルに貶め、人間の尊厳や、神に対する畏敬の念を失わせた。20世紀になると、進化論はすべての教育や研究機関に浸透し、天地創造が学校で講じられることはなくなった。

もともとのダーウィンの主張は、彼の破滅的な理論「社会進化論」からきている。「自然淘汰」や「適者生存」といった造語は、世界中の国家を闘争のジャングルへと押し込めた。

d. 科学というカルト

経験主義と科学主義を武器に、科学というカルトは人間の理性を「科学的な合理性」に置きかえた。人々は、目に見えるものや触れられるものだけを信じるようになり、無神論的な世界観を強めるようになった。

現代の科学界は、彼らの方法で実証できないものを迷信や疑似科学として一蹴する。科学は世俗宗教として君臨し、人々の信仰や道徳を押しつぶし、教育と学界全般の考え方を支配している。

e. 闘争哲学

ヘーゲルによって提唱された「弁証法」は、一般的に定式化された論理的な考え方である。一方、古代中国の思想家たちは、秦王朝(紀元前221年~206年)以前から、すでにその法則について議論していた。

マルクスは断片的にヘーゲルの「弁証法」を吸収する一方、闘争という観念を誇張した。中国国民党のリーダーだった蒋介石は、共産主義者たちの目的は問題を解決することではなく、「世界の矛盾をできる限り拡大し、人間の闘争を永続させることである」と話している。

数えきれないほど何度も見てきたように、共産主義の邪霊は人々の間に憎悪をけしかけ、闘争を作り上げてエスカレートさせ、最終的には暴力革命あるいは謀略により、権力を手中に入れるのである。

f. くどい論説

無神論と唯物主義は数多くの哲学やイデオロギーを生みだした。例えば、マルキシズム、マキャベリズム、社会主義、ニヒリズム(虚無主義)、アナーキズム(無政府主義)、唯美主義、フロイト(精神分析)主義、現代主義、実存主義、ポスト・モダニズム、脱構築主義などである。その支持者や信奉者らは、単なる借り物にすぎない理論について、意味もなく、くどくどと論説しているだけである。

インテリ層はもともと智慧と知識を有するエリートだったが、過去数世紀において、彼らは邪霊の道具となり、そのイデオロギーと逸脱した世界観を推し進める輩となってしまった。

g. 不純な言語

ジョージ・オーエルの小説『1984』に、オセアニアが登場する。その「ニュースピーク」(政治家が世論操作のために用いる言語表現)にあるように、悪魔の代理人たちは、彼らの利益にかなうように、自在に言葉を変化させてきた。悪魔の辞書によると、「自由」とは、道徳、法律、伝統に束縛されない極端な状態を指す。

「人は皆、神の子である」「法の前に、人間は皆平等である」「機会は均等に」といった言葉を歪曲し、人々を絶対的平等主義へと駆り立てた。「情け深い人間は隣人を愛する」「自分と同じように、隣人を愛せよ」という言葉は、薄っぺらな「寛容」という言葉に置き換えられた。「理性的な考え」は、狭量な経験主義の科学の道具となった。極端な平等を追及した結果、正義は「社会正義」と呼ばれるようになった。

言語は思考を組み立てる大事な要素である。言語の定義や意味合い(ニュアンス)を歪め、支配することによって、悪魔は人間の思考を制御し、人間を悪魔的な結論へと導いている。

2. 伝統文化を破壊する

人類の正統な文化は、神から伝えられた。その神伝文化(神から伝わった文化)は、人類社会の正常な営みを維持させるだけでなく、人々が末法の時期に神の法を真に理解し、壊滅から救われるためのものである。

神伝文化は、悪魔の陰謀から人々を守る。そのため、悪魔は密かに人々を伝統文化から切り離し、その文化を打ち壊してきた。伝統的な人生観や道徳的な価値観を根絶するため、悪魔はさまざまな「高尚な」目標をでっち上げた。しかし、真相を知らない人々は闘争の中で命を削り、歪んだ「新しい理想」に向かって自分の人生を犠牲にしている。

a. 教育の堕落

数千年来、人々は伝統的な教育により、人類の優れた文化を継承してきた。人に善とは何かを教え、道徳や美徳を維持し、技術と技量を磨くと同時に、良き市民として生活するよう導いた。一方、19世紀になると、ヨーロッパやアメリカでは公立学校による教育が始まった。

20世紀初頭になると、中国では公立学校で伝統や道徳に反する教育が施されるようになった。進化論が必修となり、悪魔に支配された教科書は、無神論、唯物主義、階級闘争で埋め尽くされた。一方、伝統文化を著した古典文学は、邪悪なイデオロギーによって、ますます除外された。知的で思考力の高い学生たちは惑わされ、その優秀な知能を邪悪なイデオロギーの追及のために浪費し、その一方で人生や社会の本質を学ぶ機会を失ってしまった。

長時間におよぶ授業は子どもを両親や家庭から引き離し、同時に邪悪なイデオロギーが幼い頃から注ぎこまれる。

「自立思考」というスローガンのもと、学生たちは伝統を破り、両親や教師を見下すことを奨励され、反伝統、反権力になるよう躾けられた。成績は著しく低下し、学生たちの数学や国語の能力が失われた。「ポリティカル・コレクトネス」に沿った歴史や社会を教え込まれ、一方で下品な娯楽にどっぷりと浸かった。

邪悪に支配されている国家において、生徒たちは実際に、幼稚園から高等教育まで、隔離された場所で悪魔のイデオロギーによる洗脳を受ける。卒業して社会人になる頃には、彼らの頭には歪んだ論理がいっぱい詰まっているのである。

b. 芸術の退廃

正統な伝統芸術は神々から伝わったものである。最初は寺院や教会、あるいは神に祈りを捧げる場所などに現れた。真の芸術は誠実、善良、美、清廉を表現し、正統な道徳文化の維持に貢献してきた。

一方、邪悪は退廃した芸術を利用し、伝統文化を破壊した。視覚芸術や写実主義の芸術に印象派を導入し、古典には自然主義を取り入れた。「革新」や「現実の否定」といった美辞麗句のもと、表現主義(エクスプレッショニズム)、抽象芸術、近代主義(モダニズム)ポスト・モダニズムなどがある。気品と格調を帯びた純粋な芸術は嘲笑され、一方で下品で野卑なものがもてはやされた。

美術館には、(芸術という名の)ゴミの山が並べられるようになった。耳障りで淫らなメロディーが「音楽」と称されるようになった。あの世を表現した、暗くて不吉な絵画が現れ、「パフォーマンス・アート」の名のもとに、道徳の基準は破壊された。さらに、多くの若者は、堕落した芸能人たちの虜となっている。

c. メディアの支配

悪魔はさまざまな手段で人々の情報を管理しているが、その主要な方法はマスコミである。政治的権力が集中している国家では、メディアは共産党の宣伝媒体に他ならない。一方、他の国々では、「表現の自由」の名のもとに、フェイク・ニュースや下品な報道が氾濫し、取るに足らない事件を衝撃的に取り上げて、無駄なニュースで覆い尽くし、深刻な事件を下へと隠す。

経済的な利益がメディアを支配しているため、悪魔が世論を独占するのはいとも簡単なことである。ほとんどの人は、個人のビジネスや利益で頭がいっぱいのため、当面の問題や事実を膨大な情報から見極めることができない。

少数の賢明な人たちが悪魔の陰謀を見抜き、勇気をもってそれを暴露しても、膨大なそれらの情報量に対抗するのは困難である。彼らの発信はインパクトを与えられず、情報の大波に飲み込まれてしまう。

d. ポルノ、ギャンブル、ドラッグの推進

悪魔は堕落した生活、性の解放、同性愛を推進する。ギャンブルや薬物を奨励し、多くの人々が中毒になった。若者たちは暴力やポルノ、おぞましいキャラクターに溢れたビデオ・ゲームなどの電子機器に熱中させられた。

e. すべての社会層の堕落

神は伝統的な仕事を人類に与え、人々はそれを通じて神の記憶を保持し、仕事を通じて神との絆を保っていた。しかし、悪魔はそれを許さなかった。

悪魔は数多くの邪悪を遣わし、伝統的な生活をかき乱した。「革新的」という名のもと、富と名声を追及する者たちは、逸脱した「発明」を繰り返し、風変わりで堕落した流行を生んだ。

人間が神の意志から逸脱した時、人間は人として生きる目的を失う。最終的に、それらの人間は悪魔の手に落ち、壊滅への道を歩むのだ。

3.社会を分断させる

共産主義の組織とそのイデオロギーの源は、ギャングやカルトの類である。東側において共産主義の代表といえば、ウラジミール・レーニンやヨシフ・スターリン、毛沢東、江沢民とその追随者たちである。西側においては、もう少し複雑である。なぜならば、悪魔は政府、ビジネス、学界、宗教などから権力のあるエリートを選抜し、社会を破壊する陰謀を実行させたからである。

a. 教会への侵入

かつて正統だった宗教は、世俗的な社会主義に汚染されてしまった。教会に居座る悪魔の代理人たちは伝統的な教義を捻じ曲げ、聖典の書き換えまで行った。彼らは「解放の神学」(Liberation Theology)を作り、正統な信仰の中にマルクス思想や階級闘争を浸透させ、聖職者たちの道徳を堕落させた。このため、多くの信者たちは教会に背を向け、神の救済に対する希望を失った。

b. 家族の崩壊

神は、家族、国家、教会を人類社会の礎とした。家族は道徳と伝統の砦であり、伝統文化を次世代へ伝えていく重要なパイプである。

悪魔はフェミニズム、家父長制の廃止、性の解放を持ち上げ、伝統的な家族や性別による役割分担を攻撃した。さらに、同性愛、同棲、不倫、離婚、中絶を擁護し、立法化した。悪魔の主な目的は家族を崩壊させることであり、つまり人類の壊滅なのである。

c. 東方の全体主義

悪魔は第一次世界大戦直後の弱体化したロシアの隙につけ入り、革命を起こしてツァーリ(ロシア皇帝)を退位させ、十月革命で権力を強奪した。すぐにソビエト連邦が発足し、世界初の社会主義政権が誕生する。その頃、世界に革命を輸出するため、コミンテルン(共産主義政党による国際組織)が設立された。

1919年と1921年、ソビエトの指導のもと、共産党がアメリカと中国に設立された。ソビエトの支援を得た中国共産党は、第二次世界大戦後の惨状の隙をついて、暴力と裏切りによって権力を奪取した。

権力の掌握と同時に、ソビエトと中国で、共産党は平和時に何百万人という民を虐殺した。中国共産党は「プロレタリアート(労働階級)による専制政治」の名のもと、革命の道を歩み続け、前代未聞の文化大革命を起こした。人類文明の偉業である文化と闘うと宣言し、中国五千年の伝統文化を残忍に破壊したのである。

1980年代から、共産党は崩壊から免れるため、経済改革を導入した。しかし、政治の領域は残されたまま、厳しい全体主義の支配下にある。今日まで、共産党は民主化運動の鎮圧や、法輪功への迫害キャンペーンなどを通して、その権力を強く握り、維持し続けている。

d. 西方への浸透

中国の王朝、欧米の王権神授説による君主主義、アメリカの(権力の)抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)は、その国の文化や環境の特徴に合わせて神が与えた方式である。西側において、革命による権力の掌握が難しいと判断した悪魔は、イデオロギーによる転覆を企み、支配力を増す方法を取った。

従って、欧米では、暴力的な革命はなくとも、共産主義のシステムがさまざまな形で導入されているのである。

e. 法律の歪曲

法律は、神が与えた戒律に由来し、道徳の上に成り立っている。道徳や自由の概念を再定義することにより、悪魔は法の概念と解釈に影響を与えてきた。東側の共産主義の国において、悪魔は思うままに法律の解釈を行ってきた。

一方、西側では人間の行為を再定義し、善悪や道徳の概念をぼかすことで、法律を歪曲してきた。殺人、乱倫、同性愛などの悪を擁護し、実直な一般市民を罰するのである。

f. 経済操作

金本位制(Gold Standard)を廃し、変動的な法定通貨(Fiat Currency)が導入されると、絶え間なく金融危機が起こるようになった。持続可能な経済という伝統的な智慧は意味をなさなくなり、その代償として政府や個人は大量消費、過剰支出という文化の波に飲み込まれた。債務のために国家の主権は失われ、人々は銀行や国家から湯水のように借金することを奨励されている。

g. 世界政府

悪魔はグローバル化を利用して世界政府を設立し、各国の主権を脅かしてきた。その概念は、理想的な印象の強い文句を伴う。国際連盟、国際連合、あるいは「地域統合」「世界政府」などである。

そういった類の組織は、世界の国々を彼らの思惑に従わせる。人々の平和や安全保障を脅かし、戦争や暴動を仕掛ける。その目的は、世界中の国々を世界政府に従わせ、厳しい管理でイデオロギーを押し付け、人口抑制を行うためである。

4. 暴動を仕向け、社会不安をでっちあげる

伝統的な人類社会を破壊するため、悪魔は大量の移民流入、社会運動、大衆による暴動を繰り広げた。この信じがたい計画は、少なくとも数世紀前から続けられているのである。

a. 戦争

戦争は、悪魔にとって最も効果的な武器である。古い国際社会の秩序を破り、伝統の砦を破壊し、彼らのイデオロギーを推進することができるからだ。多くの戦争は悪魔によって焚きつけられた。悪魔は第一次世界大戦を利用し、欧州の帝国、主にロシアの皇帝を倒し、ボルシェビキ革命(十月革命)への道をつけたのである。

第二次世界大戦は、中国共産党に権力を奪取する絶好の機会を与え、ソビエトが東欧に侵入するチャンスを与えた。これにより、戦後の社会主義陣営が決まった。

第二次世界大戦の終結は植民地の解放による混乱を引き起こし、これに乗じてソビエトと中国が世界中で共産主義運動を巻き起こした。「国家解放運動」と称し、アジア、アフリカ、ラテンアメリカにおいて社会主義陣営を増やしていった。

b. 革命

悪魔にとって、政権を握ることは人類を壊滅するのに最も手っ取り早い方法である。従って、悪魔はどんな手を使ってでもそれを行う。パリ・コミューン(パリ市の革命自冶体)を例にとると、カール・マルクスは労働者階級が政府を転覆しなければならず、彼らが政権をとらねばならないと言った。権力は常に、マルクスの政治哲学の中心だった。

革命を扇動するには、次のようなステップがある。

1. 人々の間に憎悪や不和を誘発する
2. 大衆を嘘で騙し、「革命統一戦線」を設立する
3. 反発する勢力を一つずつ倒していく
4. 暴力でテロと混乱の雰囲気をつくる
5. クーデターを起こし、権力を奪取する
6. 「反動主義者」を鎮圧する
7. テロと革命で新秩序を打ち建て、維持する

共産主義国家はコミンテルン(ソ連共産党を中心とした世界共産党組織)を通して世界的な革命を起こすことを目指した。非共産主義国家にいる左翼を支援しながら、革命運動を伝え、社会不安を駆り立てているのである。

c. 経済危機

経済危機は、革命や社会運動を駆り立てるのに便利な手段である。なぜならば、危機に瀕する人々にとって、それらの運動が救世主に見えるからである。民主国家の政治家が問題解決を急ぐ時、彼は魂を売って、自らの国家をより重税に、より大きな政府へと舵を切るだろう。サウル・アリンスキー(Saul Alinsky)は『過激派のルール』の中で、「実際の行動は、敵の反応の中にある」と言っている。

1930年代に始まった大恐慌は、ヨーロッパとアメリカが大きな政府へと舵を切る岐路となり、その頃から政府による干渉主義が始まった。2008年に起きた経済危機も、左翼の政策を大きく推し進める結果となった。

d. 土地や祖先から引き離された民族

古代から、人々は土地から土地へ移動して生活してきた。しかし、現代に現れた大量の国内、海外の人口移動は、悪魔の企てによるものである。大量の移民流入は国家のアイデンティティー(独自性)を失わせ、国境、主権、伝統文化、社会のつながりを消滅させる。

伝統的なアイデンティティーを奪われた民は、簡単に現代的なものの波に飲み込まれてしまう。移民が不慣れな環境で生活を確立することは難しく、ましてやその国の政治や伝統文化に深く参入することは、尚更である。

新しく到着した移民は、左翼を代表する政党の大事な有権者となる。一方で、移民は民族や宗教間の憎しみを突き動かす環境を醸成する。

e. 社会運動の乗っ取り

共産主義の邪霊は社会の傾向を利用する。人々を扇動して闘争を激化し、壮大な運動を巻き起こして社会を不安定にさせ、政治的な反対勢力を打撃し、世論を支配する。それによって、彼らは道徳的に優位に立つ。例としては、戦争反対、環境保護などの西洋社会で繰り広げられる運動である。

f. テロリズム

共産党はテロを繰り返すことによって革命を成功させ、共産党政権は国家テロを実行する。ソビエトと中国共産党は自由社会に対抗する機動部隊として、テロリストのグループを支援した。多くのテロ運動はレーニンの組織モデルから啓発を受けている。悪魔は人々の分断につけこみ、個々の人々の恨みを繋げ、大衆の恨みへとかき立てた。

理性を欠いたテロリストたちが無実な人々を殺すのを見て、一般市民はむなしさに襲われる。あまりにも多くの無茶苦茶な暴力が起こり、人々の間には反社会的、憂鬱、誇大妄想、冷笑的な考えが広がる。この全ては公衆の秩序を乱し、社会を分断し、悪魔が権力を握るのに有利な条件を与えた。

5.分断し、占領する

悪魔は、それぞれの特徴や動機に応じて、人々を利用する。粛清される人もいれば、賄賂で買収される人、あるいは教義を植え付けることによって、革命や暴動の駒となる人たちもいる。

a. 反対者の根絶

世の中には、より賢くて洞察力に優れた人物がいる。一部の人間は神に近く、悟性が格別に優れており、悪魔の策略に騙されたりしない。特に、長く豊かな歴史を誇る中国のような国の場合、人々を唆して騙すことは容易ではない。

そのため、中国共産党は度重なる政治運動を行っては、何百万人もの人々を殺戮しなければならなかった。特に、文化の大事な伝え手である社会のエリート層を標的とし、中国伝統文化の継承を途絶えさせたのである。

中国でも、あるいは西洋の国々でも、洞察力に優れた分別のある人々、つまり陰謀を見抜き、勇気を持ってそれに対抗する人々に対し、悪魔は憚ることなく肉体的な粛清を加えた。その方法として悪魔が使ったのは、政治運動、宗教弾圧、見せしめ裁判、暗殺である。

b. エリートの抱き込み

悪魔は世界中の国家や企業などからエリートを選出する。その方法として、悪魔はエリートたちの利益に訴え、悪魔の「アジェンダ」(行動計画)への貢献度によって権力を授ける。名声や影響力を欲する者に対しては、評判と権威を与える。貪欲な者に対しては、利得が回ってくるよう段取りをする。悪魔は傲慢な者のエゴを拡大し、無知な者の至福を継続させる。才能に恵まれた人には、「科学」「物質主義」、制限のない「表現の自由」を与え、陶酔させる。

高遠な大志を持つ人たちの善意は、歪んだ目的にすり替えられる。「自己実現」という名のもとに、大統領、首相、シンクタンクの学者、政策立案者、官僚、金融家、教授、専門家、ノーベル賞受賞者、話題の人、政治的な影響力を持つ人物、そして巨万の富を目指すよう仕向けられる。

それらの地位を獲得した優れた人々は、悪魔によって選出されたことになる。しかし、実際には、彼らは単なる悪魔の代理人であり、利用されている愚か者に過ぎないのだ。

c. 大衆を愚民化する

悪魔は偽の情報を流して一般人を騙し、歪んだ教育システムにより人々を惑わし、メディアを操作する。人々には、巧みに、安心感と浅はかな考えを与え、彼らが目先の利益や下品な娯楽、競争の激しいスポーツ、社会のうわさ話、色情的あるいは肉体的な欲望にふけるよう仕向ける。同時に、悪魔はレベルの低い公約を訴え、有権者の警戒心や判断力を失わせ、選挙を掴み取るのだ。

全体主義の共産国では、人々が政治に関与することは許されていない。一方、民主国家では、公衆の利益を願う人々は、取るに足らないこと、例えば、トランスジェンダー(性同一障害) の権利などに注意を向けさせられる。それはまるで、古代中国の歴史から伝わる「明修桟道、暗渡陳倉」(偽装工作と奇襲をあわせる戦術のこと)のようである。ネットで話題のニュース、不祥事、あるいはテロ事件や戦争さえも、悪魔の真の目的を覆い隠すために用意されているのだ。

現代意識を植えつけられた大衆が動員され、堅く伝統を守ろうとする少数派を飲み込んでしまう。インテリ層は、世界各地に伝わる民族文化を批判し、教養のない狭量な人たちの偏見に油をそそぐ。若者たちは、いわゆる批判的思考(クリティカル・シンキング)や創造的発想力(クリエイティブ・シンキング)といった言葉に惑わされ、権威に対抗しつつ、伝統文化の知識や智慧を継承できずにいる。

d. 暴徒のでっち上げ

共産国家では、文化の担い手たちが粛清された後、洗脳された大衆が革命に動員された。共産党は政権を握ると、大衆を何世代にもわたる「狼の子」にすることを企てた。つまり、無差別の闘争、破壊、略奪、放火を人々に奨励したのである。

文化大革命の時、女子生徒たちは教師をいとも簡単に打ち殺した。一投稿につき5毛の報酬で雇われた中国のネットブロガーたちは、SNS上で「打撃」とか「殺人」などの、挑発的な言葉を書き込む。典型的なのは、「たとえ中国が不毛になっても、釣魚島を奪取せよ」や、「中国が墓石ばかりになっても、日本人を根絶やしにしなければならない」などである。これらの過激で煽情的な言葉は、中国共産党によって生み出された。

欧米では、共産党は誇らしげにフランス革命とパリ・コミューンを語る。すべての革命と暴動は良心も恥もなく、善良さの微塵もない暴徒たちによって引き起こされた。

e. 急ピッチな世代交代

悪魔は古い世代が孤立し、急ピッチで排除されるよう手配した。若者の権利、政治力、特権が増えるにつれて、年配者たちは権威、立場、威信を失い、伝統との断絶に拍車がかかった。現代文学、芸術、大衆文化はすべて若者好みに作られる。若者は周りに遅れないように最新のファッションや流行を追う世代でもある。老人たちは急速な科学技術の発展について行けず、それに伴う激しい社会変化から取り残されてしまう。

都市と地方の急激な変化、そして大量の移住者により、老人たちはますます現代から取り残されてしまった。彼らの孤独の苦しみは、若者たちには届かない。現代的な生活を送る若者たちは常に競争に晒され、老親のために時間を割く余裕もないのである。

f. 社会の細分化

伝統的な社会において、人々は互いに助け合っていた。争いがあっても、宗教、道徳、法律、あるいはその民族の慣習によって問題を解決し、調和を保っていた。

悪魔にとって、そのような社会を短期間で打ち壊すのは不可能である。まず必要なのは、伝統的な互助の繋がりを分断させるために、社会を細かな核にまでバラバラにすることだった。それにより、悪魔はより簡単に人類を支配することができる。

悪魔はあらゆる手段を使って社会を分断させ、反目する人たちの憎しみを唆し、彼らの間に闘争をつくる。階級、性別、民族、宗派など、全てが分断の種となりうる。

悪魔はブルジョアジー(資本家階級)とプロレタリアート(労働者階級)の間の敵意を拡大する。統治する者と統治されるもの、また「進歩派」と「逆進派」、「リベラル(革新派)」と「保守派」などの対立がある。その一方で、政府は徐々に権力を増大させていく。細分化された、孤立した個人では、社会全てを管理する全体主義の政府に抵抗することはできない。

6. 欺瞞と隠蔽

犯罪者が犯罪の証拠を隠蔽しようと必死になるように、邪悪はあらゆる手段で己の存在を隠そうとする。その欺瞞のスケールは、想像を絶するだろう。

a. 大胆な陰謀

悪魔は白昼堂々と、前代未聞の大胆な陰謀を実行しつつ、それを良識的、合理的、合法的であると力説する。一般の常人にとって、そのような邪悪な陰謀が大々的に行われていようとは想像もつかないし、理解することもできないだろう。ある人がそのような悪魔の企みを暴露しても、人々は簡単にそれを受け入れることができない。さらに、悪魔はあらゆる手段を使って彼らの「アジェンダ」を故意に漏らし、人々の間に疑惑、恐怖、困惑をかき立てるのだ。

b. カモフラージュされた行動

冷戦時代、世界は二つの軍隊と二つの政治勢力に分断された。この二つの社会システムは一見、真っ向から対立しているように見えたが、同じ邪悪な勢力が二つの間で、異なる形で暗躍していたのである。

多くの西洋の共産主義者(修正主義者など)、社会主義者、ファビアン(労働党)、リベラル派、急進派は、ソビエトや中国モデルを公に批判している。しかし、彼らが目指しているのは、ソビエトや中国となんら変わらない社会構造である。つまり、悪魔は東に位置する全体主義国家に注意を向けさせておきながら、その一方で積極的に西洋社会に浸透していたのである。

c. 相手を悪魔化

悪魔の企みを暴露しようとする者には、容赦なくレッテルが貼られる。「陰謀論者」「過激派」「極右」「オルタナ右翼」「性差別」「人種差別」「戦争屋」「偏屈屋」「ナチス」「ファシスト」などである。これらの単語は、彼らを除け者にして排除し、学界や社会から追放するために使われる。彼らは社会から隔離され、嘲笑されたり叩かれたりした後、彼らの意見をまともに聞く人はいなくなり、また影響力を与えることもできなくなる。

d. 調査のすり抜け

悪魔は人々を唆し、一部の民族、団体、個人を軽蔑させ、己の邪悪な陰謀から目をそらすよう仕向ける。

e. 多数派の心をつかむ

すべての人間が悪魔の計略に騙されるわけではない。一部の洞察力に優れた賢明な人たちは悪魔の秘密を見抜いている。しかし、悪魔はすでに大多数を動員するほどの影響力を持っており、それに隠れることができるのである。

悪魔を見抜く少数の人々は、まるで僻地の荒野をさまようようである。彼らの訴えはかき消され、ただ破滅への道を待つだけである。

悪魔が利用する手段は絶え間なく変化し、人々を壊滅へと導く。上記で述べた陰謀の数々については、次章よりさらに詳細に検証していく。

【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/35364.html

 

【序章】
【第一章】 人類を壊滅する邪悪の陰謀
【第二章】 始まりはヨーロッパ
【第三章】 東側での大虐殺
【第四章】 革命の輸出
【第五章】 西側への浸透
【第六章】 神に対する反逆
【第七章】 家族の崩壊
【第八章】 共産主義が引き起こした政治の混乱
【第九章】  共産主義がしかけた経済的な罠
【第十章】 法律を利用する邪悪
【第十一章】 芸術を冒涜する
【第十二章】 教育の破壊
【第十三章】 メディアを乗っ取る
【第十四章】 大衆文化―退廃と放縦
【第十五章】 テロリズムのルーツは共産主義
【第十六章】 環境主義の裏にいる共産主義
【第十七章】 グローバル化の中心は共産主義
【第十八章】 中国共産党のグローバルな野望
【おわりに】