いつも間にか中国共産党(中共)が世界経済を掌握し、我々の社会に浸透していた。ネット検閲システム、略奪的な経済活動、攻撃的な軍事行動、法輪功やウイグル等への人権侵害など、中共の脅威に立ち向かわなければ、香港の二の舞だ。今こそ世界は中共の最終目的と計略を見抜き、迫りくる危険に足元をすくわれないよう対処する必要があると言える。
NTDジャパン(2020年4月27日)制作。
中国。それは変化を続ける巨人。世界最古の文明を有する国。共産党による70年の洗脳によって、精神のルーツが根こそぎ抜きとられた。文化大革命の災いの後、中国共産党(中共)は 改革を行うフリをして、外資を誘致した。今、化けの皮が剥がれた。世界は中共の最終目的と計略を見抜き、どう対処するべきか知る必要がある。さもなければ、迫りくる危険に足元をすくわれるだろう。
コロナウイルスは世界への警鐘
中国で発生した新型コロナウイルスは、中共の隠蔽・ウソが原因で今や手に負えない状況になっている。中共にとって、情報の検閲と厳格な監視は人命よりもはるかに重要で、中共の権力への執着が世界を危機にさらした。
欧州委員会のライエン委員長は2020年3月19日新型コロナウイルス感染拡大を抑制するため、EU国境の閉鎖を発表した。3月17日イタリアの死者数は、ウイルス発生源の中国を上回り、世界最大の被害を受け、イタリアはパンデミックの中心地となった。
米国の衛生専門家はイタリアと同じ道をたどることを懸念し、中共ウイルスの感染爆発を対応しなかった中国に批判の声が高まっている。当時トランプ大統領は「もし、感染について知っていたら、止めることができた。発生地の中国で封じ込めることができた。」と語った。また米情報機関は「中共が最初から故意に感染者数を隠蔽した」という結論に達したという。
パンデミックはいずれ終息するが、我々の安全、自由、生活を脅かす致命的な脅威にどう対処するのか。中共による支配の手法を知るために香港の経験を見てみよう。
香港はかつて自由で活気あふれる都市だった。我々と同じ自由民主の価値観があった。しかし、香港返還後、その自由は常に中共に浸食されてきた。北京政府はソ連やナチスを除けば、最大の邪悪政権だ。製薬などの世界サプライチェーンを支配し、中国企業はカルテルを作り、世界市場でダンピングしている。欧米、インドの製薬会社が市場から締め出された。2000年代初期のことだ。中国は市場を独占した後、価格を釣り上げた。
いつの間にか中共が世界経済を掌握し、我々の社会に浸透していた。中共のネット検閲システム、南シナ海の人工島、高まる抑圧、不公平な競争、略奪的な経済活動、攻撃的な軍事行動、この脅威に立ち向かわなければ、今世紀は中共の時代になるだろう。香港から学ぶべきで、香港はこの巨人と22年間付き合ってきた。香港で起きていることは、中共が我々の制度や価値観をどうやって乗っ取るかを世界に知らしめている。
中共の3ステップ 虚言・浸透・支配
(中略)
中国は多くの約束をしてきた。1944年、毛沢東は訪中した米軍事視察団にこう言った。「アメリカ人は友人であり、中共の目標は中国人のためにアメリカ式民主主義を樹立することだ」
米軍は延安で共産党組織とその軍事的潜在力を分析した。米政府の全面的な承認を得て、米軍は中共に対して、戦略と武器について指導した。当時アメリカは、中共が民主的な勢力で人気があって支持されていると思っていた。5年後中共が中国を支配した。まもなく朝鮮戦争とベトナム戦争で中国兵が米兵と戦った。95,000人の米兵が命を落とした。中国の犠牲者はさらに深刻だ。中共が政権を樹立してから8,000万人の中国人がその政策や政治運動により亡くなった。
残虐な政権であるにも関わらず、2001年中共はWTOへの加盟を許された。貿易障壁の撤廃や市場の開放、知的財産の保護、司法制度の改革、人権尊重を約束した。
十数年後、米議会は中共の約束の遵守状況を調査した。
「過去十年間の状況を見ると最初の質問、中国が合意を遵守したかについて、答えは『ノー』だ」
「WTOは自由と民主を中国にもたらさず、公平な貿易ですら守らせていない」 「十分な経済規模と影響力がありながら、中国はWTOとの約束に違反している。これはアメリカや第三国の経済利益に損害を与え、WTOの正当性や国際間の貿易システムを脅かすものだ」
中共はWTO加盟により医薬品と医療用品のグロ―バル市場を支配した。2020年3月初旬、新型コロナウイルス危機の中で、新華社通信はアメリカを標的にする論説を報道した。「中国は医薬品でアメリカを脅迫するのでしょうか? 中共は国際問題の切り札としてマスクや医療用具の輸出停止をほのめかしている。このパンデミックはアメリカが中国の医療品に大きく依存していたことを明らかにした」
2013年以後、中国の「一帯一路」に多くの国が誘致された。これはグローバルなインフラ整備と投資戦略である。中国はグローバル化の提唱者としてこの政策が発展途上国を助けると言った。「一帯一路」の目的は、人類が直面しているリスクと挑戦に取り組み、協力し共に発展を遂げるためであるという。アジア、欧州、南米などから60カ国以上が参加し、この「ビジョン」に賛同した。中国とイタリアは「一帯一路」の覚書に署名した。
しかし、この約束の真相が徐々に明らかになり、熱意は消え失せた。「EU諸国の要求は自由貿易、平等な競争、公平な待遇だが、これらの要求は満たされていない」
一帯一路の問題点は、貧困国が債務の罠に陥り、主権が奪われることだ。中国の機関は貧しい国々と密約を交わし、ローンを貸し付ける。破綻やローンの返済不能になった時、不透明な内容が発覚する。地元官僚の汚職や賄賂が横行する。メリットの薄いプロジェクトに地元の労働者や原材料を使わない。中国の金融機関だけが儲かる仕組みになっている。中国産業の過剰な生産能力や中国人労働者を海外に輸出し、最終的に世界中に中国の政治支配が広がる仕組みだ。
影響力の拡大と共に中共は爪をむき出しにした。海外での軍拡、国連機関の支配、国際ビジネスから大学、メディア、映画産業、政府への浸透と脅迫、中国を批判する組織や個人に対するバッシング、中共は自由社会の主要な機関を攻撃する。まるで致命的なコロナウイルスのようだ。
「北京政府は自国の利益のために、絶えず世界秩序を組み換えようとしている」
今、これを変えなければ、恐らく十数年後、我々は全くなす術もなく、中共の奴隷になる。香港の今日は、世界の明日かもしれない。今行動をおこさなければ。