『悪魔が世界を統治している』(九評編集部)

人権

≪目次に戻る≫

第十三章:メディアを乗っ取る

     内  容 
序文
1.共産主義国家の大規模な洗脳
2.欧米メディアに浸透する共産主義
3.左寄りのメディア
4.リベラル派と進歩主義に乗っ取られたメディア
5.映画産業―反伝統の先駆け
6.テレビ―各家庭の腐敗
7.メディア―全面戦争の主戦場

序文

今日、メディアは絶大な影響力を持ち、絶えず拡大している。そのパワフルな浸透力で、メディアは地元のニュースを世界中の人々に届けることができる。新聞や雑誌から始まったメディアはラジオ、映画、テレビに進化し、今ではソーシャルメディアやインターネットによるオーディオ・ビジュアル(AV)通信が盛んである。

われわれが最新ニュースとその分析記事を入手する手段はメディアである。情報の渦の中で、人々がどの情報を入手し、それをどのように解釈するかについては、メディアが圧倒的な影響力を持つ。メディアは特定の話題に対する印象付けを操作することもできるし、心理的なプライム効果(先行刺激によって人間の行動が無意識のうちに影響を受ける現象)を引き起こすことも可能である。

政治家を始めとする社会のエリート層にとって、メディアは大衆の関心を集め、結集を促す役割を果たす。メディアが取り上げる話題は、人々が注目する深刻な社会問題となる。一方、ニュース報道が取り上げない問題は軽視され、忘れ去られる。

建国の父の一人、第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)は、メディアの役割について、「新聞なしの政府と政府なしの新聞、いずれかを選択しろと問われれば、私は少しも躊躇せずに後者を望むだろう」と言った。【1】

社会の声を代表する機関として、メディアは道徳の守護者にもなれるし、悪魔の道具にもなり得る。世界の主要な事件を公平に、正確に、適時に伝えるのがメディアの義務である。メディアは正義を支持し、不正を非難し、善を推進する責任がある。メディアの使命は少数の人々、企業、政党の利益を超えたものでなければならない。

欧米のニュース業界において、メディアは真実と社会の価値観を保障する守護者である。ジャーナリストたちは、その専門性と自己犠牲の精神から、社会的に誇り高い「第四階級」の身分として認められ、尊敬されている。

名前にちなんだ賞で知られる新聞出版者のジョーゼフ・ピューリツァー(Joseph Pulitzer)は言った。「われわれの共和国とその新聞は、共に上昇し、共に下降する。正義と勇気を持った訓練された知識人による、優秀で、無欲で、公共心のある新聞であれば、公徳を維持できる。それがない人気取り政府は、偽物で嘲笑の的だ。皮肉で、金銭目当ての、扇動的な新聞は、その中身と同様の卑しい人間を造りだす。共和国の将来を形成していくのは、次世代のジャーナリストたちの手にかかっている」【2】

しかし、道徳が甚だしく低下した世の中で、メディアが権力や金銭の誘惑に屈せず、徳を守り続けるのは非常に難しいだろう。共産主義国家において、メディアは国家の所有物である。メディアは政権の拡声器として大衆を洗脳し、テロや殺人をする共産党の共犯者となる。

欧米メディアも共産主義に汚染されている。欧米メディアは共産主義の代理人となって、反伝統、反道徳を推進し、悪魔的な流行を促している。欧米メディアは嘘と憎悪のプロパガンダで道徳の退廃に拍車をかけている。今日、真実を報道し、社会道徳と良心を守るメディアは少ない。われわれはメディアの惨状に気づき、メディアが果たすべき責任を取り戻さなければならない。

1. 共産主義国家の大規模な洗脳

共産主義は初期の頃から洗脳の道具としてメディアを利用してきた。1847年に出版された『共産主義者同盟』の中で、マルクスとエンゲルスはメンバーたちに対して、「プロパガンダを行う時には、革命的なエネルギーと情熱を」持つよう促した。【3】 また、マルクスとエンゲルスは文章の中で「党の戦場」「党のマウスピース」「政治センター」「世論の道具」という言葉を多用し、メディアとしてあるべき特徴や機能を表現した。

レーニンもメディアを利用してロシア革命を推進し、扇動して組織した。彼は機関紙イスクラ(Iskra)とプラウダ(Pravda)を設立し、革命と行動主義を促進した。ソビエト共産党が政権を掌握すると、同党は大衆を教化するためにメディアを積極的に利用した。海外において、同政権のメディアはソ連の印象向上や革命の輸出のために使われた。

中国共産党もメディアで大衆を支配し、党や政府の代弁者としてメディアを重用した。中国共産党は、「権力を集中させて奪取するには、銃とペンが不可欠である」という事実を見抜いていた。【4】 延安の時代(1937-1945)の頃から、毛沢東の政治秘書を務めた胡喬木(こ・きょうぼく)は、「党性第一」を掲げ、党の機関紙の「全ての記事、論説、報道、ニュースレターは、党の見解と認識を述べなければならない」と主張した。【5】

中国共産党は独裁政治を維持するためにメディアを厳しく統制した。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネットは厳格な監視下に置かれた。中国メディアは中国人を共産主義イデオロギーで洗脳し、異見者を弾圧し、大衆を脅し、真実を隠蔽あるいは歪曲した。中国メディアに従事する人々は、厳しく自分の報道を検閲する。なぜならば、たった一つの報道の間違いが、大きな災難となって自らに降りかかることを知っているからだ。検閲は国営テレビだけでなく、個人のブログやオンライン掲示板にも及び、大勢のネット警察が監視している。

中国共産党下のメディアを痛烈に批判した中国の言葉がある。「俺は、党のドアの前に座る党の犬。党が咬めというなら誰でも咬むし、何回言われても咬んでやる」。この表現は誇張ではない。共産主義の政治運動は全て世論から始まった。メディアが嘘を報道して人々の憎悪をあおり、暴力や殺人にまで発展させる。メディアはこの仕組みの中で恐ろしい力を発揮する。

1989年の天安門事件の時、中国共産党は学生たちを凶悪な暴漢であるとみなし、「暴徒」を鎮めるために軍隊を派遣したと主張した。大虐殺があったにも関わらず、天安門広場では軍隊の発砲もなく、けが人も出なかったと発表した。【6】 2001年、法輪功迫害の初期の頃、中国共産党は天安門広場で焼身自殺事件をでっち上げ、世界中で法輪功に対する憎しみを扇動した。【7】

中国共産党各レベルに所属する委員会の主要幹部はプロパガンダ戦略を重点に置き、相当な人数を同分野に所属させている。2010年までに、中国宣伝部は130万人を超えるスタッフを雇用した。そのうち、およそ5万6千人が省または県の宣伝部に所属し、120万人が地方の宣伝部に、5万2千人が中央宣伝部に所属している。【8】 この中にはネットを検閲するインターネット警察、世論を操作するコメンテーター、あるいはさまざまな形式で雇用された広報活動に従事する人たちは含まれていない。

共産党に支配された国家は例外なくメディア操作に大量の人材を投入する。共産党メディアは何年も運営しているうちに独裁政治の優秀な代弁者となり、あらゆる嘘を並べながら、人々を騙して汚染したのである。

2.欧米メディアに浸透する共産主義

前世紀、自由国家と共産主義は激しく対立した。一方で、共産主義は自由社会へと静かに浸透していた。共産主義陣営にとって、欧米メディアへの浸透は自由社会を転覆する主な戦略の一つだった。巨大な影響力を持つという観点から、本章はアメリカのメディアに焦点を当て、共産邪霊によるメディア支配を検証する。

ロシアで政権を奪取したソ連政府はスパイを欧米メディアに送りこみ、世論をコントロールして地元の共産主義支持者を引き込むことに成功した。スパイは彼らにソ連を賛美させ、共産主義政権の残酷な事実を覆い隠した。ソ連のプロパガンダ作戦は功を奏し、大勢の欧米人が騙された。欧米の政府までもが、親ソ連に傾くようになった。

後に、ソ連のKGBから派遣されたスパイがアメリカの大手メディア企業で働いていたことが判明した。有名なのは、タイム誌のウィテカー・チェンバース(Whittaker Chambers)、リチャード・ローターバッハ(Richard Lauterbach)、ステファン・レアード(Stephen Laird)である。彼らは自分の職位を利用して、政治家、有名人、政府首脳と密接な交流を図った。情報収集に加えて、彼らは上層部の政治、経済、外交、戦争を含むさまざまな意思決定に影響を与えた。【9】

ニューヨーク・タイムズ紙モスクワ支局長のウォルター・デュランティ(Walter Duranty)は、ソ連の五カ年計画に関する一連の報道で、1932年にピューリツァー賞を受賞した。しかし、元共産主義者のジェイ・ラヴストーン(Jay Lovestone)と、著名ジャーナリストのジョゼフ・アルソップ(Joseph Alsop)は、デュランティがソビエト秘密警察のスパイだったと主張している。【10】

デュランティは、1932~33年にウクライナとソ連各地で起きた大飢饉を否定し、数百万人が飢えで死んだことを認めなかった。彼は、「ロシアで飢饉が起きているという報道は誇張であり、悪質なプロパガンダである」と主張した。【11】

イギリスの歴史学者でソ連史に詳しいロバート・コンクエスト(Robert Conquest)は、著書『悲しみの収穫・ウクライナ大飢饉』(The Harvest of Sorrow: Soviet Collectivization and the Terror-Famine)の中で、デュランティによる虚偽報道を批判している。「世界有数の新聞社の中でもトップ記者だったデュランティが飢饉を否定したため、人々はそれを福音のごとく受け入れた。彼はニューヨーク・タイムズ紙の読者を欺いただけではなく、ニューヨーク・タイムズ紙という名声を信じた大勢の人々に対し、スターリンの人柄やソビエト政権について、誤った認識をもたらしたのである。もちろん、ルーズベルト新大統領も彼の影響でソ連を認めたのだ」【12】

アメリカ映画産業の象徴であるハリウッドも、共産主義や左翼思想の影響を強く受けている。この映画の聖地にも共産党支部があった。ドイツ共産党党員で第三インターナショナルのヴィリ・ミュンツェンベルク(Willi Münzenberg)はアメリカに入境し、映画製作を通じてレーニンの理想を実践しようとした。彼に惹かれた多くのアメリカ人がソ連に留学し、映画製作を学んだ。ハリウッドに共産党支部を設立したのも彼である。

徐々にソ連の影響がアメリカに浸透した。多くの映画製作者たちはソ連に憧れ、その情熱はアメリカとソ連が対ナチスドイツの同盟を組んだ第二次世界大戦時に盛り上がった。有名な劇作家は、ドイツのソ連侵攻に対して「われわれの母なる大地への攻撃だ」と批判した。【13】 1943年の映画「モスクワへの密使」(Mission to Moscow)は、ソ連をアメリカと同じ信念を持つ国家であるかのように描写している。【14】

中国共産党も、左翼メディアや左派ジャーナリストたちの恩恵を受けた。著名な親中アメリカ人ジャーナリストはエドガー・スノー(Edgar Snow)、アグネス・スメドレー(Agnes Smedley)、アンナ・ルイーズ・ストロング(Anna Louis Strong)である。

スノーの著書『中国の赤い星』は、欧米の読者に共産主義に対する理解と共感に影響を与えた。同書は毛沢東とその他共産党幹部たちを賛美し、一方で彼らの犯罪や共産主義の邪悪な本質を覆い隠した。毛沢東は、「スノーは、統一戦線に必要な友好関係への道を開いてくれた最初の人物である」と言った。【15】

スメドレーは、中国共産党とその指導者層を褒めたたえる多くの記事を書いた。ソビエト公文書から、スメドレーがコミンテルンから資金援助を受けて欧米向けの対外宣伝活動に従事していたことが判明した。彼女は英国からのインド独立運動に参加し、ソビエトのための諜報活動を行っていた。【16】 また、ストロングも中国の共産主義運動を支持していた。中国共産党は彼らの「功績」を称えて、3人の切手を発行した。

3.左寄りのメディア

多くのアメリカ人はメディアの信ぴょう性に疑問を抱いている。調査によると、47%の人が、メディアがリベラル寄りだと感じている。それに対し、保守寄りだと回答したのは17%に留まった。【17】 競争の激しいニュース産業で、なぜ一方的な偏向報道が見られるのだろうか?

報道者や編集者はそれぞれの政治的・社会的見解を持っているかもしれないが、それを報道に反映させてはならないはずである。客観性と中立性がジャーナリズムの掟であり、ニュースを個人的な色眼鏡で報道してはならない。市場原理で言えば、偏向的な番組は、より中立的で新しい競争相手から追い出されるはずである。

しかし、現実はより複雑である。アメリカの政治科学者ティム・グローズクローズ(Tim Groseclose)は、2012年の著書『Left Turn: How Liberal Media Bias Distorts the American Mind』(仮題:左折―リベラル・メディアがいかにアメリカ人の心を歪曲したか)の中で、厳格な科学的手段を用いて主要なアメリカメディアの政治傾向を分析している。それによると、アメリカメディアは平均的に極めてリベラルあるいは進歩主義に偏っていることがわかった。それは典型的な有権者よりも遥かに左寄りである。「主流の」メディアはそれをさらに超えた左寄りである。【18】

グローズクローズによると、メディア業界の大部分はリベラル派であり、客観的に見れば、それは同分野の伝統主義者たちにかなりのプレッシャーを与える。リベラルなメディア企業に勤める極めて少数の保守派は、「やや悪魔的、あるいは人間以下」とみなされる。彼らはクビにならずとも、あえて自分の政治的意見を公にすることはない。ましてや自分の保守的な見解を新聞やテレビで報道することはできないだろう。【19】

メディアが左寄りのため、保守派の学生はジャーナリズムの専攻を控え、メディアに就職することも少ない。メディア業界では、リベラル思想に合わない人は排除される。従って、閉鎖的な空間に同じ政治思想の人間が集まることになる。メディア業界の中には、自分を社会のエリートであると自認し、一般人を頑固な平民だと見下す人間も多い。

しかし、大手メディアが必ずしも社会の主流層の意見を反映しているわけではない。2016年ギャラップの世論調査によると、36%のアメリカ人が保守派で、リベラル派は25%を少し超える程度だった。【20】 つまり、メディアが市民の多数派の意見を代弁していれば、報道が全体的に左寄りになることはない。

メディアが左寄りになっているのは、明らかに市民の意志ではない。むしろ、社会全体を左へ傾けるような政治的な力が裏で働いている。既述したギャラップ調査でも分かるように、一般市民は自分たちの政治思想を、よりリベラルで進歩的に変化させている。1996年、保守派とリベラル派の差は22%だった。2014年は14%に縮まり、2016年は11%とさらに縮まった。保守派の比率は安定して変わらないが、多くの中間層が左に傾いた。主流メディアの影響があったことは明らかで、またそれがメディアの偏向報道を維持している。

また、メディア業界の党派にも問題がある。アメリカでは民主党が左寄りで、共和党は右寄りの傾向がある。2014年にワシントン・ポスト紙が行った調査によると、28.1%のメディア従事者が民主党派で、7.1%が共和党派だった。【21】

大手新聞社やテレビ局勤務者の大多数は左寄りである。メディア企業の経営者から報道スタッフ、コメンテーターに至るまで、左派が圧倒的に多い。従って、彼らの偏向報道は明らかである。2016年のアメリカ大統領選の頃、アメリカの新聞100紙のうち57紙(合計1300万部)は、公に民主党候補の当選を支持していた。共和党候補を支持していたのは、100紙のうち2紙(合計30万部)だけである。【22】

なぜメディアはそこまで左寄りになったのか? 1960年代、アメリカは共産主義の深刻な影響を受け、過激な左翼が社会運動を引き起こしていた。その頃の学生リーダーたちが卒業し、メディア、学界、上流社会、政府機関、芸術関係などに就職した。彼らが世論を左右する職に就いた。

第十二章で詳述したが、大学教授の多くは左翼である。左翼イデオロギーに満ちたジャーナリズム学部や文学部で勉強した若者たちが卒業して社会人となる。メディア業界の給料は往々にして高くはないが、スタッフは自分たちの理想に燃えて業界に残る。この理想主義こそが、マスコミ全体を左寄りにする原因である。

映画産業も、すでに共産主義に包囲されている。ハリウッドは左翼プロパガンダの要塞である。左派の監督は美しく洗練された作品で左翼イデオロギーを推進している。彼の伝統から逸脱した映像は、世界中へ届けられる。ハリウッド映画の主なテーマは往々にして資本主義に対する中傷や階級間の対立であり、不道徳な行為を称え、反アメリカをあおる。

コラムニストのベン・シャピロ(Ben Shapiro)は多くの映画俳優やプロデューサーにインタビューを行い、著書『Primetime Propaganda: The True Hollywood Story of How the Left Took Over Your TV』(仮題:プライムタイム・プロパガンダ―いかに左翼がテレビを支配したのか:ハリウッドの真実)を出版した。それによると、メディア業界ではリベラル派が100%支配しているとある著名なプロデューサーが語ったという。彼は、それを否定する人は単に冗談を言っているか、真実を隠しているだけだと述べた。異なる政治意見を持つ人が映画業界に居続けることは難しいかという質問に対して、彼は「もちろんだ」と答えた。

ある有名なプロデューサーは、ハリウッドは仕事を通してリベラルな政治的見解を宣伝していると告白している。「現在、映画業界には一つの思想しか存在していない。それは、非常に進歩主義的な思想だ」。【23】 警察ドラマを制作するプロデューサーによれば、登場する犯罪者は白人を起用することが多いという。なぜならば、彼は「マイナスの固定観念を押しつけたくない」からだという。【24】

シャピロによると、ハリウッドのコネ(縁故)雇用は、親族よりもイデオロギーを重視する傾向がある。人は同じイデオロギーを持つ友人を雇う。ハリウッドの世界は極めてアンチ保守であり、それを公にすることもいとわない。寛容やダイバーシティ―(多様性)を謳う人たちが、イデオロギーになると非寛容になるのである。【25】

4.リベラル派と進歩主義に乗っ取られたメディア

ミズーリ大学で世界初のジャーナリズムスクールを設立したウォルター・E・ウィリアムズ(Walter Williams)は1914年、ジャーナリズム倫理学の個人的な確証(Journalist’s Creed)を作成した。これは、ジャーナリズムを独立した専門職として定義し、神を敬い、人類を重んじることを提唱している。ジャーナリストは意地や権力欲に心を動かされてはならない。ジャーナリストは細かな所に気を配り、自制、忍耐、勇気を持ち、常に読者を大切にするべきである。【26】 しかし、1960年代以降、進歩主義が普遍的になった。主張が客観性にとってかわり、リベラル派と進歩主義が公平性を排除した。

サミュエル・ロバート・リター(Samuel Robert Lichter)は、著書『The Media Elite』(仮題:メディアのエリート)の中で、記者は自分の意見や教育背景を報道に加える傾向があると指摘する。ニュース報道室はリベラル派が多数を占めるため、必然的にニュース報道はリベラル寄りになる。【27】

アメリカのジャーナリズム史200年を研究したジム・A・キュイペルス(Jim A. Kuypers)によると、現代の主流メディアは構造も報道の中身もリベラルあるいは進歩主義である。彼はリベラル大手新聞社の編集者の言葉を引用している。「大体いつも、われわれはリベラルのハートを持っている。従って、われわれは他のライフスタイルや見解には寛容ではない。ここで働きたい人は、われわれと同じでなければならないし、リベラルで進歩主義でなければならない」【28】

また、キュイペルスの別の研究によると、人種、福祉、環境、銃規制など議論を呼ぶ話題については、大手メディアの報道はよりリベラルになる傾向が強いという。【29】

さらに、環境問題については左翼イデオロギーが刷り込まれたニュース報道が多い。2001年のウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿した元CBS報道者バーナード・ゴルドベルク(Bernard Goldberg)は、ニュースキャスターの思想は偏っており、彼らは「リベラル偏向の意味さえ分かっていない」と指摘している。【30】

欧米の高信頼社会において、主流メディアのニュース報道に疑念を抱く人は少ないだろう。報道は客観的で包括的であり、引用された言葉は専門家の分析によるもので、情報の出どころも確かだと思われる。左翼メディアは消費者の信用を利用し、彼らのイデオロギーと世界観を植え付けている。

フェイク・ニュースが蔓延しているのも異常である。自由社会の欧米諸国は伝統的に真実、客観性、公平性をメディアに求めていたはずである。そのため、左翼メディアは一般的に、市民を公にフェイク・ニュースで騙すことはしない。彼らのやり方は、下記のように微妙かつ非常に巧妙である。

選択的に報道する
毎日、世界では絶えずニュースとなり得る幾多の出来事が起こっている。しかし、どの事件が注目に値するのか、またどの事件は忘却されるべきかについては、すべてメディア側の選択にかかっている。

現代メディアには強大な力がある。多くのメディア組織は左翼に支配されているため、いわゆる「社会正義」「平等」「フェミニズム」など進歩主義の問題がクローズアップされる。一方、共産主義の犯罪についての報道は薄められている。元下院議長ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)はかつて「左翼学者や左派メディア、またハリウッド従事者たちは、マルクスの恐ろしい非人道的な犯罪と対峙することを拒んでいる」と語った。【31】

選択的な報道は三つに分類できる。一つは、視聴者が左翼イデオロギーを受容するのに役立つ事件を主に、あるいはそれのみを選択して報道する。第二に、事件を包括的に報道せず、左翼の見解に結論づけられるような側面だけを切り取って報道する。三つめとして、メディアは左寄りのコメンテーターに多くの意見を述べさせ、他の組織や個人の意見を薄めて報道する。

ティム・グローズクローズとジェフリー・ミリョー(Tim Groseclose and Jeffrey Milyo)は2005年の論文「A Measure of Media Bias」(仮題:メディア偏向の尺度)の中で指摘する。「すべての任務の罪の中で…われわれは数百、いや数千に及ぶ(故意に)省略した罪があるだろう。ジャーナリストが一方の政治スペクトルに訴える事実や物語だけを選ぶケースである」【32】

アジェンダ設定
1960年代、あるメディア研究者が、テーマの重要性が報道での言及量・頻度により決定づけられること、ひいては大衆や政治家の注目する議題(アジェンダ)を設定する影響力がメディアにあるという説を提唱した。政治家のバーナード・コーエン(Bernard Cohen)が、それを分かりやすく解説している。メディアは、「多くの場合、人々に何を考えるべきかを伝えることに失敗したが、何について考えればよいかを伝えることにおいては、驚異的な成功を収めた」。【33】 つまり、メディアはいくつかのニュース報道と続報で優先度の順番を決められる一方、より重要な問題を手短に報道し、あるいは全く報道しないこともできる。

極めて少数の人しか関連のないトランスジェンダー(性同一性障害)の権利がメディアで話題になっている。これは、メディアがアジェンダ設定に成功した例である。さらに、地球温暖化が世論の重要な懸念事項となったのも、メディアと他の政治団体による長期的な陰謀の成果である。

物語を作り上げる
メディアには非常に深刻な問題が存在する。メディアが物語を作り上げてしまうことである。1960年代の性の解放運動や福祉の促進は家族の崩壊を招き、貧困を悪化させ、犯罪を増加させた。しかし、左翼メディアとハリウッドは、強く自立したシングルマザーの生きざまを美化し、裏にある深刻な事実を覆い隠した。一部の人々は、マイノリティーの貧しい経済的・社会的状況を「白人優位」の人種差別のせいにする。このような筋書きが普遍的に見られるのは、メディアと一部の政治勢力の共謀によるものである。

物語は多くの場合、事実を超えて報道される。客観的な報道の場合、記者は事実を要約して物語をつくる。しかし、記者の意見が偏向している場合、事実を自分の思想に合うように作り替え、物語を報道する。

ポリティカル・コレクトネスで自分を検閲する
ポリティカル・コレクトネス(略称ポリコレ)がメディアに浸透している。文章スタイル手引書に明確に示されていることもあれば、暗黙のルールもあるが、報道部には多くの言葉遣いについての規定がある。ポリコレは報道案件や報道の仕方に大きな影響を与える。ヨーロッパの一部の国では「ヘイトクライム」(憎悪犯罪)法によって、現地メディアは深刻な社会問題であるにも関わらず、移民による犯罪を報道することができない。アメリカメディアも犯罪報道には自己検閲を課しており、犯罪者の移民在留資格の報道を控えている。

保守派の情報筋にレッテルを貼り、彼らの影響力を小さくする
公平なニュース報道を印象づけるために、リベラル派のメディアは保守派の意見や保守系シンクタンクの見解も取り入れる。しかし、メディアは彼らの言葉を引用する時に、「保守派」「右翼」「宗教的な右翼」と呼び、彼らの意見が偏重しており、信用できないという微妙なトーンで報道する。リベラルあるいはリベラル系シンクタンクの情報を引用する時は、「学者」「専門家」といった中立的な呼称を使い、暗に彼らの意見は公平、客観的、理性的、信頼できるとほのめかす。

ポリティカル・コレクトネスの用語集を作る
欧米メディアや左翼政治グループ、アカデミック界は相当数のポリコレ用語集を作成している。メディアが多用するポリコレ用語は人々の心に刷り込まれ、潜在意識にまで影響を与えている。

メディアが左翼的な見解を報道すると、それが社会のあらゆる側面に表出してくる。ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された「リベラルな見解が脚光を浴びる」という記事が次のように指摘している。「選挙期間中、ニューヨークの観劇ファンたちは、あからさまな政治劇を観賞できる。イラク、ワシントンの汚職、フェミニズム、移民などだ。しかし、彼らは保守派の見解について観賞することはできない」【34】

メディアの政治傾向も、選挙戦の報道に色濃く反映されている。リベラル派の候補者はよりポジティブに報道され、伝統的な思想を信奉する候補者はより批判を浴びる。この種の報道や「専門家」のコメントが、多くの有権者を左右する。グローズクローズ(Groseclose)は、ワシントン在住の報道関係者のうち90%以上が民主党に投票したと主張している。グローズクローズの分析によると、民主党候補は偏向メディアにより8%~10%得票率が上がっているという。もしメディアの偏向報道がなければ、ジョン・マケイン(John McCain)は、バラク・オバマ(Barack Obama)に対し、56%対42%の比率で勝利していただろう。しかし、実際にマケインは46%対53%で敗れたのである。【35】

5. 映画産業―反伝統の先駆け

ハリウッドの影響は絶大である。アメリカ映画の本数は世界の10%に過ぎないが、世界の映画上映の70%はハリウッドが占めている。ハリウッドが世界の映画産業をほぼ独占していると言ってもいいだろう。【36】 アメリカ文化の象徴として、ハリウッドはアメリカの価値観を世界に広めた。しかし、同時にそれは逸脱した、反伝統的な価値観を世界中の人々に晒した。

1930~40年代、親たちは映画が子どもたちに与えるマイナスの影響など全く心配していなかった。それでも、当時の映画業界は厳しい道徳規制を設けていた。

1934年、教会の強い要望により、映画業界はヘイズ・コード(自主規制条項)を導入した。導入の目的は、観客の道徳基準を低下させるような作品を禁じることだった。ヘイズ・コードは観客が犯罪、不正行為、邪悪、罪に同情するような内容や、低レベルの性行為は普通のことであるとほのめかすシーンを禁じた。また、性行為については、家族と結婚の聖域を維持するためであると規定した。不倫については、時に物語によって挿入が必要かもしれないが、決して正当化したり、魅力的に描いたり、また露骨に表現してはならないとされた。

しかし、1950年代以降、性の解放が文化と道徳に衝撃を与えた。テレビの普及により映画市場は低迷し、映画会社の競争も激しくなった。ハリウッドはますますヘイズ・コードに違反し、自主規制を怠るようになった。1962年、中年男性と幼い義理の娘の恋物語を描いた映画「ロリータ」が上映された。

ロリータはアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞した。映画の評価については賛否両論だが、アメリカの映画評論サイト「ロッテン・トマト」によれば、41人の批評家のうち93%が肯定的な評価を与えている。これは、社会道徳が180度転換したことを象徴する出来事である。

1960年代に起きたカウンターカルチャー(対抗文化運動)は、ハリウッドにも衝撃を与え、反抗的な若者を描いた映画がいくつも製作された。アメリカ映画産業に邪悪な要素が浸透していた。

本書で繰り返し述べたように、共産主義の主な戦略は、犯罪行為を崇高で高潔なことであると演出することである。1967年の「ボニーとクライド」(邦題:俺たちに明日はない)は、世界恐慌中に起きた銀行強盗の実話に基づいた映画である。当時、多くの家族が銀行の差し押さえによって家を失い、路上生活を送っていた。怒りに燃えた映画の主人公は銀行強盗と殺人を繰り返し、社会正義のために戦うヒーローとして描かれた。

このハリウッド初の暴力映画は、犯罪行為をまるでロビン・フッドの悪者退治のように描いている。正義の味方である主人公は勿論ハンサムな男性と美しい女性である。一方、警察は法と秩序の守護者ではなく、無能な引き立て役として描かれる。ボニーとクライドが警察に銃殺される終盤のシーンは、思春期の視聴者にとって非常に刺激的である。若い犯罪者たちがまるで正義のために殉教したかのように美化されているのである。

犯罪と暴力をテーマにしたこの映画はアメリカの主流社会に衝撃を与えたが、反抗的な若者の間では非常に大きな反響があった。ボニーとクライドを演じた俳優がタイム紙の表紙を飾った。若者たちは彼らの話し方やファッションを模倣し、伝統や慣習を軽蔑した。彼らの死に方を真似する者もいた。【37】 学生団体のある過激なリーダーは、ボニーとクライド、キューバのゲリラ指導者チェ・ゲバラ、ベトナムのゲリラ、グエン・ヴァン・チョイを同一視する記事を書いた。【38】 ある学生団体のメンバーは、「われわれは潜在的なボニーとクライドではない。われわれはボニーとクライドそのものである」と言った。【39】

「ボニーとクライド」には前代未聞の鮮明な暴力とセックス・シーンが含まれていたにも関わらず、高く評価された。映画はアカデミー賞で作品賞を含む10部門にノミネートされ、そのうち2つを受賞した。この映画は、ハリウッドが大きく伝統から逸脱するきっかけとなった。

花嫁を結婚式場から奪い去るラストシーンで有名な「卒業」(The Graduate)が、1967年に公開された。主人公は優秀だが、不安と葛藤を抱えながら空虚な毎日を送っている。彼の父親世代の伝統的価値観は、退屈で偽善的に描かれる。彼はアメリカの主流社会に入る代わりに、中年女性の誘惑に乗り、一方で彼女の娘と恋に落ちる。娘は彼の情事を知り、別の男と結婚しようとするが、主人公が結婚式場にかけつけ、娘と駆け落ちするという物語である。「卒業」のテーマは、若者の反抗心、抑制できない性欲、不倫などを取り交ぜた反伝統的で反抗的な若者の姿である。映画は脚光を浴び、高い興行収入を記録した。アカデミー賞10部門にノミネートされ、そのうち一つを受賞した。「卒業」もまたハリウッドで高く評価された。

「ボニーとクライド」と「卒業」は、新しいアメリカ映画の誕生を意味した。1968年後期、ヘイズ・コードに代わり、映画評定(レイティング)システムが導入された。これにより、どんな種類の映画でも区分が指定されていれば上映が許可されることになる。娯楽産業は道徳的な自主規制を緩め、善悪の基準を守らなくなった。娯楽やメディアに携わる人たちは道徳を切り離し、邪悪な内容を彼らの作品に思う存分盛り込んだ。

堕落した娯楽は、視聴者に対して簡単で即効性の高い、安価な刺激を与えることができる。一方、プロデューサーたちは莫大な商業利益を生む作品を製作する。

映画は非常にパワフルな媒体である。臨場感あふれるシーンに圧倒され、視聴者は無意識のうちに映画の世界へと引き込まれる。優れた映画は観客の感覚や世界観にとてつもない影響を与え、彼らを現実世界へ引き戻すことも容易ではない。邪悪な映画に浸る観客は、このようにして伝統から切り離される。

著名な映画監督は次のように述べている。「ドキュメンタリーは、すでに変換しているものを変換させる。フィクション映画は、変換されていないものを変換させる」。【40】 つまり、ドキュメンタリーとは、視聴者がすでに持っている価値観を強化することであり、フィクション映画とは、架空の物語で無防備の視聴者に新しい価値観を植え付けることである。「ボニーとクライド」のプロデューサー兼主演男優は社会主義支持者だった。彼の1981年の映画「レッズ」(Reds)は数々のアカデミー賞を受賞した。冷戦の真っただ中で、この映画は過激な共産主義者を物柔らかで友好的な人間に描いたのだ。【41】

オスカー賞にノミネートされた彼のもう一つの作品「ブルワース」(Bulworth)で、彼は社会主義の大統領候補を演じた。彼は作品を通じてアメリカの政治問題は人種ではなく階級だというメッセージを伝えている。【42】 映画は評判を呼び、彼に大統領選への出馬を勧める話もあったという。

多くの映画は観客に絶大な影響を与える。「ボニーとクライド」の上映初日、物語が終盤にさしかかると、映画館の後部座席にいた観客たちが警察を罵り出したという。【43】 レイティング制導入後、初のR指定(映画倫理規定による年齢制限)映画「イージーライダー」(Easy Rider)が爆発的にヒットし、麻薬が流行した。映画の主人公はコカイン密輸で金を稼ぐ二人の流れ者である。長髪でヒッピーのバイク乗りは、ロックンロールや幻覚ドラッグに耽溺し、ヒッピーのコミューンや売春宿を冷やかしながら旅を続ける。劇中では本物のドラッグが使用された。彼らの反社会的で伝統的価値観から切り離された生活は多くの若者を魅了し、麻薬がカウンターカルチャー(対抗文化運動)の象徴となった。映画監督は後に明かしている。「アメリカのコカイン問題は、本当に自分のせいだ。イージーライダーの前には、コカインが路上に現れることはなかった。イージーライダーの後、コカインが蔓延したのだ」【44】

映画レイティング制度の導入後、ハリウッドは不道徳を美化する作品を量産した。淫乱、暴力、違法薬物、組織犯罪などである。ある調査によると、1968年から2005年に製作された映画のうち、58%はR指定である。【45】

アメリカの学者ビクター・クライン(Victor B. Cline)は、1970年代にソルトレーク市で上映されていた37本の映画について分析を行った。それによると、57%の映画は、やむにやまれず行った不正行為を英雄的に描写し、38%の映画は、犯罪活動を旨みのある行為、成功あるいはワクワクできる暇つぶしであると演出し、それについて負の応報の描写はなかった。59%の映画の主人公は、一人あるいはそれ以上の人間を殺害している。72%の女性主人公は性的に乱れている。実際、合法的に結婚している男女のセックスが健全であると描写した映画は1本しかなかった。また、健全で道理に適った結婚を描いた映画は22%に留まった。【46】

映画の暴力や性描写を批判すると、それに対する決まり文句はこうだ。つまり、暴力やセックスは現実世界で起きているのだから、映画はそれを描写しているに過ぎない、と。しかし、上記に述べた数字をみれば、それが明らかに間違いであることが分かる。また、数多くの左翼ハリウッド製作者たちは、当然のごとく彼らの思想を作品に反映させている。それがひるがえって、社会の価値観を変化させている。作家で映画評論家のマイケル・メドベジ(Michael Medved)によれば、リベラル思考で社会革命家のハリウッド人たちは、合法的な家族を否定し、性的倒錯を推進し、醜悪を美化することで、社会の価値観を形成していると指摘する。【47】

一方、不道徳な映画が多いのは、単に需要があるからだと主張する者もいる。理由はどうであれ、邪悪の計画は恐ろしいほど成功した。映画産業が公衆の道徳を引きずり下ろすスピードとパワーは驚異的である。ある映画は、野獣や化け物を重要人物として描写する。人間が野獣に変身し、獣姦することさえも、ハリウッドに認められ、称賛された。これは、まさに悪魔がこの世を統治していることの現れである。人間が化け物を受容したのである。

これらの反伝統映画は、あたかも社会問題を反映させているかのように見える。しかし、実際には、単に観客を複雑で臨場感あふれる環境にどっぷりと浸からせているだけである。観客は巧妙に仕組まれた雰囲気の中で、道徳基準は状況によって変わるものだと認識してしまう。かつて醜悪とみなされていた行為が映画を通して正当化され、同情を買い、ポジティブなことと思われるようになる。観客の心には映画の最終的なメッセージが植えつけられる。善悪や正邪の間に明確な境界線はなく、伝統は退屈で抑圧的、道徳は相対的である。

6. テレビ―各家庭の腐敗

テレビは各家庭にとって欠かせない生活用品となった。テレビ視聴者は無意識のうちに世界観を変えられてしまう。メディア研究センター(Medea Research Center)によると、テレビの視聴時間が長い人は、誠実さ、信頼性、公平性などの伝統的価値観に乏しくなる一方、非健全な性行為(不倫、堕胎、同性愛)については、より寛大になる傾向があるという。【48】

神を信じる人の中で、テレビ視聴が短い人と長い人の割合はほぼ同じ(それぞれ85%と88%)だが、テレビ視聴が長い人は、より宗教的な理念を守ることが難しくなるという。例えば、「人は神の教えと法に則って生活するべきである」あるいは「人は神の道徳規範と、自分の道徳や価値観の両方を融合させるべきである」のどちらかを選択する場合、テレビ視聴が長い人は、後者を選択する傾向がある。

上記の調査をみると、一般的にテレビは人々をより道徳的相対主義にすると言えるだろう。

1950年代以降、テレビは人々の生活に欠かせない一部となった。テレビドラマや映画の他にも、トーク・ショーやお笑いドラマ(シットコム)が視聴者の価値観を形成する。ドキュメンタリー番組でさえも、種々雑多な歪んだ概念をこっそりと視聴者に吹き込んでいる。

トーク・ショーを例に説明しよう。テレビのスタジオに招かれるゲストはおおむね反伝統的な行為や価値観が特徴の人間、あるいは私生活が乱れた人物である。スタジオには「専門家」が登場し、道徳問題について語る。ゲストたちは、「勇気を持って」「根深い」あるいは「複雑な」私生活の問題を暴露する。司会者、専門家、あるいはスタジオの観客たちは、問題解決に向けて異なる「選択肢」を提示する。番組の人気を保障するために、通常その問題に対する道徳的判断は下されない。この手法で、多くのトーク・ショーは堕落した、逸脱した行為と意見の見本市となる。徐々に人々は、それまで保っていた価値観は特別な状況において適用されない場合もあり得ると誤認し、普遍的な価値観を否定するようになる。

ゴールデンタイムの番組の多くは不愉快で下らない内容ばかりである。女性を含む一部の司会者は罵ることを誇りに思っているようである。人々はくつろぎながら、悪趣味で反文化的、反伝統的な娯楽番組を視聴する。時間が経つにつれて、人々は警戒を解き、このような低レベルな番組を認め、喜ぶようになる。視聴者の道徳的思考は無意識に汚染されている。

シットコムも人々の価値観を歪める番組である。これは、一般的にはあり得ない価値観や行為を繰り返し放送することで、人々を堕落させている。

シャピロがアメリカの人気シットコム番組「フレンズ」のエピソード「ベビー誕生!」を例に挙げて説明している。ロス(男性)の元妻でレズビアンのキャロル(女性)が彼の子どもを妊娠した。ロスは、子どもがレズビアンの家庭で育つことに不安を覚える。彼の心配をよそに、友人のフィービィーが言った。「あたしが子どもの頃、パパは蒸発、ママは自殺、義父は服役中だった。だから、自分を育ててくれる親なんて、これっぽっちもいなかったわ。だけど、今はまだ生まれてもいない小さな赤ちゃんに対して、三人の親が争って愛情を注ごうとしている。赤ちゃんは本当に、本当に、世界一幸せなのよ!」【49】

フィービーの言葉に安堵し、自信を取り戻したロス。シャピロ曰く、「妊娠したレズビアンと三人の両親という設定は、普通というだけではなく、称賛すべきである」ことを暗に示している。

現代医学によると、人間の脳には5つの異なる「脳波」がある。そのうち、覚醒時に起きるのはアルファ波とベータ波である。人が活発に仕事に集中している時などはベータ波が出現する。ベータ波は分析したり、ロジカルな思考を増幅したりする脳波である。つまり、脳がベータ波を発している時は、警戒心が比較的強く、騙されにくい。一方、アルファ波で脳がリラックスしている状態の人は感情に左右されやすく、分析能力が減退する。テレビを見ている時、人は通常リラックスした状態であり、真剣に思考する準備はできていない。アルファ波の脳は外部からの影響を受けやすく、テレビ番組の見解やテーマを潜在的に受け入れてしまう。

ある研究によると、子ども向け番組を含めて、3分の2近くの番組が暴力的な内容を含んでいる。非現実的で性的な内容を含むテレビや映画も多い。学生たちが学校の授業の他に性について学ぶのはメディアからである。

数多くの研究が指摘しているように、暴力的な内容のメディアに晒された若者は、暴力に関して麻痺するようになり、後の人生において暴力的になる可能性が高くなる。若者に対するメディアの悪影響は甚だしく、暴力、性行為、十代の妊娠といった社会問題を生んでいる。性的な内容を含むテレビ番組を頻繁に見る女子は、そうでない女子に比べて、3年以内に妊娠する可能性が2倍高くなるという。他にもテレビの影響による若者の性的暴行や危険行為などが指摘されている。【50】

ポルノや淫らな内容の番組が、社会の価値観や伝統を破壊している。ある学者は次のように指摘している。「メディアは非常に説得力が強い上に、セックスが氾濫している。子どもどころか、批判的な大人でさえも、それに抗うのは困難だ…メディアは、真のセックスの教育者であろう」【51】  メディアの影響により、配偶者以外との性行為、恋愛、その他さまざまな異常な行為が普通の事のように描かれている。自分たちがやりたければ、自由にやればいいじゃないかという具合である。

シャピロは著書『Primetime Propaganda』(仮題:プライムタイムのプロパガンダ)の中で、影響力の高いアメリカのテレビ番組100本を調査した。それによると、時が経つにつれて、これらの番組はますますリベラルや左翼の見解を推進しているという。番組の主なテーマは、無神論、セックスと暴力、フェミニズム、同性愛、性転換、道徳の拒絶、また伝統的な夫婦や親子の絆、信仰を軽視するなどである。ある番組は同情心のかけらもない冷酷な反英雄(アンチヒーロー)を主役に仕立て上げている。アメリカの番組は道徳を堕落させながら進化している。この種の反伝統的な番組は視聴者、特に若者に対して巨大なインパクトを与える。【52】

例えば、若者に人気のMTVチャンネルは、惜しみなくソフトコア・ポルノや倒錯した性的内容を含む番組を流している。【53】 映画のレイティング制度により、ポルノでもX指定(性描写、性表現や暴力表現などに関するランク分けの最大レベルに該当)にすれば販売可能である。技術の発展により、このような猥褻物が闇市場から一般家庭に届くようになった。今ではレンタルビデオ店や有料テレビ、ホテルなどで簡単に入手できる。

テレビは人間を非常に若いうちから汚染することができる。アニメのキャラクターは醜いものばかりで、非常に暴力的である。多くの子ども番組には、こっそりと進歩主義やリベラル思想が隠されている。「文化的なダイバーシティ」という名のもとで、同性愛の内容が含まれているのだ。彼らの決まり文句は、「君は世界のオンリーワン」。努力もさせずに自己肯定感のみを植えつけ、不道徳な人を含む全ての人間を受け入れるようにと謳う。【54】

もちろん、少数のハリウッドプロデューサーたちは、故意に歪んだイデオロギーを作品に含めようとか、観客を洗脳しようとか思っているわけではないだろう。しかし、彼らが進歩主義やリベラルを信奉している場合、無意識に彼らの作品にもそれが反映されるだろう。真の計画者は極悪非道である。メディア従事者たちが神に背を向けるならば、邪悪の手先となってしまう。

7. メディア―全面戦争の主戦場

共産主義の闘争哲学とは、目的のためなら手段を選ばず、守るべき最低限の道徳観念もないことである。2016年の米大統領選に出馬したドナルド・トランプは「ポリティカル・コレクトネス」に真っ向から反対した。彼は極左に傾いたアメリカを右寄りに戻すことを宣言し、伝統的価値観を復活させ、法の支配、経済活性のための減税、神に対する敬意と謙遜を主張した。彼の率直さにリベラル派はパニックに陥った。主流メディアを武器に、リベラル派はトランプに対する猛攻撃を行った。

米大統領選の期間中、左翼メディアはさまざまな手法でトランプを誹謗し、卑下する報道を行った。トランプ陣営を排斥し、トランプ支持者は人種差別、性差別、反移民で外国人嫌い、教養のない白人というレッテルを貼った。つまり、メディアは印象操作により選挙結果に影響を与えようとした。少数を除いて、およそ95%のメディアはトランプの敗退を繰り返し報道した。予測に反し、トランプはライバルを打ち負かして第45代アメリカ合衆国大統領に就任した。

選挙戦がどんなに激しくとも、結果が出た後は両陣営とも冷静になり、通常の業務に戻るべきである。特に、メディアは公平性を重視し、国家の利益を最優先し、中立性を保つべきである。しかし、メディアによる狂った選挙論争は大統領選の後も呆れるほど続いた。

ほぼ全てのメディアが、トランプ政権の成果を故意に無視している。株価は史上最高値を更新し、外交戦略やISIS殲滅をほぼ達成するなどの成果である。失業率は18年ぶりに低水準となり、アメリカ経済は回復の兆しを見せた。

さらに、メディアは根拠のない言いがかりをつけ、トランプ政権を妨害した。メディアはトランプとロシアの陰謀説を盛んに報道していたが、特別顧問調査団はトランプ陣営がロシア側と共謀したという事実はないと発表した。調査報告書も明白に、トランプとロシアの間の共謀説を否定している。【55】

反トランプを掲げるメディアは、多くのフェイク・ニュースを流している。2017年12月、大手テレビ局はロシアによる米大統領選介入疑惑をめぐって訴追されたマイケル・フリン(Michael Flynn)前米大統領補佐官(国家安全保障担当)に関する誤報を流したとして、2人の主任記者を4週間の無給停職処分にした。フリンが大統領選期間中にトランプ本人からロシア政府との接触を指示されたと証言する見通しだと伝え【56】、後にこれは誤報であることが発覚した。彼らはかつて4つのピーボディー賞と17のエミー賞を受賞した優秀なジャーナリストだったが、フェイク・ニュースが彼らの栄誉に泥を塗ることになった。

トランプは、中央アメリカのギャング、マラ・サルバトルチャ(別名MS-13)を批判し、特に移民になりすましてアメリカに流入するギャングたちに対して、「彼らは人間じゃない。アニマルだ。われわれは彼らに対して非常に、非常に厳格に対処する」とコメントした。それに対して、アメリカの主流メディアは彼のコメントの一部を切り取り、「トランプが不法移民をアニマルと称している」と報道した。

2018年6月、2歳のホンジュラスの女の子が泣いている写真がメディアで大々的に報道された。写真は、親子がメキシコから米国に不法入国した後、国境警察に拘束された時のものだった。メディアは、親子が強制的に引き離されたと伝え、トランプの不法移民に対する厳格な政策を非難した。タイム誌は、泣きじゃくる女児とトランプの写真を横並びにした表紙に「アメリカへようこそ」とタイトルをつけ、トランプを皮肉った。しかし、女児の父親は後に、国境警察が二人を引き離したわけではないと告白している。【57】

メディア研究センターの調査によると、過去2年間、アメリカ三大主流メディアが主に夕方放送したのはトランプ関連の話題であり、夕方ニュースの3分の2の時間が費やされたという。2017年、トランプ関連ニュースの90%は否定的に報道された。2018年、否定的な報道は91%に達した。報告書は、「トランプほど敵対的な報道を長期間受けた大統領が他にいないことは否定できない」と結論づけている。【58】

しかし、アメリカ人はますますフェイク・ニュースに敏感になっている。2018年4月にモンマス大学が行った調査によると、主流メディアがフェイク・ニュースを流していると感じると答えた人は、以前の63%から77%に上昇した。【59】 2016年のギャラップ調査によると、アメリカ人のメディア信用度は32%に低下し、「かなり信頼している」あるいは「おおむね信頼している」は過去の年に比べて8%下がっている。【60】 当然ながら、大手メディア企業の経営者も「フェイク・ニュースは現代のガンである」と嘆いている。【61】

大統領選の結果を考慮すると、50%のアメリカ人はトランプを支持していたことになるが、メディアは一方的な側面しか報道していない。この異常な状況の中で、トランプは攻撃され、誹謗中傷を受けた。なぜならば、彼は伝統の復活を強く希望し、彼の理想は反伝統イデオロギーの左翼と共存できないからである。もしメディアの影響で人々がトランプに対する信用を失ったら、メディアは真の目的を達成できるだろう。つまり、社会が伝統に回帰することを妨げるのだから。

最も深刻な問題は、多くのメディアが過激な美辞麗句を報道し、敵対心と憎悪をあおり、大衆を二極化することによって、ますます社会を分断していることである。メディアは最低限の倫理観も放棄し、社会が崩壊するかもしれないという結末さえ無視して、敵を打倒している。この国は、すでに極端な混乱と危険に直面しているのである。

 

結論:責任あるメディアをめざす

過去一世紀にわたって、共産主義の邪霊が支配できたのは世界の一部分だった。しかし、今日の状況を観察すると、邪霊はすでに全世界を統治していると言えるだろう。人類のあらゆる側面が腐敗している。強大なメディアが人々を洗脳し、騙し、道徳の堕落に拍車をかけた。人々は知らぬ間に伝統から逸脱した。

西側諸国の多くのリベラル系メディアは真実を覆い隠し、人々を騙す道具となった。メディア従事者たちは自身の倫理観やプロ意識を犠牲にし、標的となった人々の評判や社会に対する影響を無視して俗悪な攻撃や誹謗中傷をする。

邪霊は人間の弱点につけ込んで計画を成功させた。名声、利益、無知、怠惰、利己心、浅はかな同情、競争心などである。一部のジャーナリストは上辺の現象に惑わされ、独りよがりに伝統文化に対抗しようとする。また、すでに道徳が低下した「大衆の要求」に迎合し、視聴率を獲得しようとするメディアもある。キャリアアップのために、堕落した内容に合わせる者もいる。ある者は、嫉妬心や敵対心からフェイク・ニュースを流す。一部の人々は、無知と怠慢からフェイク・ニュースを信じてしまう。一部の者は、人々の親切心や同情心につけこみ、社会正義を主張し、社会全体を左傾化しようとする。彼らは節操のないやり方で彼らの政治的・経済的な目標を達成しようとする。

メディアの使命は高尚であるべきである。メディアは人々にとって大事な情報源であり、健全な社会の発展を保障するものである。客観性と公平性はメディアの基本的な倫理であり、それが人々の信用を得るためのカギである。しかし、今日のメディアは混沌としており、人々の信用を甚だしく失っている。メディアの使命を取り戻し、ニュース報道の専門性を追求することが、メディアに従事する人々の責任ではないだろうか。

メディアの使命を取り戻すということは、真実を追求することである。メディア報道は包括的で、信頼できる情報源を確保するべきである。多くのメディアは社会現象の一部を切り取って報道し、誤解を与えるような報道を繰り返す。それは、完全な嘘よりもさらに人々にダメージを与える。

メディアの使命の一つは、善を推進することである。ここで言う善とは同情心の乱用でもなく、またポリティカル・コレクトネスでもない。それは、人類が長期的に幸福を得られるような、真の善である。人類が求めるべき道は、短期的な経済利益ではなく、でっち上げの共産主義ユートピアでもない。それは、神から与えられた伝統の道を進むことであり、道徳基準を向上させ、本来の自分がいた場所に回帰することである。そこは真に美しい、生命が生まれた場所である。

人類社会には善と悪の両方が存在する。社会の価値観や道徳を維持するのに役立つのなら、メディアは良い存在だといえるだろう。真実を伝え、美徳を支持し、邪悪を暴露し抑制するのがメディアの責任である。

メディアが使命を取り戻すうえで肝心なのは、将来の人類に影響を与えるような主要な出来事に報道の焦点を置くことである。前世紀、われわれは自由社会と共産圏の対立を目撃した。表面的にはイデオロギーの対立に見えたが、実際には生死をかけた善と悪の戦いだった。なぜならば、共産主義は人類文明の砦である道徳を破壊していたからである。東欧の共産主義政権が崩壊した後も、その邪霊は敗北したわけではなく、生き残った。

悠久の文化を有する中国で、共産党は真・善・忍という普遍的な価値観を掲げる法輪功への弾圧を行っている。世界で最も人口の多い国で大々的な迫害が行われている。1999年に始まり、20年続いたこの弾圧は、筆舌に尽くしがたいほど残酷である。近代史における最も大規模な信仰に対する迫害である。

法輪功に対する迫害は、人類文明の価値観に対する迫害であり、信仰の自由に対する凶暴な弾圧である。しかし、その迫害の規模や深刻さに比べて、欧米メディアによる報道は極端に少ない。ほぼ全ての主流メディアは中国共産党の政治圧力を前に、自主的に報道を規制し、この重大な問題に対して沈黙を守っている。一部のメディアは、中国共産党の虚偽報道に加担する始末である。

しかし同時に、共産主義に反対し、伝統に回帰する兆しも見えている。中国では3億人以上の人々が中国共産党およびその関連組織から脱退すると宣言する「脱党」運動が進んでいる。中国と世界の将来にとって非常に重要な出来事であるにも関わらず、欧米メディアがこれに言及することは滅多にない。

世界が大きく変革している今日、真実と伝統的価値観はこれまで以上に重要である。世界は善悪を分別し、善を推進し、道徳を維持できるメディアを必要としている。個人や企業、政党の利益を超えて、真実の世界を人々に示すことがプロのメディアの責任である。

メディア全体の道徳が堕落している今日、読者や視聴者は知恵を持って善悪を見分け、メディアが伝える情報を理性的に精査することが必要である。われわれは道徳や伝統に照らして問題を判断し、普遍的価値観を以て社会現象を分析するべきである。それによって、メディアも必然的に使命を果たすようになるだろう。これはまた、人類が共産邪霊の侵入を食い止め、よりよき未来の道を模索するカギとなるだろう。

参考文献

[1] Thomas Jefferson, The Works, vol. 5 (Correspondence 1786–1789), quoted in Online Library of Liberty, accessed on October 2, 2018, http://oll.libertyfund.org/quote/302.
[2] Joseph Pulitzer, “Why Schools of Journalism?” The New Republic, October 9, 1930, 283.
[3] “Rules of the Communist League,” The Communist League, Marx/Engels Internet Archive, accessed October 4, 2018, https://www.marxists.org/archive/marx/works/1847/communist-league/index.htm.
[4] 林彪:〈在中央政治局擴大會議上的講話〉(1966年5月18日)(中國文化大革命文庫)https://ccradb.appspot.com/post/1415.
[5] 胡喬木:〈報紙是教科書〉,《胡喬木文集》,第3卷(北京:人民出版社,1994年),頁303.
[6] 韓梅:〈英解密檔案曝光「六四」死亡人數:屍體堆積在地下通道〉,希望之聲廣播電台,2017年12月20日,http://www.soundofhope.org/gb/2017/12/20/n1378413.html.
[7] “Self-Immolation Hoax on Tiananmen Square,” Minghui.org, http://en.minghui.org/cc/88/.
[8]〈綜述:創新機制強化培養 構建高素質宣傳文化隊伍〉,新華網,2011年9月28日,http://cpc.people.com.cn/GB/64107/64110/15777918.html.
[9] Matthew Vadum, “Journalistic Treachery,” Canada Free Press, July 1, 2015, https://canadafreepress.com/article/journalistic-treachery.
[10] Marco Carynnyk, “The New York Times and the Great Famine,” The Ukrainian Weekly No. 37, Vol. LI (September 11, 1983), accessed October 5, 2018, http://www.ukrweekly.com/old/archive/1983/378320.shtml.
[11] Robert Conquest, The Harvest of Sorrow: Soviet Collectivization and the Terror-famine (Oxford: Oxford University Press, 1986), 319.
[12] Quoted in Arnold Beichman, “Pulitzer-Winning Lies,” The Weekly Standard, June 12, 2003, https://www.weeklystandard.com/arnold-beichman/pulitzer-winning-lies.
[13] Ronald Radosh, Red Star Over Hollywood: The Film Colony’s Long Romance With the Left (San Francisco: Encounter Books, 2005), 80.
[14] 同上., 105.
[15] 愛德加·斯諾:《紅色中華散記》,奚博銓譯(南京:江蘇人民出版社,1991),頁1.
[16] Ruth Price, The Lives of Agnes Smedley (Oxford: Oxford University Press, 2004), 5–9.
[17] Lymari Morales, “Majority in U.S. Continues to Distrust the Media, Perceive Bias,” Gallup, September 22, 2011, https://news.gallup.com/poll/149624/majority-continue-distrust-media-perceive-bias.aspx.
[18] Tim Groseclose, Left Turn: How Liberal Media Bias Distorts the American Mind (New York: St. Martin’s Press, 2011).
[19] 同上., “The Second-Order Problem of an Unbalanced Newsroom,” Chapter 10.
[20] Lydia Saad, “U.S. Conservatives Outnumber Liberals by Narrowing Margin,” Gallup, January 3, 2017, https://news.gallup.com/poll/201152/conservative-liberal-gap-continues-narrow-tuesday.aspx.
[21] Chris Cillizza, “Just 7 Percent of Journalists Are Republicans. That’s Far Fewer than Even a Decade Ago,” The Washington Post, May 6, 2014, https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2014/05/06/just-7-percent-of-journalists-are-republicans-thats-far-less-than-even-a-decade-ago/?noredirect=on&utm_term=.3d0109901e1e.
[22] “2016 General Election Editorial Endorsements by Major Newspapers,” The American Presidency Project, http://www.presidency.ucsb.edu/data/2016_newspaper_endorsements.php.
[23] Ben Shapiro, “The Clique: How Television Stays Liberal,” Primetime Propaganda: The True Hollywood Story of How the Left Took Over Your TV (New York: Broadside Books, 2012).
[24] 同上., “Making the Right Cry: How Television Drama Glorifies Liberalism.”
[25] 同上., “The Clique: How Television Stays Liberal”
[26] Quoted in Jim A. Kuypers, Partisan Journalism: A History of Media Bias in the United States (Lanham: Rowman & Littlefield, 2014), 8.
[27] S. Robert Lichter, et. al., The Media Elite (Castle Rock, Colo.: Adler Publishing Co., 1986).
[28] Kuypers, Partisan Journalism, 2.
[29] Jim A. Kuypers, Press Bias and Politics: How the Media Frame Controversial Issues (Santa Barbara, Calif.: Greenwood Publishing Group, 2002).
[30] Quoted in Kuypers, Partisan Journalism, 4.
[31] Newt Gingrich, “China’s Embrace of Marxism Is Bad News for Its People,” Fox News, June 2, 2018, http://www.foxnews.com/opinion/2018/06/02/newt-gingrich-chinas-embrace-marxism-is-bad-news-for-its-people.html.
[32] Tim Groseclose and Jeff Milyo, “A Measure of Media Bias,” The Quarterly Journal of Economics, Vol. 120, No. 4 (November, 2005), 1205.
[33] Quoted in Maxwell E. McCombs and Donald L. Shaw, “The Agenda-Setting Function of Mass Media,” The Public Opinion Quarterly, Vol. 36, No. 2 (Summer, 1972), 177.
[34] Patricia Cohen, “Liberal Views Dominate Footlights,” New York Times, October 14, 2008, https://www.nytimes.com/2008/10/15/theater/15thea.html.
[35] Groseclose, Preface, Left Turn.
[36] Jonathan Derek Silver, Hollywood’s Dominance of the Movie Industry: How Did It Arise and How Has It Been Maintained?, doctoral dissertation, the Queensland University of Technology (2007), Section 1.4, https://eprints.qut.edu.au/16687/1/Jonathan_Derek_Silver_Thesis.pdf.
[37] John Belton, American Cinema / American Culture, 2nd Edition (McGraw-Hill Publishing Company, 2005), Chapter 14.
[38] Todd Gitlin, The Whole World Is Watching: Mass Media in the Making and Unmaking of the New Left (Berkeley: University of California Press, 2003), 199.
[39] Steven J. Ross, Hollywood Left and Right: How Movie Stars Shaped American Politics (Oxford University Press, 2011), 322.
[40] 同上., 338.
[41] 同上., 338–39.
[42] 同上., 352.
[43] Gitlin, The Whole World Is Watching, 199.
[44] Peter Biskind, Easy Riders, Raging Bulls: How the Sex-Drugs-and-Rock ‘N’ Roll Generation Saved Hollywood (New York: Simon and Schuster, 1999), 74.
[45] Ashley Haygood, The Climb of Controversial Film Content, master’s thesis in Communication at Liberty University, May 2007, accessed October 5, 2018, https://digitalcommons.liberty.edu/cgi/viewcontent.cgi?&httpsredir=1&article=1007&context=masters&sei-re.
[46] Victor B. Cline, “How the Mass Media Effects Our Values and Behavior,” Issues in Religion and Psychotherapy, Vol 1, No. 1. (October 1, 1975), https://scholarsarchive.byu.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1004&context=irp.
[47] Michael Medved, Hollywood vs. America (New York: Harper Perennial, 1993), 3.
[48] “The Media Assault on American Values,” Media Research Center, accessed October 2, 2018, https://www.mrc.org/special-reports/media-assault-american-values.
[49] Shapiro, “Prologue: How Conservatives Lost the Television War,” Primetime Propaganda.
[50] “The Impact of Media Use and Screen Time on Children, Adolescents, and Families,” American College of Pediatricians, November 2016, https://www.acpeds.org/wordpress/wp-content/uploads/11.9.16-The-Impact-of-Media-Use-and-Screen-Time-on-Children-updated-with-ref-64.pdf.
[51] Congressional Record, Volume 141, Number 146 (September 19, 1995), https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CREC-1995-09-19/html/CREC-1995-09-19-pt1-PgS13810.htm.
[52] Shapiro, Primetime Propaganda.
[53] Libby Copeland, “MTV’s Provocative ‘Undressed’: Is It Rotten to the (Soft) Core?,” Los Angeles Times, February 12, 2001, http://articles.latimes.com/2001/feb/12/entertainment/ca-24264.
[54] Shapiro, “Robbing the Cradle: How Television Liberals Recruit Kids,” Primetime Propaganda.
[55] Erin Kelly, “Speaker Paul Ryan: ‘No Evidence of Collusion’ between Trump Campaign and Russians,” USA Today, June 7, 2018, https://www.usatoday.com/story/news/politics/2018/06/07/paul-ryan-no-evidence-collusion-between-trump-campaign-russians/681343002/.
[56] Julia Manchester, “Trump: ABC Should Have Fired ‘Fraudster’ Brian Ross,” The Hill, December 8, 2017, http://thehill.com/homenews/administration/364061-trump-abc-should-have-fired-fraudster-brian-ross.
[57] Samantha Schmidt and Kristine Phillips, “The Crying Honduran Girl on the Cover of Time Was Not Separated from Her Mother,” Washington Post, June 22, 2018, https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2018/06/22/the-crying-honduran-girl-on-the-cover-of-time-was-not-separated-from-her-mother-father-says/?noredirect=on&utm_term=.bd08dbdaf5bc.
[58] Rich Noyes, “TV vs. Trump in 2018: Lots of Russia, and 91% Negative Coverage (Again!),” NewsBusters, March 6, 2018, https://www.newsbusters.org/blogs/nb/rich-noyes/2018/03/06/tv-vs-trump-2018-lots-russia-and-91-negative-coverage.
[59] “‘Fake News’ Threat to Media; Editorial Decisions, Outside Actors at Fault,” Monmouth University Polling Institute, April 2, 2018, https://www.monmouth.edu/polling-institute/reports/monmouthpoll_us_040218/.
[60] Art Swift, “Americans’ Trust in Mass Media Sinks to New Low, Politics,” Gallup, September 14, 2016, https://news.gallup.com/poll/195542/americans-trust-mass-media-sinks-new-low.aspx.
[61] Polina Marinova, “New L.A. Times Owner Tells Readers: ‘Fake News Is the Cancer of Our Times,’” Fortune, June 18, 2018, http://fortune/2018/06/18/los-angeles-times-owner/.

【引用元】
https://www.epochtimes.jp/p/2019/10/45574.html

【序章】
【第一章】 人類を壊滅する邪悪の陰謀
【第二章】 始まりはヨーロッパ
【第三章】 東側での大虐殺
【第四章】 革命の輸出
【第五章】 西側への浸透
【第六章】 神に対する反逆
【第七章】 家族の崩壊
【第八章】 共産主義が引き起こした政治の混乱
【第九章】  共産主義がしかけた経済的な罠
【第十章】 法律を利用する邪悪
【第十一章】 芸術を冒涜する
【第十二章】 教育の破壊
【第十三章】 メディアを乗っ取る
【第十四章】 大衆文化―退廃と放縦
【第十五章】 テロリズムのルーツは共産主義
【第十六章】 環境主義の裏にいる共産主義
【第十七章】 グローバル化の中心は共産主義
【第十八章】 中国共産党のグローバルな野望
【おわりに】