オミクロン株、米政府顧問「ほぼ必ず世界中に広がる」 なぜ『Xi』を飛ばしたのか?理由は……

時事

南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」で各国が警戒を強めている。

読売新聞によると、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が南アフリカなどで検出されたことを受け、米政府は27日、南アを含むアフリカ南部8か国への渡航警戒レベルを最も厳しい「レベル4」に引き上げ、渡航の中止を勧告した。米政府は、26日に8か国からの渡航制限も発表している。

米政府のアンソニー・ファウチ首席医療顧問は27日の米NBCニュースで「これほどの感染力を持つウイルスが存在する場合、ほぼ必ず最終的には世界中に広がることになる」と述べ、世界的な感染拡大は避けられないとの見方を示した。米国で確認されても、「私は驚かない」と語った。

ブリンケン米国務長官は27日、南アのナレディ・パンドール国際関係・協力相と電話で会談し、ワクチン接種を巡る協力の重要性で一致した。

新たな変異株「オミクロン株」の感染が、欧州で急拡大している。28日までに英国、ドイツ、イタリア、オランダなどで新たに感染者が確認された。ロイター通信によると、28日にはオーストラリアでもアフリカ南部から到着した2人のオミクロン株感染が確認された。

世界保健機関(WHO)は24日、南アから初めての感染例の報告を受けた。隣国ボツワナなどでも見つかり、欧州では26日に初めてベルギーで確認された。WHOは、デルタ株などに比べて再感染のリスクが高い可能性があると指摘。各国に監視態勢や解析の強化を求めている。

「オミクロン株は大変速いスピードで拡大している」。ジョンソン首相は記者会見で危機感をあらわにし、人口の約8割を占めるイングランドの店内や公共交通機関でマスク着用を義務づける新たな行動規制措置を発表した。

また、すべての入国者に対して到着後2日以内のPCR検査や陰性が確認されるまでの自主隔離を義務づけるとも表明。オミクロン株の感染者と接触した人については10日間の自主隔離も必要とした。

ドイツでも27日、南部バイエルン州で初めて感染が2件確認された。2人は24日、南ア発の便で同州ミュンヘンに到着した乗客だったという。また、イタリアでも27日、モザンビークからの渡航者からオミクロン株が確認されたと報じられた。

さらに、2桁の感染者が一気に確認されたのがオランダだ。ロイター通信などは28日、南アから26日にオランダに到着した航空機の乗客計約600人のうち61人がコロナ陽性と分かり、うち13人のオミクロン株感染が確認されたと報じた。

また、デンマークでも2人の感染が伝えられた。

香港では、オミクロン株感染者2人が滞在しているホテルの宿泊者を対象に14日間の隔離措置が発表された。

米国では27日現在、オミクロン株の感染者は確認されていないが、米国務省は27日、南ア、ジンバブエ、ボツワナなどアフリカ南部8カ国への米国人の渡航について、渡航警戒レベルを4段階のうち最も厳しい「渡航中止」(レベル4)に引き上げた。この8カ国から米国への外国人の入国については、原則として29日から禁止するとすでに発表している。

日本では政府関係者によると、政府はすでにとりやめている南アフリカなど9か国から全世界に対象を拡大する方針を固めたという。

こうした中、ブリンケン米国務長官は27日、南アのパンドール国際関係・協力相と電話で対応を協議した。国務省によると、ブリンケン氏は南アの科学者らが迅速に新たな変異株の確認に成功したことや、南ア政府の情報共有に関する透明性について称賛した。南アが各国による渡航制限措置などについて「まるで懲罰のようだ」などと不満を示していることに対し、一定の配慮を示したとみられる。

新型コロナウイルスは2019年12月、中国・武漢で初めて確認されたが、中共の証拠隠蔽や情報封鎖で世界的な大流行が起きた。

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では、今回の変異株はなぜ「オミクロン株」なのか、その理由は何なのか。

変異株は当初、最初に見つかった国や地域の名前で呼ばれていたが、偏見や差別が生まれる懸念があることから、WHOは2021年5月末からギリシャ文字を使うようになっている。

変異株を警戒レベルの度合いによって、感染力が強まったり、ワクチンの効果を弱めたりするものを「懸念される変異株(VOC=Variants of Concern)」、複数の国や地域でクラスターが発生するなど拡大しているものを「注目すべき変異株(VOI=Variants of Interest)とそれぞれ分類している。VOCの方がより警戒度合いが高い。

また、VOIから一段、警戒レベルが格下げになったものは「監視中の変異株(VUM=Variants Under Monitoring)」と呼んでいる。

WHOによると、オミクロン株は11月24日、南アフリカで初めて確認された。専門的な命名法(PANGO系統)では「B.1.1.529」とされ、いくつかの変異があり、ほかの変異株と比べても再感染のリスクが高まっているとしている。

ただ、オミクロンという名前をめぐってはソーシャルメディアなどで疑問の声が上がっている。というのも、WHOの分類によると、これまでの最新の変異株はミュー(μ)株であり、ギリシャ文字のアルファベット順では、次はニューとクサイが使われるはずだったからだ。

クサイについては、英語ではxiと書き、中国の習近平(シーチンピン)国家主席の「習」の字も英語では「Xi」と表記する。

これについて、イギリスのメディア「テレグラフ」のシニア編集委員はTwitterで以下のように発言した。

「WHO関係者によると、ギリシャ文字のニューとクサイは意図的に避けられた。ニューは「new」という言葉と混同するため、クサイは「ある地域に汚名を着せないようにする」ためにそれぞれスキップされた」

誰もがその理由を知っているが、それについて何も言うことができないのか。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/5c1f1ac30fa5d587206b422e177bd03524721faa