中国共産党(中共)の人権侵害の中で、「法輪功」に対する迫害は人類史上最も残虐で最も大規模だと言われているが、日本の多くのメディアやいわゆる中国事情に詳しいとされる「ジャーナリスト」・「専門家」らは中共の捏造のまま報道し、迫害の本当の理由を伝えていない。そのため、報道被害が蔓延し、多くの人々は「法輪功」側に問題があるのではないか、しかも、法輪功迫害の発端は、1999年4月25日のいわゆる「中南海包囲事件」だと誤った認識をしているようだ。しかし、これは中共が法輪功への弾圧を正当化するためにでっち上げたプロパガンダで、実際には平和的な陳情だったという。
では、いわゆる「中南海包囲事件」とは何だったのだろうか?そして法輪功迫害の本当の発端は一体何だったのだろうか?
◆4・25陳情の真実
ことの発端は、1999年4月11日、天津教育学院の出版物で、法輪功を誹謗中傷する文章が発表されたことだった。同月23日、天津の法輪功愛好者たちが天津教育学院に向けて、平和的に真実を伝え、訂正を求めようとしたところ、急に特殊警察300人が出動し、法輪功愛好者を殴打し、45人を逮捕した。不当に拘束された45人の釈放について、天津の警察当局は「これは北京からの命令なので、問題を解決したいなら、中央政府に言うしかない」と言った。
25日、北京の中南海近くの国務院信訪局(陳情局)に着いた法輪功愛好者は1万人を超えたが、静かに整然と道沿いに並び、スローガンも無ければ横断幕も無く、平和的なやり方で彼らの代表と陳情局が面談するのを待っていた。
当時の首相・朱鎔基氏は、自ら中南海から出て来て、法輪功愛好者の代表3人を館内に案内した。法輪功愛好者の代表らが陳情局と面談した結果、不当に逮捕されていた45人の法輪功愛好者は同日釈放された。陳情に参加した法輪功愛好者たちは、警官が投げ捨てたタバコの吸殻も含めて、その場をきれいにしてから静かに立ち去った。
これについて国際メディアも集団陳情がその日のうちに平和的に解決したことは、中共政権の樹立以来、画期的なことだと高く評価している。これが即ち「4・25陳情」の真実であり、決して「中南海包囲事件」ではない。
◆法輪功とは?
法輪功とは、身体を健康にし、道徳心を向上させる伝統的な気功で、宗教や政治に関与しないとされている。1992年、中国で李洪志氏によって伝え出されてから、心身の健康に非常に顕著な効果があったため、中国政府からの推奨もあり、わずか数年間で1億を超える人々に愛好されるようになったという。当時、中央政治局常務委員(日本の内閣に相当)の家族(江沢民の家族を含む)も法輪功を習っていたと言われている。
◆江沢民、法輪功迫害断行へ
当時の国家主席・江沢民は、法輪功と李洪志氏の高まる人気に異常なまでの嫉妬心を抱き、自分の権力を乱用し、中国共産党を利用して1996年から既に法輪功や李氏を誹謗中傷し、法輪功愛好者たちに対して嫌がらせや活動の妨害など、様々な人権侵害を起こしていた。更に、江沢民は1997年に法輪功の活動内容を把握し、犯罪の証拠を見つけるために、スパイ調査を行った。しかし、法輪功は人々に健康な体と善良な心を与え、医療費削減や社会貢献の面でもとても有益なこと以外、何も悪い所を見つけることができなかった。そこで、江沢民は前述の平和的な「4・25陳情」をいわゆる「中南海包囲事件」とでっち上げ、何の罪もない法輪功をあたかも危険な政治団体であるかのように仕立て上げ、法輪功弾圧の口実としたという。
1999年4月25日の夜、江沢民は中央政治局常務委員会で、法輪功弾圧について問い詰めたところ、江沢民以外の全員は法輪功弾圧に反対の意見を出した。特に朱鎔基首相は江沢民に向かって、「現在リストラされた労働者はかなりおり、法輪功を学ぶことで健康維持とモラル向上ができるのなら、政府は支持してもいいのではないか。」と述べたという。この発言に江沢民は怒りのあまり、朱鎔基首相を指さすと「愚かしい!愚かしい!亡党亡国だ!」と叫び、叱ったという。また、彼のあまりのヒステリックな言動に、全員口をつぐんでしまい、それ以上反対する者はいなかったという。
同年6月、江沢民は法輪功弾圧のための最高権力組織「610弁公室」を設置し、「法輪功を3ヶ月で撲滅せよ!」と法輪功禁止令を出し、7月20日から法輪功への全面的な弾圧を断行した。以来、何の罪もない法輪功愛好者たちとその家族は、想像を絶する迫害を受け、その残虐さは生体臓器狩りにまで及んでいるという。
以上の事から、いわゆる「中南海包囲事件」とは中共が法輪功への迫害の口実とするために、「平和的な4・25陳情」をでっちあげたもので、決して包囲攻撃した事件でもなければ、法輪功への迫害の発端でもない。法輪功への迫害の本当の発端は、江沢民が法輪功の人気に嫉妬したからだと言える。
【参考記事】