米、中国の南シナ海軍事化で企業などに制裁ー中国は南シナ海にミサイル

時事
中国軍、南シナ海に「弾道ミサイル」発射

米政府は26日、中国による南シナ海における軍事演習実施と人工島の建設に関与したとして、24社の中国企業に輸出禁止措置を取ると同時に、複数の個人に対する制裁措置を発動させた。これに対し中国は、4発の中距離弾道ミサイルを中国本土から発射し、南シナ海に落ちたという。南シナ海を巡り、米中の応酬が激しくなっている。

【大紀元(2020年8月27日)】
[ワシントン 26日 ロイター] – 米政府は26日、中国による南シナ海における軍事演習実施と人工島の建設に関与したとして、24社の中国企業に輸出禁止措置を取ると同時に、複数の個人に対する制裁措置を発動させた。

南シナ海での活動を巡り、米国が中国に制裁を科すのは初めてという。

米商務省は24社を禁輸措置の対象である「エンティティーリスト」に追加すると発表。追加されたのは広州海格通信集団<002465.SZ>や中国交通建設<601800.SS>と関係があると見られる数社、中国電子科技集団[SASAFF.UL]など。各社からのコメントは得られていない。

米商務省は声明で、24社は「中国軍による南シナ海の人工島の建設と軍事化を支援した」と指摘した。

米国務省は別の声明で、南シナ海でのこうした活動に関与した個人、および南シナ海の領有権を主張する東南アジア諸国が海洋資源にアクセスするのを阻むための中国の活動に関与した個人に対し、ビザ(査証)を制限すると発表。国務省高官によると、対象は数十人となる見込みだ。

在米中国大使館は、米国の制裁措置は「完全に不当」だと非難し、米国に撤回を要求。広報担当は「(南シナ海の島々は)中国にとって不可分の領土であり、そこに中国が施設を建設し、必要な防衛機器を配備することは完全に正当化される」と表明し、「中国政府は主権と領土の保全を守ると固く決意している」とした。

中国は豊富な資源を埋蔵する南シナ海の約90%の領有を主張しているが、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムなども領有権を主張。米国は中国がこの海域で軍事化を進めていると非難している。

中国軍26日、南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルを発射

こうした中、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは26日、中国が米国への警告として、対艦弾道ミサイルなど2発を中国本土から南シナ海に発射したと報道した。

また、米国のある国防当局者は匿名を条件にロイターに対し、中国がこの日、4発の中距離弾道ミサイルを発射し、ミサイルは海南島とパラセル(西沙)諸島の間の南シナ海に落ちたと語った。発射されたミサイルの種類を特定するための調査が続いているという。

中国は前日、同国が実弾演習を行う飛行禁止区域に米軍のU2偵察機が侵入したとして、米国に強く抗議していた。

戦略国際問題研究所(CSIS)の南シナ海問題の専門家、グレッグ・ポーリング氏は、今回の制裁対象となった企業に直接大きな影響は出ないと予想。その上で、南シナ海を巡る米国の新たな政策は言葉だけではないと、東南アジア諸国に示す意図があった可能性を指摘した。

【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/61434.html

【参考資料】「中国、南シナ海でミサイル 米偵察機に警告か」日経新聞(電子版)2020年8月27日