中国のWebライターが中国の乳業大手二社が数十年にわたって、化学物質を牛乳に添加していることを指摘。このような慣行は、大手乳製品メーカーの暗黙のルールで、利益を上げる為に国の乳製品基準の品質と量の要求を下げることを推し進めたと明らかにした。
大紀元(8月20日の報道)によると、中国のWebライター王小七さんが中国の乳業大手二社「蒙牛乳業」「伊利集団」が数十年にわたって、「脂肪粉末」「ホエイパウダー」「メラミン」などの化学物質を牛乳に添加していることを指摘。このような慣行は、大手乳製品メーカーの暗黙のルールで、利益を上げる為に国の乳製品基準の品質と量の要求を下げることを推し進めたと明らかにした。
記事は、二社の悪い生産環境や、粉ミルクの価格の引き上げ、酪農家からの搾取、消費者保護の軽視などの行為によって、「中国の酪農業を根本から完全に腐敗させた」と指摘。
二社は、中国共産党の乳業協会から厳しく批判され、関連するWeChatアカウントの停止を要求。これに対し、王小七さんは「彼らは問題を解決せず、彼らは問題を提起した人を黙らせることしかできない。彼らの恥知らずな態度は2年前と全く同じだ。」と批判する内容を投稿したところ、7月18日、王さんは突然逮捕された。その日の夜に釈放されたが、「しばらく静かにする」と投稿。
広州市乳業管理弁公室の王丁棉さんは、「白湯は少なくとも無毒なので、中国の牛乳は白湯より悪い」と見解を示した。
中国のベテランジャーナリストの黄金秋さんは、
「中国の酪農業の問題は誰もが知っており、政府と警察が安定を維持するため、批判した人を逮捕するだろう。」
「蒙牛も伊利も重要な国営企業だ。中国製品の良し悪しに関わらず、少なくとも彼ら(警察・政府)は皆、現在の経済が崩壊しないことを望んでいる。王さんが掲載した文書を読んで、消費者達が中国を代表する乳製品メーカー巨頭に、疑問を抱くきっかけになるかもしれないと思われるだろう。」
「第一に彼には市民として発言する権利があり、第二に彼には消費者として製品についてコメントする権利もある。この二つの観点から彼を連行するのは間違いだと思う。これは言論の自由を侵害する行為だ。」と、警察が王さんを逮捕するのは違法だと指摘した。
王小七さんの事件は、中国の酪農基準の問題を改めて掘り起こしただけでなく、中国の過去の毒ミルク事件への注目も集めた。2008年、三鹿集団のメラミン混入粉ミルクを飲んだ30万の乳児が腎結石を起こし、この事件によって、三鹿集団が倒産。
三鹿粉ミルクの被害者の親である江さんは、
「毒ミルク事件が中国でまた出てくる。終結することは決してないだろう。」
「うちの子に問題が起こった時、粉ミルクにメラミンが添加していないか調べにいったら、彼らは皆“メラミンを添加していない。メラミンっていくらするの?タンパク質の量を増やす為に、牛の尿を入れることもある”と言っていた。」
「毒ミルクの問題は永遠に終わらない。汚染された粉ミルクの根本的な原因は、この邪悪な独裁政権だ。彼らはあらゆる種類の汚物を許容するが、良心だけは許容しない。」
「王小七さんが書いた6つの大罪についての記事を掲載しても、乳業メーカーが何の対応もしていない。製品にめちゃくちゃなものを添加し続け、まるで看板倒れだ。腎結石になった赤ちゃん事件は、ちゃんと解決されていない。悪人は罰せられていないので、そういう事件がまた出てくると思う。」
当時、政府に問題を訴えた三鹿粉ミルクの被害者家族は、何の賠償も得られなかっただけでなく、当局から監視や抑圧されることになった他、投獄されるケースも発生。事件の責任者は今も、謝罪を行っておらず、当時赤ちゃんだった被害者達は、今も腎臓結石や尿路結石によって苦しんでいるという。