米SNSが標的に 中国共産党による法輪功迫害の新手口

人権

中国共産党は、米国政府、メディア、インフルエンサーを標的にし、法輪功に対する国際的な抑圧キャンペーンを激化させているという。

その新しい手口は、米国のソーシャルメディアやマスコミを利用して誤った情報・主張を拡散し、世論の扇動および米国の法執行機関による法輪功への取り締まりを狙うものらしい。

米国に暮らす反体制派の華人は長い間中国共産党の標的となってきた。一方、法輪功に関する情報分析団体「法輪大法情報センター」は8月7日、中国共産党のそのような手口がこれまで以上に大規模かつ用意周到になってきていると指摘する。

「中国共産党政権は世界規模での法輪功迫害を強化すると決定した。具体的には、プロパガンダや偽情報の拡散を推し進め、中国以外、特に米国での法輪功弾圧を拡大するとしている」

「中国共産党による法輪功弾圧が最終局面に入ったとみられる」

内部告発者によれば、中国共産党の工作員は法輪功に関して否定的かつ悪意のある情報をマスコミやSNSのインフルエンサーに流しているという。

その狙いは、米国当局が法輪功関連組織を対象とした調査を行うよう仕向けるための主張をでっちあげることのようだ。

以前、中国人2人がアメリカ合衆国内国歳入庁(日本の国税庁に相当)の職員と思われる者に5万ドル(約700万円)の賄賂を渡して法輪功学習者の運営する組織の監査情報の開示を求めたところ、その職員の正体はFBI捜査官だった。2人は賄賂行為で有罪となり、中国共産党の作戦は失敗に終わった。

中国公安部が今年6月に開催した地方会議では、スパイを動員して法輪功内部の対立を生成、増幅させ、法輪功を標的とするSNSのインフルエンサーの強みや厚さ、その影響範囲を絶え間なく強化・拡大する方針が定められた。告発者の会議メモによって明らかになった。

米シンクタンク・安全保障政策センターの上級フェローで対中戦略分析アナリストのブラッドレイ・セイヤー氏は、「憂慮すべき進展だ」と警告し、「米国政府に中共による工作活動を見分ける能力があるかどうかが懸念される」としている。

中国シンクタンク・中信改革発展研究基金会の内部報告書を記録したメモによれば、中国共産党は今後、「国営メディアや大学の研究機関などのリソースを動員し、法輪功を中傷する情報を海外メディアと積極的に共有していく」としている。

中信改革発展研究基金会は中信グループの傘下にあり、中国最大の国有複合企業の1つ。中信グループは多数の海外企業を有し、中国共産党による工作が巨大な民間企業にまで浸透していることを示唆している。

法輪功は、1992年中国で伝え出された気功で、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があり、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。宗教や政治に関与することはないといわれているが、1999年、当時の国家主席・江沢民が法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し、法輪功に対する弾圧を発動した。中国共産党による法輪功への弾圧は、生体臓器狩りにまで及び、前代未聞の残虐な弾圧は現在も続いている。⇒詳しくはこちらへ

法輪大法情報センターは、法輪功に関するでたらめな主張について綿密に調べるよう米国社会および米国政府に呼びかけており、「一見無関係な評論家や事件なども中国共産党の公安当局が背後にいる可能性が高い。それを、米国政府および世間一般が広く認識することは喫緊の課題であり、極めて重要である」と指摘した。

米政府内において、中国共産党による法輪功迫害に反対する動きがますます活発になっている。最近、法輪功学習者を狙う中国共産党スパイが複数人逮捕された。米国務省は声明を発表し、投獄されている法輪功学習者を解放するよう中国当局に求めている。6月には、中国での「臓器狩り」に関与した外国人に対して制裁を科すことを定めた「法輪功保護法案」が米下院で可決された。

 

神韻芸術団が標的に

「神韻芸術団(神韻)」はニューヨークを拠点とする中国古典舞踊と音楽の芸術団で、2006年に法輪功学習者らによって設立された。中国共産党の神韻に対する妨害行為とその手口は多くのリーク情報が明らかにしている。

神韻は「中国の正統な伝統文化の真髄」を表現しているので、中国共産党は、真実が世界に暴露されるのを恐れている。演目の中には、中国で残虐な迫害に直面する法輪功学習者を描写する現代劇もある。

神韻芸術団は8月17日、神韻を中傷する米国ニューヨーク・タイムズの最近の報道に対し、公式ウェブサイト上で声明を発表した。同声明では、報道内容に重大な不正確さがあり、神韻に対する明白な攻撃であり、移民一世と中国共産党の迫害から逃れてきた難民によって設立された、優れた米国の組織である神韻を破壊することを目的としていると指摘した。

声明では、「神韻芸術団に関するこれらの歪曲された記述は、現実とはかけ離れており、神韻の企業文化、神韻アーティスト達の生活の質、そして法輪功の教えと理念を、著しく歪めている」、「今年、中国共産党は神韻をターゲットに、『恐喝、脅迫、暴力によるキャンペーン』を世界範囲で計画している」と言及している。

神韻芸術団は、米欧のメディアが「中国共産党による法輪功に対する世界的な違法キャンペーンに関与した」ことを遺憾としながらも、神韻は今後も「中国の伝統文化の美しさ、奥深さ、神聖さを現わすことによって、世界の何百万人もの人々に希望とインスピレーションを与え続ける」と表明した。

【引用記事】19日)
大紀元(2024年8月20日)
NTDジャパン(2024年8月19日)