ドイツの国際人権協会、中国外相らに法輪功学習者の釈放求める

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ドイツの国際人権協会(ISHR)は19日、秦剛外相と呉懇駐ドイツ中国大使に書簡を送り、不当に拘束された法輪功学習者を無条件で釈放するよう強く求めた。法輪功の情報を伝える明慧ネットによると5月12日、山東省日照市で40人以上の学習者が警察に逮捕された。

「法輪功学習者は暴力を使ったことも、政府に対する暴力を呼びかけたこともない。ただ国際的に保証された基本的人権を行使しているだけだ」とISHR代表のヒューバート・ケルパー氏は書簡に記した。

40人のなかにはベルリン在住の丁樂斌氏の両親、丁元德氏と馬瑞梅氏を含む。12日早朝、日照市で茶園を営む両親のもと、10人以上の私服警察が家宅捜査に入り、法輪功関係資料を没収し、2人を拘束したという。

母親の馬瑞梅氏は息子に逮捕当時の状況を伝えていた。「悪い人たちが来て、私に手錠をかけた。手がしびれている」との会話ののち、2人は音信不通となった。

ケルパー氏は、中国憲法には信仰の自由と人身の自由の権利が規定されているとし「約24年間にわたる法輪功迫害は憲法だけでなく関連する国際法にも違反している」と指摘した。

法輪功は1992年中国で伝え出された気功で、宗教や政治に関与することはなく、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し中国共産党(中共)を利用して、1999年7月法輪功に対する弾圧を発動した。以来、生体臓器狩りにまで及ぶ残虐な迫害を今なお続けている。

米国務省は5月15日に発表した信教の自由に関する報告書で、法輪功やチベット、ウイグルなど中共による弾圧は悪化の一途をたどっていると指摘。同省高官は記者会見で「世界で最悪の人権と信教の自由侵害国の一つ」と非難し、あらゆる制裁措置を視野に入れていると述べた。

人権NGO「国境なき人権」の推計によると、中国当局は昨年、法輪功学習者を2100人以上投獄した。いっぽう中国では迫害に関する正確な情報を得ることが難しいため、この数字は氷山の一角に過ぎないとした。

【引用記事】大紀元(2023年5月31日)