2022北京冬季五輪の選手村や新型コロナの隔離生活で選手らの人権が守られていない状況が報道されている。大紀元によると、「食事がひどい」「トレーニングできない」「ネットも使えない」「隔離の手順が混乱していて不透明」など、各国から苦情が寄せられているという。特にポーランド選手は「夜中に引きずり出された」と恐怖の体験を語っている。
フィンランドコーチ「中国は選手の人権を尊重していない」
フィンランド男子アイスホッケーのヘッドコーチJukka Jalonen氏は6日、「中国は選手の人権を尊重していない」と糾弾した。
ロイター通信によると、同コーチは、「同国のプロホッケー選手Marko Anttila氏が良い食事を与えられていないうえ、大きな精神的ストレスを受けている」と訴えたという。Anttila選手は2週間以上前にPCR検査で陽性判定が出たが、「もう感染力はない」とチームドクターが判断するも、中国側による隔離は依然として続いている。
「われわれは彼が完全に健康で、(プレーする)準備もできていることを知っている。しかし、中国側は彼をまだ隔離している。彼の人権は尊重されていない。これは非常に悪い状況だ」と同コーチはメディアのビデオ取材で語った。
「夜中に引きずり出された」ポーランド選手が経験した 恐怖の物語
「1月30日に陽性反応が出た後、北京五輪での経験は恐怖の物語になった」
ショートトラックのポーランド代表のナタリア・マリシェフスカ(Natalia Maliszewska)選手が自身のツイートに投稿した。
「2月5日の午前3時、彼らは隔離中の私を引っ張り出した。あの夜は本当に恐ろしかった」
その後、また誰かに連れて行かれるのを恐れて、服を着たまま寝ていたという。「私は誰かに見られるのが怖くて、カーテン越しに片目だけで覗いていた」と怯えながら生活している様子を語った。
その数時間後、マリシェフスカ選手は「試合への準備ができた」と投稿したが、直後に「突然、私を隔離部屋から出すのは間違いだったという知らせが来た!何と言ったらいいのか…私は一刻も早く選手村に戻らなければならないのに」と書き込み、窮状を訴えた。
ロシア選手「食事で差別待遇」
ロシアのバイアスロン女子のワレリア・ワスネトコワ(Valeria Vasnetsova)選手も隔離期間中に、「お腹は痛いし、顔色も悪い。目の下には深いクマができた。全て早く終わってほしい。毎日泣いている、本当に疲れた」と自身のインスタグラムで不満を漏らした。
彼女は提供された食事の画像を添付し、「味付けされていないパスタやソース、焦げた肉の骨、そしてジャガイモ、野菜は一切ない」「もう5日間連続で朝昼晩と、この調子だ」「体重が大幅に減り、骨まで浮き出ている」と投稿した。
一方、ロシアのチームドクターには、新鮮なフルーツやサラダ、エビ、カリフラワーなどが提供されたという。
「なぜ私たち選手に対して差別待遇するのか?まったく理解できない」と綴った。
批判噴出
北京到着後に救急車で隔離施設へ運ばれたスウェーデン人ジャーナリストのPhilip Gadd氏は、「骨が浮き出るほどお腹が減った」と自身が経験した混乱と恐怖について振り返った。
平昌冬季五輪金メダリストで、韓国スケルトン男子のユン・ソンビン選手は、選手村の食事について「最悪」と訴えた。
今大会では選手や関係者を外部と完全に切り離して接触させない「バブル方式」が実施されている。バブル内の選手、関係者は毎日PCR検査を受け、陽性反応が出れば直ちに隔離される。無症状の場合でも、24時間以上の間隔を空けて2回のPCR検査で陰性を確認できなければ、バブル内に戻ることができない。
1月23日以降、数十人の選手を含む350人の五輪参加者が、北京到着後に陽性判定を受けている。
日本代表団でスキーの選手1人に陽性判定が出たことが2日、明らかになった。症状はないという。
国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長は選手らの訴えを受け、「われわれに問題を解決する義務と責任がある」とし、隔離環境を改善していく姿勢を示した。
【引用記事】https://www.epochtimes.jp/p/2022/02/86192.html
防護服姿のバーテンダーがシェイカーを振る、北京五輪関係者の泊まるホテル
ロイター(2022年2月4日)の動画で、北京五輪でスキーやスノーボード競技の会場となる張家口市のホテルの様子が紹介されていた。北京郊外のこの場所でも、五輪関係者を徹底して外部から遮断する「バブル」は続いている。ホテルのバーテンダーは、カクテルを作る時も防護服姿という徹底ぶりだった。
【引用記事】https://jp.reuters.com/video/watch/idOWjpvC51Q0GFWOKBIZM1BUW25MCP5MD