中国移植界の権威「2023年までに中国を世界一の臓器移植大国に」と宣伝

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中国臓器移植界の権威である黄潔夫氏は11月20日、北京で開催されたフォーラムに参加し、2023年までに世界一の臓器移植大国になるよう希望すると取材に答えた。中国共産党によって拘禁された法輪功学習者など、生きた人間からの強制臓器摘出の証拠が数々と示されており、黄氏の発言は違法な臓器移植に拍車がかかると憂慮される。

NTDジャパン(2020年11月25日)によると、中共衛生部の前部長であり、中共臓器移植発展基金会の黄潔夫理事長は11月20日、北京で開催された臓器移植科学フォーラムに参加し、会議後に新京報からの取材に対し、中国の臓器移植産業は急速に発展しているが、まだ社会経済の発展ニーズを満たすことができていないとし、2023年までに世界一の臓器移植大国になるよう希望すると答えた。

黄潔夫理事長は米国では毎年3万件余りの臓器移植手術が行われいるが、中国は経済社会が発展するスピードによって、この数が年間5万件に増えるはずだと述べている。

一方、黄潔夫氏は臓器移植の産業化を行うと同時に、「驚くべき」目標を設定したが、実際には事実を隠匿しているのではないかと疑う声もある。 中国問題研究者で、シドニー工科大学の哲学博士、凌暁輝氏は、実際には中国の臓器移植数はとっくにこの目標を上回っていると指摘している。

8月13日、米国の雑誌「ナショナル・レビュー」は日本在住の中国人女性が中国へ渡航して心臓移植手術を受けた際に、中国側は10日の間に移植可能な心臓を4つ準備したと報じた。

凌暁輝氏は、「過去に中国の移植用臓器の供給量が需要を上回っていた時期があり、当時は欲しければすぐに手に入っていた。まるで豚の腎臓を買うのと同じくらい簡単だったという人もいた。そもそも待つ必要もなく、すぐにマッチングできた」と明かしている。

彼はまた、「だから、中国の臓器移植は米国やその他の国を実際には遠く引き離している。中国に巨大な人間臓器バンクが存在することは、国際的にも認知されている。生きた人間からの臓器を提供するための臓器バンクの供給源は、主に拘禁された法輪功学習者とその他の少数民族だ」と述べた。

凌暁輝氏は、「黄潔夫氏はいわゆる臓器移植産業の発展を大々的に宣伝しており、2023年までにより多くの医師を育成し、より多くの病院を開院しようとする目的は、隠匿であり、この違法な臓器入手という罪を合理化することだ」と考えているという。