張展氏と中国人権弁護士高智晟氏 「林昭自由賞」を受賞

人権
高智晟氏と張 展氏は2020年度と2021年度の「林昭自由賞」を受賞した。(ネットより)

看中国(2021年12月10日)によると、米国の人権団体「対中援助協会」は7日、ワシントンで大会を開催し、中国人権弁護士の高智晟(こうちせい)氏と市民ジャーナリスト張 展(ザン・ザン)氏に2020年度と2021年度の「林昭自由賞」を授与した。

ラジオ・フリー・アジアの報道によると、「改変中国」サイトの創設者である曹雅学(そう・ががく)氏は、武漢の新型コロナウイルス感染状況を外部に暴露したため、中国で拘禁されている張展氏を代表して受賞した。

曹雅学氏は本大会で、多くの人にとって「自由を与えよ、しからずんば死を与えよ」はただのスローガンに過ぎないが、張展氏にとっては体験談だと述べた。「自由を与えよ、しからずんば死を与えよ」とは半世紀以上前、林昭が政治言論のため、中国共産党当局からの迫害を受け、死ぬ前に発表した詩作「海鷗」の副題として使われた。

 

もう一人の受賞者は中国の人権弁護士高智晟氏で、法律を片手に「信仰の自由」を守り、長年にわたって迫害され、4年以上行方不明になっている。高智晟弁護士の妻である耿和氏は本大会で、「人権と自由を勝ち取ることは人間の本性だ。幾代にも引き継がれて止まない。自由を与えよ、しからずんば死を与えよ。これこそ高智晟が苦境においても、決して屈さない偉大な価値である」と強調した。

高智晟氏は他の弁護士が引き受けない法輪功学習者や社会の他の弱者の弁護を引き受けた。特に法輪功学習者のために、当時の胡錦涛国家主席と温家宝首相に公開状を送ったが、2006年8月「国家政権転覆扇動罪」の罪に科せられ、それ以後再三に渡って迫害を受けた。2010年には海外メディアの取材を受けてから行方不明になり、その後監獄に収監されていることが判明した。

2014年8月7日、刑期満了のため釈放されるも、独房での長期にわたる監禁や拷問、虐待によって高智晟氏の記憶力と言語能力は著しく減退した。このような状況下でも、当局は彼を軟禁し続け、虐待で緩んでしまった歯の治療すらさせなかった。

2015年AP通信社のインタビューの中で、彼は「自分の身をもって初めて法輪功学習者に対する迫害はどんなに残酷なものであったのかが分かった」と言及している。そして2017年8月から再び行方不明になり、今に至っているという。

恐怖を超えてーー高智晟弁護士の生涯【ドキュメンタリー】

 

本大会の主催者である対中援助協会の傅希秋(ふ・きしゅう)責任者は、今回の授賞は中国の人権危機の実情を外部に伝えるためだけではないとし、「より重要なのは、国際社会がいかにしてこの人権危機の中で、効果的で力強い行動を取り、中国共産党に改心を促すことだ」と述べた。

Scott Busby・米国務次官補代理(民主・人権・労働担当)は、「金融制裁やビザ制限を含め、人権侵害を犯す者に責任を負わせるために可能なあらゆる手段に取り組み、同じ考えを持つ仲間に同様な手段を取るよう働きかける」と述べた。