中国の臓器狩り問題、米議員「関与者に制裁科す法案を推進中」

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米下院の共和党議員シャボット氏は、臓器強制摘出に反対する医師の会(DAFOH)が11月19日開催したオンライン会議で、「法輪功学習者を迫害した中国共産党の高官らに責任を追及し、強制臓器収奪という残酷な行為を処罰することを今回の立法の目的にしている」と述べた。

法輪功とは、身体の健康と道徳心の向上に最適な気功といわれている。1992年、中国で李洪志氏によって伝え出されてから、その効果が非常に顕著であったため、中国政府からの推奨もあり、わずか数年間で1億を超える人々に愛好されるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民は、法輪功と李氏の高まる人気に異常なまでの嫉妬心を抱き、自分の権力を乱用して、1999年7月20日に全面的な弾圧を発動した。以来、何の罪もない法輪功学習者たちとその家族は、想像を絶する迫害を受け、その残虐さは生体臓器狩りにまで及んでいる。海外の独立調査機関は、中国当局が法輪功学習者を対象に大規模な強制臓器摘出を行い、高値で暴利を得ていると批判している。

19日のオンライン会議では、専門家は、中国当局が20年以上にわたり多くの法輪功学習者を殺害したことを医学界は無視していると非難した。シャボット議員は、会議に出席した米議員に、中国当局が主導した強制臓器摘出の現状について紹介した。

「下院で、中国当局に対して、法輪功学習者への迫害を中止するよう求める決議案を可決したのは4年前の事だった。この4年間、議会では新しい議員が誕生し、職員も変わった。多くの人にとってこの強制臓器収奪は新しい課題であろう」

会議では、中国から亡命した法輪功学習者2人が発言した。

その1人の劉文宇(Winston Liu)さんは、2005年に中国を脱出した。1999年、中国の名門校、清華大学で博士課程に進学した劉さんは、法輪功学習者という理由で、中国当局に懲役3年を言い渡された。

劉さんは刑務所で複数回の血液検査と身体検査を強いられた。

「2002年7月、私と他の学習者約40人は病院で血液検査、X線検査、眼科検査と尿検査などを受けた。刑務所側は、これは定期検査で、受刑者全員が受けなければならないと説明した」

しかし2006年、カナダの人権弁護士、デービッド・マタス(David Matas)氏らが独立調査を行い、中国当局による法輪功学習者への強制臓器収奪の証拠を得た。これを知った劉さんは、当時自身が受けた検査は臓器移植手術のためだったことに気づいた。「もし、あの時、移植手術を必要としていた患者の血液や組織などと適合したら、私は殺されていたかもしれない」

主要対象

人権弁護士のハミド・サビ(Hamid Sabi)氏は19日のオンライン会議で、法輪功学習者が主要対象にされた原因について、「法輪功学習者は喫煙も飲酒もせず、良くない生活習慣がないため、非常に健康だから」との見方を示した。同氏は、中国の病院は「需要に応じて、無限に臓器を提供できる」と指摘した。2005年、イスラエルの心臓外科医、ジェイコブ・ラビー(Jacob Lavee)氏は、この異常さに気づき、同国の「臓器移植法」改正をリードした。同法改正案が2008年に発効し、臓器売買を禁止した。

サビ氏によると、現在、中国新疆ウイグル自治区のウイグル人住民への臓器収奪について、独立調査が進められている。「中国当局は、新疆で5万人を収容できる大規模な強制収容所を2つ建てた。この2つの収容所の間に、大きな火葬場も建設した。しかも、収容所は空港に近い。強制臓器摘出を行うのに良い場所となっている」

また、同会議で、アリゾナ州立大学のマット・サルモン(Matt Salmon)副学長は、米議会に対して、臓器売買を禁止する法案に取り組むよう求めた。

DAFOHのウエルドン・ギルクレス(Weldon Gilcrease)医師は、臓器収奪問題について、中国の中央政府が指揮しており、中国の衛生当局、司法当局、刑務所や強制収容所、中国軍、軍関連医療体制が実行していると指摘し、「これは膨大な犯罪行為だ」と非難した。

ギルクレス氏は「中国の臓器収奪問題は政治問題だけではない。医療機関や医師らも中国共産党政権の犯罪に関わっているのは許されがたいだろう」と述べた。

参考記事
中国移植界の権威「2023年までに中国を世界一の臓器移植大国に」と宣伝
中国の臓器狩り問題、米議員「関与者に制裁科す法案を推進中」
(大紀元 2020年11月25日)
仏ル・モンド、中国臓器の出所問題を再提起 「透明性疑う」
(大紀元 2020年11月30日)
法輪功について