北京市全域は7月29日、最高レベルの「赤色(豪雨)警報」が発表され、大洪水が発生した。7月31日、北京の大興空港の滑走路や天安門広場が水没した。8月1日、当局は北京を守るため、ダムの水を放水し、河北省など周辺の農村地区を水没させた。
北京市全域は7月20日から連日にわたり大雨が降り続き、台風5号から変化した温帯低気圧などの影響で、7月29日、12年ぶりに最高レベルの「赤色警報」が発表され、600年の歴史を誇る北京の紫禁城も浸水被害を被った。中国メディアによると、今回の雨量は「ことし一番」で、8月1日午前5時時点までの雨量が多い所で700ミリを超えている。この豪雨により、北京市郊外では複数箇所で鉄砲水が発生し、停電や断水など市民生活にも影響が出ている。
・【看中国】600年の歴史を誇る北京紫禁城も、さすがに「浸水」(2023年8月1日)
天安門広場が水没! 習近平総書記は洪水による多くの死傷者数を認めた
8月1日、習近平総書記は洪水により多大な死傷者が出たことを認めた。7月31日、北京の大興空港の滑走路が水没し、飛行機は欠航となった。天安門広場も水没し、広大な海と化した。
目撃者「天安門広場に大雨!」
その日、北京市門頭溝区で鉄砲水が発生し、大量の車が洪水で流された。
北京市房山区では、ある物流会社の荷物が洪水によって流されてしまった。
会社の従業員:「もう、終わりだ! すべて終わった。」
「すべてが流されてしまった、生きて帰ってきただけでも幸運だ。」
北京で最も高価な門頭溝悉曇ホテルも洪水で破壊された。 ホテルの外の道路は鉄砲水によって崩壊し、ホテルのロビー、芸術品、調度品、外観もすべて洪水によって、破壊された。
・【看中国】北京 一泊20万円の高級ホテル 洪水で廃墟化(2023年8月3日)
「ここは下る道だ。道が途中でなくなった。車が溝に落ちたが、水の中に消えてしまった。」
北京当局によると、7月29日から8月1日午前6時までの間に、北京市では11人が洪水で亡くなり、さらに27人が行方不明になっている。
多くの市民が北京のこの洪水は、2年前の鄭州市の洪水と同等(どうとう)で、深刻な被害が出ていると指摘し、北京当局が洪水の警告を怠り、被害者数を隠蔽しているのではないかと疑問視している。
8月1日、習近平氏は治水指令を出し、「北京市、河北省などの地域で重大な人的被害をもたらした」と認めた。
しかし、現在、習近平氏はどこにいるのだろうか? 被災地域を視察する予定はあるのだろうか? 多くの市民や各界が注視している。
中国の公式メディアによると、習近平氏は7月26日に四川成都の「西部戦区」本部を視察し、7月31日に北京の八一大楼という建物で中央軍事委員会の上将昇進の式典を行った。
8月1日、河北省涿州(たくしゅう)当局は、北京の放水により涿州市の水位が上昇したと確認した。そのため、涿州市全体が水に浸かり、多くの市民が閉じ込められている。
目撃者:「全てが水の中だ。隣の村が見えなくなった」 「国道107号、ここに閉じ込められている人がたくさんいる」
地元の村民:「あそこはおそらく3mぐらい深さがあるだろう。3、4m、4、5m。木々もあんな状態だ。 あの家も屋根だけが見える」
被害市民:「私たちのビルでは現在、水も電気もない。高齢者や子供も多いのに、食料も少なくなっている。特に水が不足している」
当日、河北省石家荘市でも、多くの村が洪水に見舞われ、村民たちは救助を待っている。
河北省唐山市も洪水で、市街地が広大な海となった。
地元の村民:「この水はどれほど深いのか分からない!」
「唐山の雨は本当にすごい!」
河北省保定市易県では、豪雨により多くの橋が崩壊しており、軍営大橋も含まれる。
地元の村民は「すべて崩壊し、3つの橋を渡る経路が失われた」と述べている。保定市の野三坡では、一部の子供たちがすでに24時間以上両親と連絡が取れず、救助が急がれている。
中国共産党(中共)の公式通知によれば、洪水予報に基づき、大清河の水位が上昇し続けていると言う。当局は北京を守るため、8月1日午前2時から下流に位置する天津市の東澱村を洪水調節区として利用し、周辺の約100万人の緊急避難を決定した。
中共による「洪水調節区」とは、通常は農村の住宅地にあり、洪水被害が発生すると、当局は大都市を守るために「洪水調節区」に水を放流する。
北京で赤色の暴雨警報が発令された夜、多くのネットユーザーが驚いたことに、北京の空に巨大な神秘的な光の球が現れた。この光が雲の後ろで色が変化しているのが見えた。 目撃者は「皆さん、これは何なのでしょう?修正していません。スマートフォンでの直撮りしています。」
「また色が変わった!」、「さらに別の色に変わった!」、「今度は青くなった!」と人々は述べている。光の球の前には、巨大な黒い影が光を遮っているのが写されている。
奇妙な天象は、ネットユーザーに中国の政治状況についての連想を呼び起こした。一部のネットユーザーは詩を作った。
『暴雨が首都に襲来、滅亡の前触れが現れる、中国人に多くの困難があっても、共に助け合い、自由を迎えよう。』
【引用記事】ニュース最前線香港(2023年8月3日)