洪水被害への公式寄付に冷ややかな反応 寄付横領事件多発=中国 

時事

中国の京津冀(けいしんき、北京市・天津市・河北省)地域では、洪水の被害が深刻であり、多くの地域で食料、水、衣服などの生活必需品が不足している。当局は直ちに社会全体に対して積極的な寄付を呼びかけたが、公式の呼びかけは市民らに強く抵抗された。

北京や涿州市で深刻な洪水被害が発生した後、北京民政局と北京赤十字会は直ちに寄付の説明を発表し、積極的な寄付を呼びかけた。北京赤十字会は声明で、「公開、透明、高効率運営の原則に基づいて、すべての善意を迅速に今回の水害救援プロジェクトに使用し、積極的に外部の監督を受ける」と強調した。

しかし、多くの人々は当局と赤十字会の呼びかけに歯向かっている。20万人以上のネットユーザーは「クソッタレ(捐你妹)」、14万人以上のネットユーザーは「消え失せろ(滚)」とコメントした。さらに多くのネットユーザーが赤十字会の寄付の呼びかけに「1分の寄付(中国では1元=10角=100分)」という形で応じた。これに対し、赤十字は「これらの寄付は悪意のある寄付」としている。

中国共産党の支配下にある多くの腐敗した官僚や政府機関が、中国人の善意を何度も利用して、寄付を横領し、私腹を肥やして来たため、多くの中国の人々はますます、公式の組織した寄付を疑問視している。

1998年から現在まで、中国赤十字会は腐敗による寄付横領事件が多発しており、その信頼性はますます低くなっている。一部のネットユーザーは、すべての寄付が階層的に搾取され、被災者が実際に受け取ることのできる金額はほとんどないと暴露した。

また、洪水が発生する前に、中国政府はスーダンに対して、緊急の人道支援として、1000万元の物資を寄付すると発表した。しかし、中国本土が洪水に見舞われている中、一人の政府関係者も被災現場に駆けつけて、被災者を慰めることはない。中国政府のこのやり方はますます国民の反感を買っているという。

【引用記事】看中国(2023年8月8日)