2018年の記事だが、ジェノサイドを研究する大量虐殺研究者国際協会(IAGS)が刊行する学術誌、「ジェノサイドに関する研究および防止(Genocide Studies and Prevention)」に、中共による法輪功への弾圧は、「人々に察知されにくいコールド・ジェノサイド(cold genocide)に当たる」との研究論文が掲載されていた。
論文を共同執筆したのはカナダのマニトバ大学のマリア・チャン(Maria Cheung)準教授、国際人権弁護士デービット・マタス氏、強制臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)代表トルステン・トレイ医師、弁護士のリチャード・アン(Richard An)氏の4人。チャン準教授らは、調査や検証などを経て、2年間にわたる論文を完成した。
チャン準教授は論文で、まずホット・ジェノサイド(hot genocide)とコールド・ジェノサイドの違いについて述べた。
チャン準教授によると、人目を引く大量殺りくが行われる「ホット・ジェノサイド」と違って、「コールド・ジェノサイド」は、徐々に特定の集団を消滅する政策を指す。「コールド・ジェノサイドはより細部にわたり、多面的でひそかに行われる場合が多い。また、肉体から特定の集団を消滅するにとどまらず、精神的、社会的などの各方面から抹消していくことが特徴だ」
コールド・ジェノサイドは、人々に分かりにくいという性質があると指摘した。
「法輪功への弾圧はコールド・ジェノサイド」
チャン準教授は、従来のジェノサイドの定義が「肉体の消滅を重視してきた」とした。中共によって現在まで続く法輪功学習者への迫害は「肉体だけではなく、精神的、心理的、社会的など多方面に及んでいる」と述べた。
同論文によると、中国のインターネット上で、法輪功に関する情報は最も厳しく検閲されている。ネットユーザーが入手できる情報はすべて、法輪功を誹謗(ひぼう)中傷する当局のプロパガンダ宣伝だという。また、法輪功学習者が受けた虐待や拷問について、当局は報道規制を敷いている。
「このため、中国国内で法輪功学習者は社会から孤立化され、理不尽な待遇を強いられている。一方、中国国民は、法輪功に関する正しい情報を把握できていない。これが原因で今まで、迫害の実態は中国社会に無視されている」
強制臓器摘出(臓器狩り)
江沢民が主導した法輪功学習者に対する迫害のうち、最も残酷な行為は、強制的な臓器摘出(臓器狩り)だ。摘出された臓器は、臓器移植を必要とする患者に高値で売られ、中国当局は膨大な利益を得た。その一方で、生きたままの状態で臓器を摘出された学習者は、激しい苦痛を伴いながら亡くなっていく。
2006年、他の学者と共同調査を行ったマタス氏は、著書『中国臓器狩り(Bloody Harvest)」を出版した。また、同氏が16年に公表した最新調査によると、中国当局に認可された臓器移植手術の実施病院169カ所で、2000年以降、約100万件以上移植手術が行われた。
チャン準教授は、臓器移植手術を受けた患者は、ドナーについての情報はほとんど知らされていないと指摘し、「当局は依然として、ひそかに強制臓器摘出を行っている」と批判した。
【引用記事】https://www.excite.co.jp/news/article/EpochTimes_35519/?p=3
法輪功は身体の健康と道徳心の向上に最適な気功で、1992年中国で公に伝え出されてから、その優れた健康促進などの効果で多くの人々に愛好された。90年代末、中国では1億人の学習者がいたと言われている。しかし、法輪功の爆発的な人気をねたみ、当時の中国国家主席・江沢民は、周囲の反対を押し切って、99年7月20日に法輪功学習者への弾圧を始め、未だに続いている。