米大統領、北京五輪「外交的ボイコット検討」 人権問題への懸念で

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北京オリンピックをめぐっては、欧米諸国の間で中国による人権侵害に抗議して、政府首脳や高官の派遣を見送る「外交的ボイコット」を求める声が上がっている。

ロイターによると、バイデン米大統領は18日、来年2月の北京冬季五輪の外交的ボイコットを「検討している」と明らかにした。中国の人権問題に抗議する姿勢を鮮明にする狙いがあるとみられる。

外交的ボイコットとは、北京五輪の開会式に米国の政府代表団が出席しないことを意味する。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、米国は中国の新疆ウイグル自治区における人権問題を「深刻に懸念」しているとし、この問題が外交的ボイコット検討の背景にあると述べた。

サキ報道官は「バイデン大統領に決定を下すための余地を与えたい」とし、最終決定の時期については明確にしなかった。

バイデン大統領は15日(日本時間16日)、中国の習近平国家主席とオンライン形式で会談。冷え込んだ関係修復に向けた機会と見られていたこともあり、ボイコットが決まれば新たな冷や水となる可能性がある。

バイデン氏は中国の習近平氏と日本時間16日に初のオンライン会談を実施したばかりで、ホワイトハウスは北京オリンピックについては話し合われなかったとしていた。

外交的ボイコットを決断すれば、米中間の緊張を高める新たな材料となる。

看中国によると、米議会や人権団体からは、中国当局による少数民族ウイグル族弾圧をジェノサイド(民族大量虐殺)と非難する米政府が高官らを北京五輪に派遣すれば、世界に誤ったメッセージを送ることになるとの声が出ている。

米国のミット・ロムニー上院議員は米中首脳会談後、「中国(共産党)がウイグル人の大量虐殺を行っているにもかかわらず、オリンピックを開催することは受け入れられない。 私は以前から、北京オリンピックの外交的ボイコットを提唱してきた。米当局が中国共産党に強いシグナルを送りながら、米選手を処罰しないことに希望を抱いている」とツイートした。ロムニー氏は、米選手が出場することで西洋の価値観を示すことができると考えている。

今年初め、ニューヨーク・タイムズ紙の評論文章で、「専制国家で、オリンピックの開催は、改革を進めるためではなく、プロパガンダの道具として使われることが多い」と指摘した。

中共による人権弾圧、特に全世界の人々が巻き込まれた前代未聞の残虐さと規模の法輪功への弾圧は22年にも及んでいる。

欧米や世界各国では、法輪功への迫害について、中国共産党にしっかりと「NO」を突き付けた決議を採択しているが、日本政府は未だ沈黙している。

岸田首相が「国際人権問題担当補佐官」を新設し、人権担当補佐官の中谷氏が、人権問題に関与した外国の人物や団体に制裁を科すことが可能な日本版マグニツキー法の制定を目指しているが、これも今後、注目すべきところだ。

引用元:https://jp.reuters.com/article/olympics-2022-biden-idJPKBN2I32AF