中国当局が50代日本人男性拘束 スパイ容疑か? 中国外務省は「把握していない」

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中国上海市で昨年12月、50代の日本人男性が中国当局に拘束されていたことが、2月16日わかった。松野官房長官は2月17日「早期解放を強く求めている」と述べた。一方、中国でスパイ活動を行ったとして、懲役12年の実刑判決で服役中だった70代の日本人男性が2月7日、搬送先の北京市内の病院で病死した。

 

NHKによると、複数の日本政府関係者の話では、上海で去年12月、50代の日本人男性が、中国の法律に違反した疑いで、当局に拘束されたという。

詳しい容疑の内容は明らかではないが、国家安全当局によって、スパイ行為などの疑いが持たれているとみられる。

現地の日本総領事館などが、詳しい拘束の理由や男性の健康状態などについて情報収集を進めている。

中国では、2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、日本人がスパイ行為に関わったなどとして当局に拘束されるケースが相次いでいて、日本の外務省によると、この男性以外に少なくとも15人が拘束された。

このうち8人が、解放されたり、刑期を終えたりしてすでに帰国している。

一方、日本政府関係者が明らかにしたところによると、中国でスパイ活動を行ったとして、懲役12年の実刑判決を受けて服役していた70歳代の日本人男性が7日、搬送先の北京市内の病院で病死した。男性は15年に北京で拘束され、18年12月に北京市の第2中級人民法院(地裁)で有罪判決を受けた。具体的な罪状は明らかにされていなかった。

松野官房長官は17日午前の記者会見で「去年12月、中国当局から上海の日本総領事館に対し、上海で50代の邦人男性1人が中国の国内法違反があったとして拘束された旨の通報があった。中国側に対し、さまざまなレベルや機会を通じて早期解放を強く求めているところだ」と述べた。

その上で「中国当局からは健康状態に問題があるとの連絡は受けていないが、現在、総領事館から中国側に領事面会の実施を求めているところだ。今後とも邦人保護の観点から、家族との連絡など、できるかぎりの支援を行っていく」と述べた。

一方、松野官房長官は、2015年にスパイ行為に関わったとして北京で拘束され、その後、懲役12年の判決が確定し、服役中だった北海道出身の70代の男性について「今月7日に、中国当局より北京の日本大使館に対し、当該邦人が北京市内の病院に搬送され、病気のため死亡した旨、通報があった」と明らかにした。

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そして「政府としては、当該邦人の病状に鑑み、累次にわたり人道上の観点から早期帰国を認めるよう中国側に強く働きかけてきた。それにもかかわらず、今回、帰国できないまま死亡に至ったことは誠に遺憾であり、中国側に抗議した」と述べた。

【引用記事】https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220217/k10013488131000.html?utm_int=word_contents_list-items_001&word_result=%E4%B8%AD%E5%9B%BD