法輪功迫害制止を要請 米バージニア州上下院議員54名が国務長官へ書簡

人権
書簡の主な発起人、バージニア州第51選挙区の州下院議員エリック・ゼール氏

米バージニア州議会の上下院議員54名は、ルビオ米国務長官宛てに、中国共産党による法輪功迫害の即時停止を求める書簡を送った。米国政府に対し、さらなる対応強化を要望し、臓器収奪の即時停止や強制労働で製造された中国製品の輸入防止策の強化も求めている。

マルコ・ルビオ国務長官へ共同書簡を送る

米国バージニア州の共和党および民主党に所属する上下院議員の54名が連名で、マルコ・ルビオ米国務長官に書簡を送った。中国共産党(中共)による法輪功への迫害を制止させるべく、米国政府に対し、さらなる対応強化を要請した。また、強制労働によって生産された中国製品が米国内に流入しないよう、対策の強化も求めている。 この書簡は、バージニア州第51選挙区の州下院議員エリック・ゼール氏と、第11選挙区の州下院議員デイビッド・バルロヴァ氏によって発起された。書簡には、バージニア州の超党派の州上院議員7人および州下院議員47人、あわせて54人が署名した。

 書簡の主な発起人、エリック・ゼール州下院議員の発言

ゼール議員はメディアのインタビューで次のように述べている。彼は偶然の機会に、書簡で言及されている法輪功学習者の体験を聞き、これが中国で発生している人権侵害や迫害について、自分も含めほとんどの人が知らないことに気づくきっかけになったという。

ゼール氏は「私は人々に(中国で)何が起こっているのかを知ってほしいと思っています。生体臓器収奪は終わらせなければならない。それは絶対に間違っています。私たちの国務省が中国共産党に圧力をかけ、この残虐な人権侵害を終わらせることを望んでいます」と述べた。

法輪功(法輪大法)は、1992年中国で伝え出された気功で、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。ところが、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、中国共産党を利用して、1999年7月20日に法輪功に対する弾圧を発動した。以来、法輪功学習者は不法逮捕や拷問、強制労働、性的虐待や集団レイプなど、更には「生体臓器狩り」にまで及ぶ残虐な迫害を受けている。

ゼール氏は、他の下院議員を連署に参加させることで、中国共産党による迫害について知ってもらい、一緒にその情報を広めることができると語った。「私が影響力を持つバージニア州議会下院という小さな範囲内でも、他の議員たちが(中国で)何が起きているのかを理解する手助けができます。こうすることで、この問題が話題に上った際に、議員たちも選挙区の有権者にこのことを伝えることができるようになるのです」とゼール氏は語った。

提出され共同署名書簡の内容(和訳)

今年は、ひとつの人道的悲劇が発生してから26年目にあたります。1999年、中国(中国共産党)は、数百万人が実践している法輪功を根絶しようと企て、大規模な弾圧運動を開始しました。ご存じの通り、その弾圧は非常に残酷なものであり、法輪功の実践は全面的に禁止され、書籍は焼かれ、基本的な人権が踏みにじられました。法輪功学習者は、刑務所や労働教養所で精神的・肉体的な拷問を受け、中国共産党による同意のない生体臓器収奪という非人道的な行為も記録として残されています。

私たちがこの書簡を書くのは、この迫害を生き延びた多くの人々が、今では米国の住民や市民となっており、彼らが私たちの友人であり、隣人であり、有権者であるからです。何よりも、彼らは私たちと同じ人間なのです。毎年、法輪功学習者はバージニア州議会を訪れ、自らの体験を語ってくれます。その体験は胸を締めつけるものばかりです。

「手足をベッドに縛られ、瀕死の状態になった」「手錠をかけられ、苦痛な姿勢で吊るされた」「強制的に灌食された」「高圧電流で感電させられた」「3日間睡眠をはく奪された」「私を守ろうとした夫が殺された」「臓器摘出のための血液検査をさせられた」。

ある生存者は、自身が労働教養所で縫製した2着のジャケットを持参して、「これと同様の製品は欧米の市場に輸出されており、消費者はその出所を知ることはありません」と述べました。

米国議会も動く

米国議会でも法輪功迫害への対抗措置が進んでいる。今年5月5日、米国下院は「法輪功保護法案」を可決。中国共産党による法輪功への迫害停止と、国家ぐるみの臓器収奪行為の制止、関与者への制裁を米国政府に義務付ける内容だ。米国上院でも関連法案が3月3日に提出されている。

ヴァージニア州議員らは上述の連名書簡で「米国議会の超党派協力による取り組みを称賛し、支持する」と表明。「国務省はアメリカ国民にこの悲劇の実態を伝え、解決のために何ができるかを啓発すべきだ」と訴えた。

近年、中国共産党による残虐な法輪功迫害について、ますます多くの米国人が認識するようになっており、バージニア州議会下院だけでなく、他の郡や市も、中国共産党による法輪功への迫害や生体臓器収奪を非難する決議が通過している。
アメリカ議会と政府、そして各州議会の連携による圧力が、法輪功学習者の人権回復と、中共による長年の迫害終結につながることを期待する。

【引用記事】 明慧ネット(2025年5月7日)
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