米議会下院 法輪功保護法案を再び可決

人権

米議会下院は5月5日、「異議なし」の口頭投票により、法輪功(気功)に対する中国共産党政権の迫害を終わらせることを目的とした法輪功保護法案を可決した。同法案は、法輪功学習者への迫害と強制的な臓器摘出に対して断固たる法的措置を取るという議会による初の拘束力のある約束だという。

前回の議会で、ペンシルベニア州選出の共和党下院のスコット・ペリー議員ほか超党派の議員が法輪功保護法案(下院版)を提出し、2024年6月に下院で可決されていた。上院版は当時フロリダ州選出の共和党上院議員マルコ・ルビオ氏によって提出されたが、米大統領選挙の影響で間に合わなかったという。

                 共和党下院 スコット・ペリー議員、共和党上院テッド・クルーズ議員

そこで再度、スコット・ペリー議員らによって2月24日に下院に法輪功保護法案(HR 1540)が提出され、テキサス州選出の共和党上院テッド・クルーズ議員によって関連法案が3月3日に上院に提出された。

米議会下院と上院の議員らが再び提出した法輪功保護法案は、強制的な臓器摘出の首謀者と共犯者に制裁を課すもので、特に、生きた法輪功学習者から臓器を摘出したり、臓器から利益を得るために要求に応じて人を殺害したりする中国共産党の犯罪を標的にしている。法輪功保護法はまた、米国務長官に対し、中国(中国共産党)の臓器移植政策と実践について米議会に報告することを義務付けている。

※法輪功は1992年中国で伝え出された気功で、宗教や政治に関与することはなく、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し中国共産党を利用して、1999年7月20日に法輪功に対する弾圧を発動した。以来、法輪功学習者を不法逮捕、拘禁、長期の投獄、強制労働、その他さまざまな拷問にかけてきた。中国共産党による残虐な迫害は、生体臓器狩りにまで及び、今もなお続いている。

法案によると、制裁の対象は「中華人民共和国内で故意に、直接、臓器の強制摘出に関与した、または幇助したと大統領が判断した」外国人のリストに適用される。

制裁の内容には、違反者の米国入国阻止、違反者のビザの無効化、最高100万ドルの罰金と20年の懲役などの刑事罰の適用などが含まれる。

法輪功保護法案の主要提案者であるスコット・ペリー議員は、「この野蛮で恐ろしい行為には何らかの罰が与えられるべきだ」、「米国はリーダーとなり、世界に道を示すべきだ」、「我々はそうすべきであり、世界の他の国々にもそれを認めさせるべきだ」と大紀元に語った。

同法案は、米国に対し、「同盟国や多国間機関と協力して迫害に関する意識を高め、国際社会と協力して対象を絞った制裁やビザ制限を調整する」よう、また、「中国共産党が政権を握っている間は、移植に関して中国と協力しない」方針を指示している。

この法律はまた、国務省、保健福祉省、国立衛生研究所の長官に対し、中国の臓器移植政策と実践の詳細を記した報告書を1年以内に提出することを義務付けている。

報告書には、中国共産党政権の政策が法輪功学習者やその他の良心の囚人にどのように適用されているか、また、年間の移植件数、臓器の入手に要する時間、そして臓器の供給源についての評価が含まれると予想されている。また、過去10年間に中国による臓器移植分野、あるいは中国と米国の機関による共同研究を支援した米国からの助成金についても記載される予定である。

「HR1540は歴史的な前進であり、法輪功学習者への迫害と強制的な臓器摘出に対して断固たる法的措置を取るという議会による初の拘束力のある約束だ」とペリー議員は議会演説で述べた。さらに、

「この法案は、説明責任、制裁、処罰、そしてこれらの残虐行為に加担した者たちの存在を認めることへの道を開くものだ」。

「数字を見れば、明らかにおかしいことが分かる。すべての証拠が彼ら(中国共産党)の行動を示しているのに、米国を含む多くの国々は、恐ろしい現実が起きているのを分かっていながら、ずっと目をそらしてきた」。

「そうした状況に終止符を打つものだ、。もうこれ以上、問題を無視したり、中国共産党が作った商品やサービスを買い続けたりすることは許されない。今後は、そうした態度は終わりにしなければならないということだ」と述べた。

 

「道徳的責任」

この法案の共同提案者であり、米下院中国共産党特別委員会の委員でもあるガス・ビリラキス下院議員(フロリダ州、共和党)は、この法案は「中国共産党がこれまでにひどい人権侵害を行ってきたこと、法輪功や他の宗教的少数派に対する現在の扱いを考えると、この法案は特に重要だ」と述べた。

ビリラキス議員は大紀元の取材に対し、こう述べた。

「強制的な臓器摘出を行った人々に制裁を科すことは、私たちの道徳的な責任だ。こうした行動を通じて、生命の尊厳を踏みにじる恐ろしい犯罪に対して、私たちは断固とした立場を示すことができる」。

「責任者に責任を負わせることで、私たちは最も弱い立場の人々を守るだけでなく、身体の自律性という基本的権利と人類共通の価値観を確認することになる」。

ランス・グッデン下院議員(テキサス州、共和党)は、次のように大紀元に語った。

「中共は25年間にわたり、法輪功学習者に対し、拷問、投獄、殺人、そして忌まわしい強制臓器摘出といった残虐な弾圧を行ってきた。彼ら(法輪功学習者)が信仰を平和的に実践しているというだけで、中国共産党はそうした行為を繰り返してきた。これは信仰の自由に対する甚大な攻撃であるだけでなく、現代における最も差し迫った人権危機の一つでもある。この法案はこうした残虐行為に正面から立ち向かうものだ」。

「いかなる団体も迫害され、全体主義政権の臓器バンクとして扱われるべきではない。米国は道徳的な透明性をもって主導権を握り、中共による人道に対する罪に断固として立ち向かわなければならない」。

法輪功保護法案は次に上院で採決される予定だ。上院で可決され大統領が署名すれば、法案は直ちに法律となり発効する。

 

【引用記事】
美國會眾院全票通過《法輪功保護法案》

美國會參眾議員再次推出法輪功保護法案

米下院 中国共産党の強制臓器摘出に対抗するため法輪功保護法案を可決