世界で人気「神韻」 中国共産党はなぜ恐れるのか?

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毎年世界ツアーを行い、何百万人もの観客に感動を届けている神韻芸術団。まだ多くの人々が知らないでいるこの中国古典舞踊の芸術団は、2006年の設立(米国・ニューヨーク)当初から現在まで、中国共産党による執拗な妨害を受けている。「神韻」とは何なのか? 何を目的に活動を続けているのか? なぜ中国共産党が大敵と見なし恐れているのか? 神韻公演のメンバーである、神韻の司会者のジャレッド・マドセン(Jared Madsen)さんと、指揮者のイン・チェイン(Ying Chen)さんから話を聞いた。

 

【米・大紀元記者】世界で人気「神韻」 中国共産党はなぜ恐れる?

司会者:マドセンさん、あなたは神韻公演のMCですが、神韻について簡単にご紹介いただけますか?

マドセンさん:
神韻は世界最高の中国古典舞踊芸術団と見なされており、現在8つの芸術団が同時に世界中でツアーを行っています。毎年150以上の都市で公演を行い、中国伝統文化の真髄を体験することができます。これらの舞踊を通じて、神韻は中国五千年の文化、歴史、信仰、そして正しい信念を生き生きと舞台上に表現しているのです。

司会者:チェインさんはこの楽団の指揮者ですが、演奏は非常に独特ですね。少しお話いただけますか?

チェインさん:
観客は会場で生演奏を楽しむことができます。私たちはこの楽団をとても誇りに思っています。中国の伝統楽器と西洋のクラシック楽器を独自の方法で融合させていて、弦楽器や木管楽器、金管楽器、打楽器などを使っています。この演奏は色鮮やかで壮麗で、感動的なもので、そして同時に西洋のオーケストラ音楽が感じさせる懐かしさもあります。また、二胡や琵琶などの楽器で奏でられる東洋の伝統的なメロディーも楽しむことができます。

楽曲はすべてオリジナル作品で演目に合わせて特別に作られています。ですので、演奏と演出が見事に調和しています。中国の伝統楽器と西洋楽器をこれほど完璧に融合させた楽団は世界でも初めてではないかと思います。

司会者:中国古典舞踊の芸術形式と表現形式はほとんど失われてしまい、神韻はその復興を目指していると聞きました。神韻を他の団体と異ならせる要素は何でしょうか?

マドセンさん:
設立当初からの独特な点は私たちが中国におらず、中国共産党政権の支配を受けていないことです。中国国内のアーティストであれば、自分たちが共産党の宣伝道具に過ぎないことにすぐ気づきますが、米国では中国共産党を気にする必要は無いのです。さらに、私たちの全体的な目標は、中国の伝統文化を復活させ、その本質を広めることです。多くの中国から来たアーティストたちは、「芸術を自由に表現でき、五千年の歴史を伝えることができ、そしてそこに政治的な目的も無い。これは素晴らしい!」と感じています。

司会者:共産主義政権のもとでは、すべてが共産主義のアジェンダに従うことを強いられます。では、なぜ神韻が問題なのでしょうか?

マドセンさん:
中国では芸術団体のほぼすべてが、共産党を称賛し、宣伝するために使われます。しかし、真の芸術は神とともにあり、神を讃えるもので、中国の伝統文化に深く根付いています。中国には多様な哲学や修煉があり、これが伝統文化に貫かれています。これは共産主義や無神論とはまったく異なる考え方です。要するに、中国共産党は私たちが舞踊に求める本質的な要素を排除し、舞踊をただの宣伝道具として利用しているのです。われわれの目標は、「真実を見せましょう。精神的な深みと五千年の文化を持つ舞踊を見せましょう」というものです。

司会者:神韻と法輪功の関係について、お話しいただけますか?

チェンさん:神韻は2006年に法輪功を修煉しているアーティストたちによって始められました。何千年もの間、中国文化は精神・念を重視してきました。佛教、道教、儒教の強い影響を受けています。しかし、1949年に中国共産党が権力を掌握した後、すべての信仰を排除し、一般の人々の思考にマルクス共産主義を浸透させ始めました。これは最終的に人々を精神的に支配する意図がある考えだと思います。過去70年間、彼らは教科書を改ざんし、うその歴史を作り、人々を操るためにプロパガンダで、洗脳しようと努めてきたのです。新しい世代に対する洗脳教育は唯物論を刷り込み、封建的な社会を破壊し、伝統的な信仰を完全に捨て去ることでした。暴力革命を起こすために、社会や文化と伝統を敵にして、憎しみを作り上げたのです。1990年代に法輪功が中国で非常に人気を博した理由は、健康を促進する効果だけでなく、法輪功が人々と彼らのルーツをつげたからだと思います。法輪功には自己修煉やより高い力の存在を信じる精神的な側面があり、人間だけが生命ではないという考え方があります。だからこそ、人々の心に響いたのだと感じています。法輪功を修煉する人々は、自分たちのルーツを探し研究し、失われた文化遺産を復興しようとしています。これが神韻の目指していることです。私たちは本物の文化の伝承を見つけ出し、それを取り戻して世界と共有しています。私たちの信仰が何であるか、伝統的に人々がどのように天と地と人との調和を求めてきたかを伝えています。

司会者:なぜ、中国共産党は神韻をそれほど恐れているのでしょうか?

チェインさん:
中国では芸術は政府によって厳しく検閲されています。基本的に中国のすべてのメディアは中国共産党政権の管理下にあり、公の場で何を言えるか、何を表現できるかを決めています。しかし、神韻は米国に存在し、共産党の支配を受けることはありません。私たちは共産党の規則や好みに従う必要はなく、それを自由に拒否し、舞台での演目は私たちが決めて、私たちの神伝文化を反映することができます。この文化は中国共産党が数十年にわたり排除しようとしてきたものです。私たちは現在、中国で起きている人権侵害の犯罪を暴露しています。これには生きている人から臓器を摘出して利益を得る行為が含まれています。このようなことは西側世界では想像もできませんが、中国では長い間続いています。実際、私の弟は中国の強制労働収容所に1年半も拘束され、そこで拷問を経験しました。私たちは彼が二度と出てこられないと思っていましたが、幸運なことに、彼は帰ってきました。しかし、彼の友人の何人かは不明な薬物を注射され、精神的におかしくなってしまいました。中国共産党政権は「見てください。法輪功を修煉した結果、彼らは自分で狂ってしまった。」と主張していました。しかし、人々はその人たちが不明な薬物を注射されていたことを知るよしもありません。これは信じがたい犯罪です。米国に住む人々には想像もできないことがあちら(中国)では実際に起こっています。考えてみてください。どうして人々は何カ月も長い間待たなくても、たった数日で自分の血液型に合った臓器を手に入れることができるのでしょうか?

司会者:私たちも生体臓器強制摘出について報道しました。この恐ろしい行為を、私は中国で行なわれている臓器産業のための殺人と呼んでいます。

マドセンさん:
特定の演目について、中国共産党政権が恐れを抱いているというより、公演全体がそのような効果を持っているのだと思います。私たちは中国五千年の伝統文化を示しており、舞台上に神々が現れます。動く舞台背景を通して、神々が天から舞台に現れるのです。これは共産主義の無神論的な思想とは全く異なり、私はこれが中国共産党が最も恐れていることだと考えています。

司会者:エポックタイムズ(大紀元)は長い間、神韻のメディアスポンサーを務め、多くの観客にインタビューを行ってきましたが、非常に好評を得ています。観客の声は次の通りです。
「息をのみました。本当に衝撃的です。」
「この公演が文化を超えて、光明、愛、幸福をもたらす。本当に驚きました。」
「本当に素晴らしい公演です。多くの人が知らない中国文化の別の面を体験できました。物語も舞踊も見事です。」
「次元を超えています。」
「前向きな気持ちになり、心が晴れました」
「牧師です。これは本物の精神的体験です」
「最近の人々は医者や精神科医に行き、薬や抗うつ剤を求めますが、これ(神韻)こそが抗うつ剤です。最良のものです。」
「絶対的な完璧さです」

長年にわたって観客のフィードバックは「ダンサーたちの見事な調和に触れています。時には一人のように見え、表現が難しいのですが、時には空をゆく雲や流れる水のように感じます。

司会者:成果を得るにはどうすれば?

チェインさん:
神韻の成果は、私たちの修煉に大いに起因しています。修煉について話すとき、私たちは「真・善・忍」を実践するために、どのように努力しているかを語っています。「真」は通常「真実」または「誠実」と理解され、「善」は善良さや慈悲心を意味します。「忍」は非常に深い概念であり、説明するには多くの言葉が必要です。これは「寛容」や「忍耐」とも理解されますが、実際には自己規律を意味し、さまざまな状況での不屈の精神を表し、忍耐力を持ち、さまざまな困難に耐えることを意味します。これらの原則に従って行動することで、どんな状況においても冷静で楽観的な自信を持ち続け、チーム全体の共通の目標を考えることが可能になります。私たちの成果において、これらの要素が重要な役割を果たしていると私は信じています。

一つの例を挙げます。神韻の8つの芸術団はすべて同じ行動をとります。各公演が終わると、私たちは集まり、その講演を振り返り、良かった点や悪かった点、そしてどうすればさらに良くできるかを話し合います。これは個人のレベルだけでなく、芸術団全体に関することです。みんなが本当に「私はこの点でうまくできなかった」と反省しあいます。内面を見つめることは神韻における私たちの文化の一部であり、常に向上し、より良くなる方法を模索しています。観客が公演を完璧だと考えていても、私たちは問題を見つけ出し、どうすればさらに良くできるかを探求し続けています。私たちは常に完璧を追及する方法を模索しており、それが確実に強力な効果を生み出します。これは長年にわたり、私たちの成長を助けてきたことです。

司会者:これまでの公演で多くの挑戦があったと思います。

チェインさん:
神韻のパフォーマンスの基準は非常に高いので、卓越性を追求する情熱が必要ですし、常に成長しようとする意欲が求められます。私たちの修煉は間違いなく正しい道を歩む手助けをしてくれていますが、それでも難しいことです。すべてのことに言えるように魔法のような解決策はありません。苦労しなければならず、真剣に取り組む気持ちを持つ必要があり、何かを犠牲にしなければなりません。私が言いたいのは、私たちは本当に特別でユニークで、素晴らしいものを創り出していると信じているということです。私は私たちが行っているすべてのことに誇りを感じています。世界トップクラスの何かを創り出すためには、献身の精神が必要であり、努力が求められ、意志の力と持久力を持ち続け、そして少しの自己犠牲も必要です。しかし、これらすべては価値のあるものです。奇跡を創造するにはこれらの努力が不可欠です。

司会者:私はよく他の人に言いますが、神韻公演を見ることで、1か月分のエネルギーを得ることができ、公演は心と魂を潤します。

チェインさん:私たちの努力が報われます。