米国務省、中国共産党による神韻芸術団公演妨害に懸念を示す

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記者会見に応じる米国務省のベダント・パテル報道官。2023年7月27日撮影 (Madalina Vasiliu/The Epoch Times)

神韻芸術団は米国・ニューヨークに拠点を持つ世界的な芸術団であり、五千年の歴史を有する中国文化の復興を目指しており、中国五千年の文化を基盤にした中国の古典舞踊と音楽を各国で披露している。神韻のオーケストラは世界で唯一、中国楽器と西洋楽器によって混合編成された楽団です。

米国務省と複数の米国会議員はこのほど、中国共産党が韓国の劇場に圧力をかけ、ニューヨーク発の芸術団の韓国公演を妨害していることを非難した。中国共産党の経済的威圧と浸透工作が改めて浮き彫りになった。

エポックタイムズが行った調査では、在韓中国大使館が、神韻公演を予定している韓国の劇場に対し、金銭的・外交的手段を用いて妨害していることが明らかになった。神韻芸術団は米国・ニューヨークに拠点を持つ世界的な芸術団であり、中国共産党の影響を受けない、中国の伝統的な舞踊と音楽を各国で披露している。

米国務省のベダント・パテル報道官は11月7日、中国共産党による経済的な強制力行使を非難し、米国は「日本やインド太平洋の国々との緊密なパートナーシップのもとで対処し続ける」と強調した。

「中国には、さまざまな国で経済的な強制力を行使してきた過去がある」とも付け加えた。

ここ数年、神韻の韓国公演は中国共産党の妨害に直面してきた。しかし、主催者によれば、今年は特に憂慮すべき状況だという。

長年にわたって神韻公演を主催してきた会場が難色を示すなか、ソウルの中国大使館がエポックタイムズの姉妹メディア「新唐人」の取材に対し、神韻公演を妨害していることを自ら「白状」した。

在ソウル中国大使館の広報担当者・張嘉凡氏は「私たちは彼ら(韓国側)に対し、神韻芸術団の公演を許可するのは合法ではないと伝えている。これが私たちの立場だ」と述べた。

こうした中、米国の議員は中国共産党による妨害を非難し、中国の圧力に屈しないよう呼び掛けている。

ラルフ・ノーマン下院議員はエポックタイムズに対し、中国の伝統文化を世界に蘇らせる取り組みについて、「中国(中共)当局は奇妙な不安感を抱いている」と語った。

「神韻を鑑賞する機会を韓国の人々から奪うのは恥ずべきことだ。(神韻)公演は素晴らしく、芸術性も高い。韓国の人々が中共当局の圧力に断固として反対することを願っている」

ニコール・マリオタキス下院議員は「表現の自由やパフォーマンスを抑圧する」のは中国共産党の常套手段だと指摘。「中共当局が描くシナリオに合わないから、妨害しようとするのだ。私たちはそれに対抗し続けなければならない」と強調した。

マリオタキス氏は韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と8月に会談したことに触れ、尹氏について「これまでで最も親米的な韓国大統領」と評した。そして「米国の舞台芸術団が中国共産党からの圧力によって公演を許されないことは理解に苦しむ」と語った。

尹氏は2022年、米国と関係を強化し、中国共産党には強硬姿勢で臨むことを公約に掲げて当選した。しかし、中国共産党の韓国内部に対する破壊工作により、尹氏はさまざまな困難に直面している。

韓国の元文化体育観光部局長、韓民鎬(ハン・ミンホ)氏は、中国共産党は数十年にわたり、統一戦線工作を通じて韓国を秘密裏に支配しようと目論んできたと指摘する。

「中国共産党は統一戦線工作を通して、あらゆる社会階層、特に地元の有力政治家、影響力のある企業関係者、ジャーナリストなど、多くの親中派を生み出してきた」と韓氏は語る。

神韻芸術団は世界各国で巡回公演を行い、年間の観客数は約100万人に上る。しかし、中国本土で公演することは許されていない。中国共産党は各国での神韻公演を阻止するため、政治的・経済的な威圧や、各種妨害工作を行ってきた。

在韓中国大使館がソウルの国営放送KBS(韓国放送公社)に宛てた書簡。劇場を所有するKBSに対し、中国側が少なくとも2回書簡を送り、神韻公演の契約を取り消すよう要求していた (Samira Bouaou/The Epoch Times; Wpcpey/CC BY 3.0)

妨害工作の内容は多岐にわたる。公演予定の劇場に電話をかけ、書簡を送り、ときには出向いて圧力をかけた。それらが功を奏しない場合には、危険な実力行使に出る。過去には、数十人もの神韻アーティストが乗るバスに対し、高速走行中にタイヤが破裂するよう細工を仕掛けたこともあった。

ラントス人権正義財団のカトリーナ・ラントス・スウェット会長も中国共産党の卑劣な行動を非難した。

「中国共産党が国境を越え、韓国での神韻公演を禁止しようとしている。このことは、権威主義を輸出しようとする中国(共産党)の取り組みの一例だ」と述べ「韓国政府は、人々の基本的な権利を踏みにじる行為を決して許してはならない」と強調した。

中国共産党当局が様々な手段を使ったにもかかわらず、神韻公演を止めることができていない。現在、神韻世界ツアーは、毎年100以上の都市で公演を行い、多くの会場でチケットが完売している。神韻は世界で評価されており、各国で最新のトレンドにもなるとも言われている。

【引用記事】 大紀元(2023年11月15日)