カナダのオタワを拠点とするドラゴンボート・フェスティバル(龍舟競漕)運営団体は、4年前に開かれた大会で法輪功学習者へ差別的な行為があったことを認め、公式に謝罪した。現地の法輪功団体は、イベントは中国共産党(中共)の大使館が後援しており、党による法輪功迫害がカナダへと拡大しているとコメントした。
この事案はオタワで4年前の6月に起きた。法輪功学習者のジェリー・スミスさんは、ムーニーズ・ベイ公園で法輪功の気功動作を習慣的に行っていた。当時、公園はドラゴンボートの大会会場となっており、特設テントで食事を購入した。こののち、大会運営責任者から、着用しているシャツを脱ぐよう要求されたという。
スミスさんは法輪大法と書かれたシャツを着用しており、ドラゴンボートフェスティバル主催側に脱ぐよう要求された。この対応に問題があったとして、スミスさんは何度も主催側に謝罪を求めたが実現しなかったため、地域の人権法廷に訴えを起こした。
今月13日、大会主催者は当時の出来事についてスミス氏に謝罪する声明を発表した。声明には「平等、包摂、多様性を促進し、すべての人々、法輪功の学習者を含めて歓迎する」とある。
オタワ市は市条例で信仰等による差別を禁止すると定める。主催者による声明発表前となる8日、オタワ市は大会の開催許可証を交付とともに、法輪功を含め、信仰などによる差別はしてはならないと強調した。
地元メディアの報道によると、ドラゴンボートフェスティバルは中国大使館(中共)からの後援を得ている。
カナダ法輪大法学会は、主催者の謝罪と、オタワ市が法輪功の保護に言及したことについて歓迎を示した。また、この事件が単独のものではなく、カナダ領土内で起きている中共による干渉の一環だとした。
同学会は最近、カナダにおいて法輪功学習者が中共により言葉、身体の嫌がらせを受けた数十例についてまとめた報告書を発表。カナダ在住の法輪功学習者が受けた、中共を背景にした暴力や脅迫、監視など、弾圧がカナダに延伸しているとの実態を明らかにした。
※法輪功(法輪大法とも呼ばれる)は1992年中国で伝え出された気功。宗教や政治に関与することはなく、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があり、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し中共を利用して、法輪功に対する弾圧を発動した。以来、生体臓器狩りにまで及ぶ残虐な迫害が続いている。
【引用記事】大紀元(2023年11月25日)