中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)はこのほど、中国共産党(中共)による強制労働行為について深刻な懸念を示す公聴会を開催し、米国に住む法輪功学習者が、中国の再教育キャンプでの強制労働の経験を明らかにした。
美しい造花の花束も、ヘルシーで美味しいベジタリアンミート串も、輸出されている銅コイルも、すべて強制労働によって生産されたものかもしれない。
2001年初め、天津に住んでいた法輪功学習者の岳懷江さんは、地元警察に不法に拉致され、法輪功を放棄するよう強要された。それでも岳さんは放棄しなかったために、天津市北辰区の双口労働キャンプに送られた。
記者
「当時、労働収容所で強制労働をさせられたのでしょうか」
法輪功学習者の岳懷江さん
「そうです。いろいろな事をやりました。風船を留めたり、ベジタリアンミートの串刺しを作ったり、ひどい刺激臭のなかで花を貼り付ける作業もやりました。コイルを巻くのもやりました」
労働収容所が法輪功学習者に課した仕事量は限度を超えていたという。
岳懷江さん
「例えば通常、一日に100束の花束を製作できるとしましょう。すると、彼らは150、さらには170、180と限度を超えるノルマを設定するのです。風船を留めるのは、指先の爪を使って、留め具に合わせるのですが、量が多いので、次第に爪が剥がれます。それでも、続けてやらなければなりません」
長時間労働のために、1日に30分しか眠れない法輪功学習者もいるといい、さらに、労働キャンプでの労働条件も非常に悪いものだったという。
岳懷江さん
「造花の花束を作るのも刺激臭が強くて、大変な作業です。プラスチックを温める工程があるのですが、非常に熱いし、においも強いので、部屋中が異臭でいっぱいになります。そのため呼吸器官や感覚がものすごく刺激されます。めまいや嘔吐で、夜、眠れないこともあります。そういう環境にずっといるから、多くの人が疥癬(かいせん)になり、広い範囲に疥癬ができ、時には全身が疥癬で覆われる人もいます」
※疥癬:ヒゼンダニ(疥癬虫:かいせんちゅう)というたいへん小さなダニが人の皮膚に寄生(きせい)しておこる、かゆみを伴う皮膚の病気
岳さんは当時コイル巻きの仕事をしていて、第三工程の担当だった。
岳懷江さん
「私たちはそれを悪魔の第三工程と呼んでいました。これは誰にでもできるものではありません。当時は21周巻きました。今も見えると思いますが、21周巻いて、ここの針に留めるのです」
毎日ひたすらにコイルを巻き、岳さんは心身が消耗し、人生が無意味なものになっているように感じていた。
岳懷江さん
「ある時、8〜9時間くらい働いた時に、突然鼻血が出て、血が止まらない上に、頭が重く腫れ上がっているような感覚がありました。そして、作業台に倒れ込むようになってしまいました。その後は何度か同じような状態になり、いわゆる拒食症にもなりました。その時期は精神的にも肉体的にもストレスがかかり、ピークに達していました。人はなぜ死にたいという感情を抱くかというと、本当に生きていることが死ぬより辛いからです」
信じる力が彼を思いとどまらせた。法輪大法の教えでは、殺生を許さず、自殺も罪とされていると岳さんはいう。そして岳さんは迫害の圧力を耐え抜き、さらに労働キャンプから解放されたとき、迫害の証拠として数本の銅コイルを持ち帰った。
しかし、一部の法輪功学習者は労働収容所から出られず、残酷な強制労働と拷問によって死に至った。
岳さんは、同時に労働収容所に収監された60代の小柄で心優しい男性、陳宝亮さんのことを思い出しこう語った。
岳懷江さん
「陳さんは8月のある日に、白昼堂々と運動場で撲殺されました。陳さんが殺された瞬間、そのごく狭い範囲で突然大雨が降ったのです。多分、天からの警告だと思います。他の場所はまだ晴れているのに、陳さんが殺された場所の上だけ雨が降り注いでいたのです。他の場所は太陽が照っていました。その場にいた人たちは皆それを見て、不思議だと感じました」
中共当局は2013年末に労働による再教育制度を廃止したが、法輪功学習者への迫害はいまだに続いている。各地の拘置所や刑務所では、今なお多くの法輪功学習者が強制労働を強いられ、拷問や迫害を受けているという。
今世紀最大の人権侵害と言われる法輪功への迫害は、24年にも及ぶが江沢民が法輪功(気功)の人気に嫉妬し、権力を乱用し中共を利用して迫害を引き起こした。
【引用記事】NTDジャパン(2023年6月15日)