映画「グレイテスト・ショーマン2」は、ハリウッド大手制作会社の最新作で、中国共産党(中共)から中国での公開許可がまだ下りておらず、つまり中国市場に姿を現わしていない。しかし、中国市場がなくても、「グレイテスト・ショーマン2」は全世界で公開2日間で1億5100万米ドル(約196億円)を稼ぎ出し、主演のトム・クルーズのキャリアで最も高収入の映画になったという。
中共に拒否された過去の米国映画『ドクター・ストレンジ2』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』も興行成績が好調だった。
では、世界的な名作のどこが、中共の敏感な神経に触れて、中国では上映禁止になったのだろうか?
「グレイテスト・ショーマン2」でトムクルーズ氏が着用したレザージャケットには、日本と台湾を象徴する国旗が縫い付けられていたためだ。ジャケットには、USSガルベストンが1963年から1964年にかけて日本、台湾などの国や地域を巡る極東クルーズを行ったことを記念して、中華民国、日本、米国、国連の国旗が刺繍で描かれている。
1986年の映画『トップガン』では、中華民国(台湾)と日本の国旗が登場したため、中国本土での上演は禁止された。その後、ハリウッドは中共の機嫌を取り、中共にとって「タブー」である国旗を修正して初めて、中共の審査を通過できた。
ハリウッドが中共に跪(ひざまず)いたことに対し、その後、2018年のマイク・ペンス米副大統領(当時)の中国に対する演説で、「トップガン」の国旗事件を例として挙げ、ハリウッドが中共に気に入られるために、内容を改変したと批判したことがあった。
「ドクター・ストレンジ2」のいくつかのシーンでは、「大紀元時報」の新聞ボックスが登場した。 大紀元時報は、中国の現状を中共の検閲なしで報道する独立系海外メディアだ。フーバー研究所の認定も受けており、北米で中共に支配されていない極めて希少な中国語メディアの一つである。
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しかし、ペンス氏のハリウッド批判から3年、世の中の流れは変わり、米中関係、中国大陸の状況、映画市場など、すべてが大きく変化している。カナダのメディア「ポストミレニアル」のコメンテーター、アリホフマン 氏は、「グレイテスト・ショーマン2」は、ハリウッドがようやく北京の検閲制度に嫌気がさしてきた現れなのかもしれないと述べている。
ブルームバーグの報道は、「グレイテスト・ショーマン2」のレザージャケットに国旗を残すという決定は、中共の検閲に関して、少なくともハリウッドの経営陣の中に、新たな一歩を踏み出そうとしている人がいるからだと報じている。
また、大陸では、中共のメインテーマを宣伝した「長津湖」がマスコミだけでなく中国人にも公然と嘲笑われ、「中共に迎合する」ビジネスが破綻し始め、一方「反中共」が流れとなり、その流れに映画や歌のジャンルにおいても世界中の観客から求められるようになったようだ。
Youtube「十字路」キャスターの唐浩氏によると、「世界のあらゆる領域で中共に対する嫌悪感の波が生まれ、それは映画やアートの世界にも自然と広がり、芸術家と観客は中共の戦狼外交と政治、ビジネス上の横暴さに対し、ますます嫌悪感を増幅させている。数千万回再生された『ガラスのハート』の歌詞に反映されるように、反共の作品は『新しいビジネスチャンス』を生み出し、時事問題を組み込むことで中共を揶揄することが流行しつつある」という。
「十字路」キャスターの唐浩氏
「『ガラスのハート』は数千万台湾ドル(千万台湾ドルは、約4,400万円)以上の収益を上げている。つまり、反共は良いビジネスチャンスなのだ。なぜなら、中共への抵抗は、中共に不満を持つ無数の人々の心の声である。無数の人々が中共への嫌悪感を表明すると同時に、人々の心の中で最も重要で揺るぎない基本的価値観、「道徳的価値と正常な社会の普遍的価値」を守っているからである」
【引用記事】ニュース最前線 香港 https://www.youtube.com/watch?v=JdLTEh3Lq8g