MLB、開催地変更の発表直前に「テンセントと契約拡大」

時事
MLBは2018年にも中国市場に進出するため、125試合をストリーミング配信することでテンセントと合意したことがあった(新時代newsより)

看中国(2021年4月6日)によると、米メジャーリーグ(MLB)は2日、ジョージア州の新選挙法に反対するとして、今年のオールスターゲームの開催地をジョージア州アトランタから変更すると発表した。しかし、その2日前の3月31日、MLBは 2023年までアジアの一部の国で試合を放映することで、中国大手IT企業・騰訊控股(テンセント)と契約していたようだと米メディアが報じた。

MLBは2018年にも中国市場に進出するため、125試合をストリーミング配信することでテンセントと合意したことがあった。

テンセントは中共による香港民主化運動への弾圧に加担していた。

2019年、米プロバスケットボールNBAに所属するヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(当時)であるダリル・モーリー氏が、香港の民主化デモを支持するツイートを投稿したことを受けて、 テンセントは中共側に立ち、 ヒューストン・ロケッツの試合を一時配信停止した。NBA側もこのツイートを「残念」と表現し、「NBAは中国の歴史と文化に多大な敬意をもっている」と声明を出す一方で、NBA側がその後、選手や関係者の表現の自由を尊重する姿勢を示すと、テンセントはプレシーズンの全試合の配信を停止すると発表した。

ポンぺオ元国務長官は3日、「ジョージア州の(選挙)新法は MLB の価値観と一致しないというが、中国の(法律)とは一致するのか?」との疑問をツイートした。

ビクトリア・スパルツ連邦下院議員(共和党)も3日、ツイッターに「中国に数百万ドルを投資し、(中共による)新疆ウイグルの人への人権侵害には触れたくない MLB 、デルタ航空、コカ・コーラなどの 『目覚めた』偽企業が、法律に口出しするべきではない」との指摘を投稿した。

マルコ・ルビオ連邦上院議員(共和党)は2日、「 MLB は圧力に屈服し、ジョージア州でのオールスターゲームをキャンセルした。しかし一方で、彼らはジェノサイドを行う共産党が支持する会社と契約した」とツイートし、これら偽善の企業らの言論に耳を傾ける必要がまだあるのかと疑問を呈した。

あとがき

日経電子版(2021年3月30日、有料会員記事)によると、中国ネット大手の騰訊控股(テンセント)は、日本国内でクラウドを使ったライブ配信導入支援サービス「aPaaS」を始めたという。日本経済新聞社と中国のスタートアップ情報サイト「36Kr」が30日に共同で開催したイベントで明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大の影響でライブ配信の需要が高まるとみている。標準的な機能であれば1週間ほどで利用できる環境が整うらしい。

テンセントのクラウドを利用して、今後イベントのライブ配信が増えることを考えると、20年以上も法輪功迫害を続けている人権侵害国家の中国共産党に、日本企業が骨抜きにされ続けるのかと想像するだけで恐ろしくなる。オンラインイベントを見ている僕たちには、テンセントが関係しているとは分からないだろう。結局、僕たちは間接的に中国共産党の人権侵害に加担させられているのかもしれない。

日経電子版「テンセント、日本でライブ配信支援サービスを開始」