中国からの史上最高位の米国亡命者は誰?

時事

看中国(2021年6月20日)によると、米メディアは、中国共産党(以下、中共)史上最高位の亡命者が、国防情報局(DIA)に新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)関連の機密を明かしたと報じた。同記事の情報筋は、亡命したのは中国の情報機関に相当する国家安全部の副部長董経緯であることを明らかにした。現在、中国最大手の検索エンジンである百度 (バイドゥ、Baidu ) にある董経緯に関する情報が、全て削除されたらしい。

中国法学会公式サイトによると、董経緯(男性)は1963年11月生まれで、中国共産党員、大学院学歴は理学修士である。現在、国家安全部党委員会副部長を務めている。かつて、河北省国家安全部党委員会書記・部長、国家安全部党委員会政治部主任、中共「 第十八次全国代表大会 」、「 第十九次全国代表大会 」代表、第13回全国政治協商委員を歴任した。また、中国法学会の副会長の一人でもある。

現在、中国国家安全部のホームページの紹介欄には、陳文清部長1人しかいなく、副部長の欄は空白になっている。

同情報筋によると、米国防情報局は、連邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)、およびその他の関連機関に、全て中共のスパイがいると考えているため、これらの機関と董経緯との連絡を断っている。アメリカ陸軍感染症医学研究所は、董経緯の提供した情報は「非常に専門的である」と認めているとのこと。

米国に亡命した董経緯氏が暴露した仰天機密

米国の保守的な政治ブログ「レッド・ステート(Red State)」は18日午前(日本時間)、中共の反スパイ幹部である董経緯が米国に亡命し、その亡命経緯を明らかにした。一方で、中共の公式メディアは同日午前、董経緯は反スパイに関するシンポジウムを開催したと報じたが、董経緯が映った写真は公開されなかった。

中共中央政法委員会の公式ウィーチャットアカウント「長安剣」18日の記事によると、董経緯は同日午前、『反スパイ安全防犯工作規定』についてのシンポジウムの司会進行を務めた。しかし、同記事には董経緯の写真がなく、中共機関紙の記事にしては異常だった。

一方、「レッドステート」は同日午前10時に、「米国防情報局(DIA)に数ヶ月間協力している中共亡命者の名前と、中共軍隊や中国政府におけるポジションなどの詳細情報を把握できた」と報じた。

2月中旬、董経緯はカリフォルニア州の大学に通っている娘を訪問した。カリフォルニア州に到着した董はすぐに、DIAの関係者に連絡し、自身の亡命計画と把握した情報を伝えた。その後、約2週間公の目から身を潜めた後、DIAの計画に従って姿を消した。最近になってようやく中共高官が亡命した噂が立った。これまで、DIAは董の提供した情報を審査し、情報元を伏せた状態で米政府関係者に情報を提供した。

「レッドステート」の情報筋によると、3月にアラスカで開催された米中外相会談の期間中、中共代表は董の送還を繰り返し要求したという。しかし、国務長官のブリンケン氏は当時、董が米国にいることを知らなかったため、「董は米国にいない」と言って要求を拒否した。

米メディア『ワシントン・フリー・ビーコン』は、董の提供した情報内容と情報数、その信憑性に詳しい情報筋によると、「中国の特殊武器システム、中国軍の武漢ウイルス研究所での動き、新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)の起源に関する情報、そして中国政府の米国での資産と経緯に関する詳細情報を董が把握している」と報じた。具体的には、中共による新型コロナウイルスの早期発症研究、COVID-19による米国や世界への伝染や、破壊を予測するモデルなどが含まれている。

また、董がDIAに提供した膨大なデータには、米国の情報界と政府関係者を大変困らせる情報も含まれているという。コロナウイルスの研究とその他のバイオワーズの研究に資金提供した、政府や組織を詳しく記載した財務記録、中共に情報提供した米国籍保持者や米国にいる中共スパイの氏名、中共政府からの資金援助をうけた米国のビジネスパーソンと、政府関係者の財務記録なども含まれている。

米中メディアの相反する報道に対し、時事評論家の唐靖遠氏は「今日(6月18日)、米中メディアの報道戦が始まった。米メディアは、董の亡命を証明し、董が把握している情報に関する詳細を明らかにした。一方、中共のメディアは、董が18日に国家安全部のシンポジウムを開催したとの報道を出したが、それを証明できる写真や動画はなかった」とツイッターに投稿した。

【引用元】
・看中国「米国に亡命した中共幹部が暴露した仰天機密」2021年6月20日