鄭州市京広路トンネルに呑み込まれた多数の車と人命
NTDジャパン(2021年7月26日)によると、河南省鄭州市の京広路トンネルは今回の水害で完全に水没し、「自動車の墓場」と言えるほどたくさんの車と多くの人命を呑み込んだ。当局はこれについて発表していないが、民間からは責任を追及する声が後を絶たないという。ある人は「各交差点に少なくとも監視カメラ20台が設置されているのだから、当時の録画を調べればすぐ分かる。政府は真相が分からないのではなく、事実を公表したくないのだ」と主張している。
洪水が引いた後の7月22日、鄭州市では道路が徐々に顔を出しているが、京広路トンネルはまだ大量の混濁した水に沈んでおり、トンネルの入り口では水没した一部の車両が姿を現した。
京広路トンネルは京広高速道路の一部で、京広北路トンネルや京広南路トンネルなどのトンネルを含み、全長約4キロ、高さ6メートル、両側6車線。中国メディア「澎湃(ほうはい)新聞」は、7月20日夜、京広路トンネルは5分間で冠水し、約1000台の車が水没したと報じた。
ネットユーザーが公開した動画には、水がトンネル最頂部の「京広南路トンネル」と「京広北路トンネル」の標識まで達して極めて危険な状況の中、幸運だった一部の人がトンネル頂部の通気口から脱出した様子が撮影されていた。
当時、当局の救援・避難指揮部はまだ到着しておらず、トンネル出口付近の人々が互いに助け合い、ある男性が車を捨てて逃げるよう運転手に大声で呼びかけていた。
当局は21日の午後になってようやく水抜きを始め、北トンネルと南の入り口から二人の遺体を引き上げた。22日に当局は現場を封鎖し、住民が近づけないように規制線を張った。
現地住民
「今、龍海路の交差点から中原路トンネルまで、警察がすでに封鎖していて近づけない。数十メートル以内は立ち入り禁止だ。間違いなく…何か起きたのだろう。みんな内心ではわかっている。間違いなく人に知られたくないことがあるのだと」
鄭州市民の馬さん
「私が友人と通り過ぎたばかりのころ、たくさんの警察やパトカー、救急車がそこにいた。今はもう警戒線を引いて非常線を張っている。あたりにいた人はすべて追い払われた。彼らが私たちを行かせることはないはずだ。河南テレビのチャンネルで生放送している。テレビ局が生放送しているが、彼らも内部の現場の悲惨なシーンは映さない」