EU、高智晟弁護士らの釈放求める 中国との投資協定締結の前に

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中国の人権派弁護士である高智晟氏は、2017年に当局に拘束されて以降、消息不明となった( SAM YEH/AFP via Getty Images)

欧州連合(EU)加盟国は12月7日、世界各地の「深刻な人権侵害」を対象とする新たな制裁措置導入を決定した。欧州版「マグニツキー法」と呼ばれ、中国当局に対して、著名な人権派弁護士の高智晟氏ら人権派弁護士や反体制活動家を直ちに釈放するよう求めた。一方で、EUは年末に中国と投資協定締結を目指しているという。

大紀元(2020年12月23日)によると、年内にも中国と投資協定の締結を目指す欧州連合(EU)はこのほど、中国当局に対して、人権派弁護士や反体制活動家を直ちに釈放するよう求めた。EUは12月上旬、人権侵害者に制裁を科す欧州版「マグニツキー法」の導入を承認した。

AFP通信社などによると、EUのジョセップ・ボレル(Josep Borrell)外交・安全保障上級代表(外相に相当)は12月21日、著名な人権派弁護士の高智晟氏らを直ちに釈放するよう求めた。ボレル氏のスポークスマンが公開した声明では、EUは中国に国際人権法や刑事訴訟法の順守を要求した。

EUは年末に中国と投資協定締結を目指しているにも関わらず、人権問題で中国当局に訴えたのは異例のことだとみられる。中国当局とEUは、投資協定をめぐって2013年に交渉を始めた。協定は、相互に企業の投資保護、市場参入の規制緩和を目的にする。

ボレル氏側の声明は、高智晟氏のほかに、人権派弁護士の李昱函氏や余文生氏、反体制活動家の黄琦氏、呉淦氏などの名前を挙げた。

高智晟弁護士は、他の弁護士が引き受けない法輪功学習者の弁護を多数引き受け、当時の胡錦涛国家主席と温家宝首相に公開状を送ったが、2006年8月「国家政権転覆扇動罪」の罪に科せられた。2010~14年まで中国当局に拘禁され残酷な拷問を受けたが、2014年8月、刑期満了で出所した。2015年AP通信社のインタビューの中で、彼は「自分の身をもって初めて法輪功学習者に対する迫害はどんなに残酷なものであったのかが分かった」と言及している。

しかし、2017年に再び中国当局に拘束された。これ以降、高氏は消息不明となった。

一方、女性人権弁護士の李昱函氏は、2015年7月の人権弁護士の一斉拘束、「709事件」で逮捕された弁護士らの弁護を請け負った。しかし、中国当局は2017年10月、李氏を逮捕した。当局は李氏を遼寧省瀋陽市の留置所に3年以上拘束したにもかかわらず、裁判を行っていない。2019年3月、李弁護士が拷問に抗議するため、ハンガーストライキを行ったとの情報が伝えられた。

ボレル氏は声明の中で、拘禁中の李弁護士は健康状況が悪化していると示した。声明は、「中国側に法治を充分に順守し、公正な裁判を行い、人権活動家とその家族への虐待や拷問を徹底的に調査するよう促す」とした。

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時事ドットコム「EU、人権侵害に新制裁 虐殺や拷問など」2020年12月8日

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