「中共に生活壊された」法輪功学習者の娘が国会前で母親の解放訴える

人権

中国本土では法輪功学習者に対する迫害が未だ続いている。今年4月、陝西省宝鶏市に住む61歳の王乖彦(おう・かいげん)さんと友人らが不当に拘束された。王さんの娘である張一文さんは国会議員会館前で支援を呼びかけた。

「母が今どこにいるのか、どのような状況なのか、全く知らされていない。母は無実であり、このことをもっとたくさんの人々に知ってほしい」。一文さんは状況を語った。母親が拘束されたのは4月11日だったが、父親は出張で家におらず、治安当局からしばらく連絡もなかったという。

ある日、宝鶏第二拘置所から父親に通知があった。施設内での生活のため日用品を買う資金が必要だとの連絡だ。この一報で初めて、家族は王乖彦さんが勾留されていることを知った。一文さんは「司法のデュープロセスが全く守られない、非道なやり方に憤りを覚えます」と訴えた。

法輪功は1992年中国で伝え出された気功で、宗教や政治に関与することはなく、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好されるようになった。
一文さんによれば、母親の王乖彦さんは1998年に法輪功を学び始めた。王乖彦さんは(法輪功を)学び始める前は些細なことにもこだわる人だったが、学び始めてからは心が穏やかになり、心臓病も回復したという。「母は法輪功を学んだことによって、寛容さや慈悲の心、道徳を重んじるようになった」と、娘の一文さんは語った。

◇迫害が落とす影
いっぽう、中共による残忍な迫害が家族を苦しめる。一文さんは、当局は繰り返し母親の王乖彦さんを拘束し、家庭生活に計り知れない影響を与えたという。迫害は職場にも及び、職業訓練校の優秀な教師だった王乖彦さんは図書館の管理者として働くことを余儀なくされ、月給が5分の1に減少した。

「母は何度も拘束された。パトカーのサイレンを聞くと、また母が連れ去られてしまうのではないかと考え、私は神経質になった。前触れもなく警察や治安当局が家に踏み込んでくることもあった。家族で帰宅するときも、家まで追いかけてきて、私の目の前で母親と父親を連行することもあった」

張さんが来日したのは2014年だが、その時でさえ王乖彦さんは勾留中だった。「母親とは14、15年も会っていない。一緒に生活したのはたった5、6年で、8歳のころから父の手一つで育てられた」と張さんは語る。「同年代の子どもと同じように、母親と一緒に暮らしたかった。中共は私の生活に踏み込み、全てを破壊した」

◇監禁と拷問
当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し中共を利用して、1999年7月20日に法輪功に対する弾圧を発動した。江沢民は「肉体を消滅させ、名誉を失墜させ、財力を奪え」とのスローガンを掲げ、警察・公安・メディア・病院など国家機関を総動員して弾圧を行なった。以来、法輪功学習者たちは想像を絶する迫害を受け、その残虐さは生体臓器狩りにまで及んでいる。

張一文さんの母親・王乖彦さんも迫害の対象となり、労働収容所や洗脳施設に何度も監禁され、拷問や洗脳によって法輪功を放棄するよう迫られた。

2001年、王乖彦さんは中共に拘束され、陝西省女子再教育労働収容所で3年間不法に収容された。収容期間中、王乖彦さんは法輪功を放棄しなかったため、様々な拷問が行われた。殴打によって王乖彦さんは顔にあざができ、頭は腫れ上がった。

2008年から2009年にかけて、王乖彦さんは、中共の法輪功を迫害する専門組織「610弁公室」に2度にわたって誘拐され、監禁施設で拘束された。2010年からは西安女子刑務所に6年もの間監禁され、警棒で激しく殴打されるといった暴行を受けた。

2017年には陝西省女子刑務所に1年間拘留され、複数の針で体を刺される拷問を受けた。釈放されたが、再び誘拐され、拘置所に監禁された。そして2021年、王乖彦さんは、再び拘束された。

国家ぐるみの迫害
法輪功に対する迫害は国家規模で行われた。多くの地域の学校で、法輪功に反対する署名活動や宣伝活動が実施され、教科書には法輪功を貶める内容が記載された。法輪功学習者を発見して警察に通報した国民には、奨励金まで与えられた。
母の上司は公安に協力し、給与を月2万円以下にカットした。母の修煉を放棄させるためだった。私が子供の頃に法輪功を一緒に学んだ友達とは、迫害が始まってからはほぼ誰にも会ってない。親が殺されてしまった子も2,3人いる。

◇法輪功への迫害を即時停止せよ
中共が法輪功迫害を始めてから四半世紀が経った。欧米を中心に超党派の迫害避難決議が出されている。直近では今年1月、欧州議会で、迫害の即時停止と、迫害に関与する個人や組織に対して制裁するよう各政府に求める決議を採択した。

米国務省は4月、世界各国の人権状況に関する年次報告書のなかで毎年、中共政権による法輪功学習者への弾圧を非難している。

5月13日の「世界法輪大法デー」には、英スナク首相を含む世界各国の首脳や高官、議員らが法輪功への支持を示し、迫害を非難した。

一文さんは、中共は、法輪功への迫害の実態を、外部の人々、特に海外の人々に知られることを恐れているのではないかと指摘した。「かつての政治運動のように大々的に迫害を行うことはもはやできない。国際社会が継続的に圧力をかけ続ければ、いずれ迫害も終わりを迎えるだろう」と語った。

そのうえで、日本の人々に中国で起きている迫害の実情に目を向けてほしいと訴えた。

「法輪功迫害は今日の中国における最大の人権問題の一つ。臓器狩りのような非人道的な蛮行まで行われている。中共はこうした悪事を法治国家の仮面の下で働いているため、一人でも多くの人々が真実を知ることができれば、迫害を止めさせることができるはずだ」

【引用記事】大紀元(2024年5月21日)