中国の北京大学で15日夜、学生を隔離するための宿舎を取り囲む壁の建設に、不満を持った学生らによる集団抗議事件が発生した。
大紀元によると、北京大学のメインキャンパスからそう遠くない万柳キャンパスには、主に教職員の家族と学生寮があるところだ。事件が発生する前から、教職員の家族と学生らの差別的扱いに不満を持っている学生がすでにいた。5月15日夕方、大学は突然、「教職員エリア」と学生の「宿舎エリア」の間に鉄板の仕切り壁を作り始め、真ん中の小さな庭を2つに分けようとした。
学生ら数千人が住む「宿舎エリア」と「教職員エリア」は壁によって隔てられた。「教職員エリア」では自由に出入りできるのに対し、学生らは外出を禁じられている。
「学生だけを閉じ込める隔離に意味があるのか」と学生らは反発した。
ネットの投稿動画によると、キャンパス内に大勢の学生が集結していた。大学の責任者2人が学生の説得に駆け付けたが、学生らは納得しない様子だった。
副学長の陳宝剣氏は、学生らに向かって「私を信用してください」と寮に戻るよう説得していたが、学生らは「信用できない」と答えた。
学生側は「まずは壁を取り除くように」と求めたが、陳氏はそれに応じなかった。
その後、壁は一部の学生によって取り壊され、現場から歓声が上がった。
学生代表は学校側に対し、抗議に関わった学生の責任を追及しないことを約束する誓約書への署名を求めたが、署名されたかどうかは不明。
学生によると、教員は現場の写真をもとに学生同士の告発を促しており、中にはクラスメイトによって告発されるケースもあるという。
ある学生は、大学は就寝時に学生のチェックを開始し、宿舎にいない学生は全員、抗議に参加したとして処分されていると明かした。
同事件はネット上で大いに注目された。まもなく関連の投稿や動画は削除された。
最終的に大学は圧力の下で壁を壊さなければならなかった。抗議規模が小さく、すぐに阻止され、中国のネット世界では封じ込められたが、それでも国内外で強い注目を集めた。近年、特にここ数ヶ月、中国政府が全国、特に上海で実施した厳しいコロナゼロ政策は、無数の人々の憤慨と抵抗を引き起こした。正常な生活、仕事、勉強もできない若者の多くは、実生活やオンラインの世界でさまざまな手段を使って強い不満を表している。