米司法省は8月24日、米航空宇宙局(NASA)で研究を担っていた米テキサスA&M大学の教授・成正東氏を虚偽申告や電信送金詐欺の容疑で起訴したと発表。成氏は中国の企業や大学との協力を禁止するという条件でプロジェクトチームを率いていたが、中国の大学や国営企業との提携関係を隠して、米国の研究資金を受領していたという。
【大紀元(2020年8月26日)】
米司法省は8月24日、米航空宇宙局(NASA)で研究を担っていた米テキサスA&M大学の教授、成正東(Cheng Zhengdong・音訳、53)氏を虚偽申告や電信送金詐欺の刑事事件の容疑で起訴したと発表した。成被告は米国連邦政府から資金提供を受けながら、中国官製の高度人材獲得プログラム・千人計画に参加し、中国の国有研究機関のために仕事をしていたとして罪に問われている。
成被告は中国系アメリカ人で、2004年にテキサスA&M大学に採用され、NASAのための研究プロジェクトチームを率いていた。成被告はNASAの宇宙研究資金として約75万ドルを受領していた。
起訴状によると、成被告は中国の広東工業大学および少なくとも1社の中国国営企業との提携関係を意図的に隠した。成被告はNASAおよびテキサスA&M大からの資金提供を受ける条件として、中国企業や中国の大学プロジェクトに参加したり協力したりしないことを約束していた。
司法省は、成被告がテキサスA&M大学で受け取ったNASAの研究資金を、成が故意に同大学に虚偽の情報を提供したのちに騙しとったとみなしている。成被告は国際宇宙ステーションを含むNASAの機密情報にアクセスする権利を持っており、それを利用して個人的にも利益を得ていたという。
成被告は、中国政府が好待遇とひき換えに外国の優秀な人材を獲得する「千人計画」や「百人計画」に参加していたことが明らかになった。
起訴状によると、成被告はテキサスA&M大学在籍期間と重ねて、2012~18年まで広東工科大学に勤務。同大学のホームページには、成被告は同校の「百人計画」の特別招聘教授と説明されていた。
成被告は2014年に広東工業大学とともに佛山市に合弁会社・格維科技有限公司を設立。さらに、広東省深センの南方科学技術大学で有給の客員教授として招聘されていたほか、安徽合肥市にある中国科学技術大学の千人計画の申請者でもあった。
ジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補(国家安全保障担当)は声明の中で、「司法省は中国の千人計画の参加者を暴くための努力を続ける」と述べた。
テキサス州南部地区の連邦最高検察官であるライアン・パトリック(Ryan Patrick)氏は、「千人計画は私たちの開かれた自由な大学を利用した」と非難した。「中国は世界から盗んだレンガを使用して、経済および学術的機構を建築している」と付け加えた。
テキサスA&M大学は24日、成被告の個人Webサイトを削除した。
【引用元】https://www.epochtimes.jp/p/2020/08/61361.html