中国で不当に扱われた人々のために戦ってきた人権弁護士が7年間不当に迫害された

人権

王永航(ワン・ユンハン)は優秀な弁護士に贈られる賞を数々受賞し、中国当局に人権侵害で不当に扱われてきた人々のために戦ってきた。何の罪も犯していない法輪功学習者たちが続々と逮捕されるようになり、2007年、王氏は法廷で法輪功学習者たちの弁護を始めるが、中国当局ににらまれ、弁護士資格を剥奪され、自らも迫害を受けることになった。

中国の法律では言論や集会、信仰の自由を認めてはいるものの、現実では人民はそのような自由は許されず、裁判所でもそのような自由を認めていない。

これは現状を打開しようと戦ってきた中国人の人権擁護弁護士の話だ。

王永航氏は遼寧省で弁護士を始めた頃はまだ無名だった。なんとかやり繰りをする生活だったが、不当に扱われて困っている人々の依頼を無償で引き受けることもあった。次第に法輪功の学習者たちを擁護する弁護士として知られるようになる。

法輪功は中国で伝え出された気功で、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があったため、1臆を越える人々に愛好されるようになった。当時の国家主席・江沢民は法輪功の爆発的な人気に嫉妬し、1999年以降から残酷な迫害を本格化した。

王氏の妻も法輪功の学習者だった。2007年 、彼は法廷で法輪功学習者たちの弁護を始める。何の罪も犯していない学習者たちが続々と逮捕されるようになったからだ。

当時、法輪功の学習者たちを擁護する弁護士は極まれで、多くの弁護士は迫害に対する弁護に携わることを恐れていた。王氏は法廷で依頼人の代理を務める権利を奪われ、王氏の依頼人たちも他の弁護士に依頼する権利すら奪われた。

王氏にとって人権侵害を犯す法制度は受け入れ難いものだった。しかし不正の温床となっているため、彼の人生が翻弄されることになる...

2008年4月、上海で王氏の妻が違法に警察に拘留された。留置所にいる妻に接見するため、上海の弁護士事務所に依頼すると、ことごとく断られてしまった。法輪功の学習者たちの弁護をすると当局に目を付けられると、危険を感じていたからだ。

王氏は国家主席に対する声明文を公開することにした。声明文には法に則って妻を釈放し、法輪功への迫害を直ちに止めること。また、 法輪功の学習者たちに対する迫害および判決などは法的根拠を持たないものだと記した。

王氏の声明文はエポックタイムズ(大紀元)に掲載された。当局に対する声明文を公開したことで、妻は釈放されたが、遼寧省の司法局は王氏の弁護士免許をはく奪し、その上報復の対象者とした。そのような状況下にもかかわらず、王氏は法輪功の学習者たちの弁護活動を続けた。

2009年6月、法廷で法輪功の学習者・叢日旭(ツォン・リーシー)さんの弁護をした。このことがきっかけで中国共産党(中共)の怒りを買った。それから数週間後、王氏が友人宅で仲間たちと昼食を取っていると、大連の私服警官が何人も押し入ってきて、13人が逮捕された。中には大連海洋大学で美術を教えていた馮剛(フォン・ガン)教授の姿もあった。

その1か月後に馮剛教授は不審な死をとげた。家族は教授の遺体を凍らせ、司法解剖を要求した。

警察署では王氏は非道な拷問にかけられていた。片方の足首を骨折したが、 手当てはされずそのまま放置されたために、感染症を引き起こし、広がってさらに悪化した。

11月後半、大連市にある地方裁判所で判決が下され、王氏は法輪功の学習者たちを弁護したとして禁固刑7年を言い渡された。表向きは「法律の施行の妨害」だった。これが法輪功の学習者たちを弁護してきた人権擁護弁護士に対する裁決である。

違法な裁決に異議を唱えるため、王氏はハンガーストライキを続けた。そのために留置所では強引に食べさせられ、両手は後ろ手に手錠をかけられ、30時間以上そのままで放置された。

2010年4月、遼寧省の省都 瀋陽市にある第一刑務所に移送され、数日後、看守が2回にわたり数人の受刑者たちをけしかけて王氏に壮絶な暴力を振るった。

看守は時折、受刑者たちに命令して法輪功の学者者たちを虐待する。夏には王氏はシャワーを浴びることや 洗濯をすること、洗顔や手足を洗うこと、トイレットペーパーの使用すら禁止された。

さらに毎日午前6時から午後10時まで木製の椅子に座らされ、夜にはトイレに行くことすら許されなかった。刑務所でも強制的に喉から食物を注入されたため、呼吸器官から出血し、窒息死する寸前だった。

また13日間続けて食事や睡眠を与えられない時もあった。長期に及ぶ虐待や放置で、王氏は危篤状態に陥った。うっ血を伴う肺炎を引き起こし、腹部には分泌液が溜まるなどの症状に苦しんだ。また下半身が麻痺し、衰弱しきって言葉を発することさえできなかった。

2016年7月3日、釈放される日、看守は地方行政局からの通達を待っていると言って、王氏をなかなか釈放しなかった。地元共産党委員会の人々が引き取りに来たので、ようやく釈放された。

しかし、自由になったわけではなく、地元共産党委員会や警察は四六時中見張るために、王氏の自宅内外に赤外線カメラを設置した。

7年間の獄中生活で、法輪功の学習者5人が拷問により亡くなった。保釈直後に亡くなった学習者もいた。

王氏の事例は2010年の拷問、その他非人道的虐待および処罰の国連特別報告者に組み込まれた。

王氏のケースは、これまでに中国で迫害されてきた数えきれないほどの法輪功の学習者たちやその家族、支援者たちの一例にすぎず、現在もなお、中国では迫害が続いている。

【引用記事】https://www.youtube.com/watch?v=nTaRB_xeIqk&list=PLxejGDsVviQj0pt9ZKlGVrORVkQSH8M5l

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