欧州議会、中国政府の強制的な臓器摘出を非難する緊急決議を採択

人権

5月5日、欧州議会はフランスのストラスブールで開かれた本会議で、「中国で、法輪功学習者やその他の少数民族、キリスト教徒から継続的かつ組織的に強制臓器摘出が行われている」との報告に対し、重大な懸念を表明する緊急決議を採択した。中共当局に対し、「強制臓器摘出の疑惑に迅速に対応し、国連人権高等弁務官事務所を含む国際人権機構による独立した監督を許可するよう」呼び掛けた。
今回の緊急決議案は「社会民主進歩同盟(S&D)」が主導したもので、欧州議会の全政党で議論と提案が行われ、最後に超党派による議論を経て決議文が提出された。

欧州議会議員(オランダ)のダ-レン氏
「このことは、欧州議会外務委員会にとっての取っ掛かりになるだろう。彼らは中共の政府官僚と会うたびに、この件を議論すべきだ。欧州はこのことに対して、もはや見て見ぬふりはできない」

欧州議会議員(ベルギー)のヴォ-トマンズ氏
「この決議には多くの明確な段階がある。我々は中国(中共)側がこの疑惑に答えること、公正な調査が行われることを望む。そして中国に行って移植を受けることが二度と実現できないようになることを望む。患者が獲得した臓器が、法輪功学習者や受刑者から盗み取ったものである可能性があることを知る必要がある

採決の前日(5月4日)、議員たちはこの動議について議論を行った。

決議事項発起人 欧州議会議員(ベルギー)のアレナ氏
我々は欧州連合(EU)とその加盟国がこれらの行為(強制臓器摘出)を非難し、移植ツーリズムを阻止するための措置を取るよう求める。また我々の研究機関や臓器移植機関に対し、強制臓器摘出に関与している可能性のある中国の組織と協力しないことを確約するよう要求する」

5月5日フランスのストラスブールでの本会議で投票が行われ、正式の決議として採択された。

ヨーロッパ各地から集まった法輪功学習者たちは、この件に関心を寄せている議員たちにエールを送った。

オランダから駆けつけた法輪功学習者の張艶華さんは、かつて中国で3回も不当に逮捕され、合わせて7年以上拘束された。張さんは中国の刑務所で「法輪功の修煉をやめなければ、生きたまま臓器を強制摘出する」と看守から脅された。

オランダ在住の法輪功学習者の張艶華さん
「私が衰弱している時に、連続で血液検査をされた。半月の間に3回も検査され、毎回注射器1本分を抜かれた。しかも刑務所内では法輪功学習者だけに対して血液検査を行い、刑事犯の受刑者らには(血液検査を)しなかった。

 

2019年、数か月間かけて迫害経験者の証言や医学専門家らの意見を検証した英国民衆法廷は、「中国政権は長年にわたり、臓器移植のために良心の囚人の相当数を殺害してきた。現在でも繰り返されている行為は、人道に対する罪に相当し、被害者の多くは拘束された法輪功学習者である」と明らかにした。

欧州議会の決議文では、中共が英国民衆法廷での証言を拒否したことを指摘している。また、被拘束者による臓器提供の同意について独立した監督がなかったこと、家族が拘留中に死亡した遺体を引き取ることができなかったことへの中国当局の沈黙についても糾弾している。

中国の臓器強制摘出問題に関して欧州議会が非難決議を出すのは2013年以来で2度目。中国政府に「欧州議会は強制的な臓器摘出の行為を容認できない」とのメッセージを再度送る形となった。

【引用記事】
大紀元 https://www.epochtimes.jp/2022/05/105622.html