2023年カナダ映画レオ賞で最優秀監督賞と最優秀音楽賞を受賞したドキュメンタリー映画『国有臓器(State Organs)』が現在、米国の映画館で上映されています。この作品は、2人の善良な若者(法輪功学習者)が警察によって強制的に連行された後、その家族による20年にわたる捜索の旅が描かれています。映画は陰鬱で暗い雰囲気の中で幕を開け、胸が締め付けられるような緊迫感にあふれ、観客の心をつかみます。
生体臓器摘出に関与した医師
「向かいの医師に目玉を取るよう言われました。その人の目に恐怖が映っており、まぶたも動いていました。彼はまだ生きていたのです」
1999年から、中国共産党が開始した法輪功に対する迫害は中国全土を席巻し、ほぼすべての中国人に波及しています。物語はこのような背景で展開されています。
※法輪功は、1992年中国で伝え出された気功で、身体の健康と道徳心の向上に顕著な効果があり、宗教や政治に関与することはないといわれている。しかし、1999年、当時の国家主席・江沢民が法輪功の爆発的な人気に強く嫉妬し、自分の権力を乱用し、法輪功に対する弾圧を発動した。中国共産党による法輪功への弾圧は、生体臓器狩りにまで及び、前代未聞の残虐な弾圧は現在も続いている。
『国有臓器』の章勇進監督
「当初、私は生体臓器摘出に携わった医師にインタビューする機会がありました。 その医師は、生きたままの人間から臓器を摘出する過程で感じたことを話し、その内容は私に衝撃を与えました」
この映画は、生体臓器摘出に参加した医師への独占的なインタビュー、被害者が失踪する前の録音など、臓器狩りにかかわる人々から直接証言を取り、最も深く隠ぺいされた国家犯罪を実際に描いています。
生体臓器摘出の調査員
「法輪功学習者に対する生体臓器摘出はありますか?」
医師
「ここでは彼らがほとんどです」
中国共産党は国家の力を行使して臓器を強制的に摘出し、莫大な利益を得ています。国際人権弁護士のデービッド・マタス氏は、無数の証拠により、中国全土で生体臓器収奪が行われていることを確認しています。マタス氏は米議会下院が2023年に「生体臓器摘出停止法案」を通過したことや、20か国が臓器移植のための入国を禁止する法律を制定するなど、多くの国がこの非人道的な行為に対する取り締まりを強化することを期待しています。
カナダの人権弁護士 デービッド・マタス氏
「法輪功学習者が虐殺された数は、当初の見積もりよりもはるかに多いです」
このドキュメンタリー映画は、被害者とその家族の視点から、彼らの真実の物語を語っています。
章勇進監督は、「深刻な犯罪事件において、人々の心に響き渡るのは、しばしば被害者たちの声です。被害者とその家族が何を経験してきたのでしょうか。過去20年以上にわたり、多くの中国の家庭がこの迫害で若くして健康な子供を失っており、彼らの苦しみは世界中に知られるべき」としています。
章勇進監督
「今日の私たちにはこの非人道的な罪行を防ぐ時間がまだあり、私たちは今の歴史を変える機会があります」
2006年、中共が法輪功学習者に対して秘密裏に生体臓器摘出を行っていた罪が暴露されて以来、「この地球上でかつてない邪悪」は今も続いています。
【関連記事】蘇家屯で臓器狩りに加担した医師(前夫)の妻が証言
監督は、「もし誰もが少しの行動を起こし、真実を周りの人々に伝えれば、世界をより平和で安定したものにすることができるでしょう。なぜなら、真実には力があり、真実こそ力だからです」と述べています。
このドキュメンタリー映画はオーストラリアのメルボルンで上映され、観客は深い感銘を受けました。1月26日から米国の映画館で順次公開されています。
【引用記事】NTDジャパン(2024年1月30日)