実話に基づく法輪功迫害を描いた映画、ポンペオ氏「中国共産党を痛烈に告発」と評価

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法輪功迫害を描く映画「Unsilenced(仮邦題:沈黙の叫び、中国語:沉默呼声)」ポスター(Flying Cloud Productions)

中国共産党(中共)による法輪功迫害を描く映画「Unsilenced(仮邦題:沈黙の叫び、中国語:沉默呼声)」が1月21日から全米30都市で同時公開されている。映画を観たポンペオ元米国務長官は「中国共産党を痛烈に告発する、感動的で誠実な作品だ」と評した。

映画は実話をもとに作られた。法輪功迫害政策が始まった2000年代の中国北京で、法輪功学習者である清華大学の大学生2人が当局の厳しい監視と封鎖をかいくぐり、迫害という人権侵害を国際社会に伝える過程を描く。

1月28日、ポンペオ氏はツイッターで政権時代に政策顧問を務めたマイルズ・ユー(余茂春)氏と共に映画鑑賞したと投稿。映画は共産党指導部らによる「徹底的な腐敗と権力による惨状」を指摘しており、「優秀な中国人たちを沈黙させられない。是非観てほしい」と述べた。

米デラウェア州上院議員のデイブ・ローソン氏もまた1月24日にこの作品を観たとし、「州の全議員にすすめたい」と語った。

「沈黙の叫び」は、米テキサス州で開催されるオースティンファンタスティック映画祭で観客賞を受賞した。監督は李雲翔(レオン・リー)氏。

李氏の作品で、中国における刑務所の受刑者から臓器が抜き取られているとの問題について調べる国際組織の活動を追うドキュメンタリー映画「人狩り(Human Harvest)」は2015年、第74回ピーボディ賞ドキュメンタリー部門・教育部門を受賞した。同賞は米国放送界のピューリッツァー賞と呼ばれる。

また、中国の強制労働所の実態を暴露し法輪功迫害を暴露した衝撃のドキュメンタリー映画「馬三家からの手紙」は、2018年9月からNHK「BS世界のドキュメンタリー」で、再放送を含め6回も放映され、その後各地の映画館でも一般公開され、人々を驚愕させた。

人権侵害を続けている中国の強制労働所の実態を暴露した衝撃のドキュメンタリー映画「馬三家からの手紙」

 

李氏は1月22日放送の大紀元番組「米国思想リーダー」に出演した際、「真実が勝つ、という話はよく聞かれるが嘘は時に非常に強力だ。意識的に真実を求め、真実を語ろうとしなければ、もはや見分けがつかないほど嘘に囲まれてしまうこともある」と語った。

中国共産党による人権侵害は米国内でも関心が高い。全米30都市で同時公開された「沈黙の叫び」は現地紙から高評を得ている。「政治的な迫害に直面してもなお、良心を堅持する感動的な物語」(ロサンゼルス・タイムズ)、「時勢にかなった緊急の啓示」(サンディエゴ・リーダー)、「テンポが良く、現実の政治スリラー映画だ」(米保守系雑誌アメリカン・シンカー)など。

映画のあらすじ

1999年の夏、清華大学の2組の学生カップルののんきな生活は、中国共産党(中共)による法輪功の禁止によって一夜にして破られた。国営メディアが嘘を作り続け、異議を抑圧し続けるにつれて、彼らは米国のジャーナリスト、ダニエルと交差する。逮捕、拷問、さらには死の脅威が彼らに迫り、彼らは良心で真実を語るか、嘘や残虐行為について沈黙するかを選択しなければならなかった。
中共の厳格な監視と封鎖を突破し、罪のない法輪功学習者への迫害を世界に暴露するため、ダニエルと精華大学の4人は勇気と知恵をもって協力し合うことを決心する。4人の学生は莫大な代償を払ったが、彼らの努力は人々の正義と良心を目覚めさせた。

映画のモデルとなった実話

映画の主人公ワン・ボユ(王博宇)のモデルであるワン・ウェイユ(王為宇)は、天才少年で中学から高校まで、高校から大学まで、大学から博士課程まで、すべて試験を免除された特待生だった。1991年高校を卒業した後、王為宇は北京大学、清華大学、中国科学技術大学、北京協和医学院、国立防衛技術大学を含む中国名門大学トップ5から特待生としての合格通知書を受けた。優秀なエンジニアになるという夢があったため、王為宇は清華大学を選んだ。

清華大学においても王為宇は、ずば抜けて優秀な成績を修め、優秀な学生に与える奨学金と優秀卒業生に授与する賞状を授かる名誉に選ばれた。他にも、中国精密機器特別奨学金(初の本科大学生向け奨学金)、フィリップス奨学金など多くの奨学金を獲得した。本科大学を卒業してから優秀な成績を持って特待生として博士号を取得した。

1999年5月1日晴れの日、王為宇は付き合っていた彼女の萧晴と故郷の山東省で結婚式を挙げた。当時、萧晴は清華大学の修士号で卒業し、上海のある有名な大手企業に就職していた。王為宇は、清華大学で博士号の勉強を続けていた。若い夫婦は結婚の際、国内外の親戚や友人から祝福を受け、とても幸せを感じ、将来への憧れと希望に満ちていた。

しかし、わずか2か月後、中国の状況は一変した。1999年7月20日、中共の独裁者、江沢民が法輪功の爆発的な人気に嫉妬し、法輪功についてのいかなる真実にも耳を貸そうとせず、全ての国家宣伝機器を利用して、天地を覆い隠すかのような虚言を流して法輪功に対する残虐な迫害を開始した。

王為宇と萧晴夫婦は、清華大学で勉強していた時から知識への探求と同時に、人生の本当の意味をも追い求めていた。当時、法輪功は中国北東にある長春から北京へ、そして中国全土に広がり、中国最高高等教育機関である清華大学にまで広がってきた。清華大学では、元学長、教授、博士課程指導教官から学部生、修士、博士課程の学生まで、多くの人々が法輪功学習者の仲間入りをした。王為宇と萧晴も法輪功学習者となり、法輪功の基本理念である「真、善、忍」に従って自分を修める過程で、法輪功の厳粛さ、そして殊勝で素晴らしいことを身を持って体験することができた。

しかし、迫害が発生してから中共によってマスメディアは、昼夜問わず法輪功を誹謗中傷し、虚言を流した。中共政権は全ての専制機関をコントロールして、法輪功学習者を不法逮捕し、拘束と拷問など残忍な迫害を続け、中国全土に暗い影が落ちた。

この歴史的な節目に、王為宇と他の法輪功学習者たちは、彼らの人生の中で最も大きな決断に迫られた。中共に屈して昇格し名利とも手に入れるか。それとも、良心と信仰を貫き、世界に真実を伝える道を選ぶのか。後者は彼らの「素晴らしい未来」を台無しにするかもしれず、さらには命を失う危険性さえもあるのだ。真剣に考えた結果、王為宇は後者を選んだ。その結果、王為宇は彼の人生で最も貴重な青春の8年半を中共の不法拘束により監獄の中で過ごすことになった・・・。

王為宇が虚言を打ち破り、真実を伝えることにより受けた迫害は、一億を超える中国の法輪功学習者たちが過去23年間受け続けてきた迫害の縮図でもある。1999年7月20日以来、中共は経済利益をちらつかせ、工作員を世界中に潜入させ、多くの国や地域の起業家、政府高官、メディア、学者、国際機関などを沈黙に導いた。

【引用記事】
・大紀元https://www.epochtimes.jp/p/2022/02/85837.html
・大紀元(中国語)https://www.epochtimes.com/gb/22/1/27/n13534477.htm

【参考記事】
映画「Unsilenced」公式ページ(中国語/英語)