米下院委、中国共産党による臓器狩り禁止法案 全会一致で可決 本会議審議へ

人権

米下院の外交委員会は2月28日、中国共産党が主導する強制臓器摘出に対処する法案を全会一致で可決した。今後、審議入りする下院での早期可決を目指す。

「2023年強制臓器摘出停止法案(Stop Forced Organ Harvesting Act of 2023)」は、生きたまま臓器を摘出する「臓器狩り」に加担した者に対して、米国への入国や米国内での金融取引を禁じる。また国外で行われた臓器収奪について議会に報告するよう国務長官に求める。

法案を提出したクリス・スミス下院議員は声明で「人々はようやく中国共産党の残虐性に気付き始めた」「米国、特に医療分野は、この最も凶悪な犯罪に加担しているか検証しなければならない」と述べた。

中国共産党は、不当に逮捕されている人から生きたまま臓器を摘出し、海外からの観光客や国内の高官などに移植することで、巨万の富を築いている。

2019年にイギリスで行われた独立民衆法廷「中国民衆法廷」は中国共産党の一党支配に置かれている中国本土では、長年にわたり移植手術を目的とした「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」と結論を下した。臓器狩りの主な犠牲者は法輪功愛好者だとした。

法輪功は1992年中国で李洪志氏によって伝え出された、身体の健康と道徳の向上に最適な気功。政治や宗教に関与するものではなく、効果が非常に顕著であった為、わずか数年の間に1億を超える人々に愛好され、李氏は絶大な信望を集めるようになった。しかし、当時の国家主席・江沢民(2022年11月30日に死去)は李氏へ人々の尊敬の念や感謝の気持ちが集中することに強く嫉妬し、共産党を利用して1999年から何の罪もない法輪功愛好者を悪者に仕立て上げ前代未聞の残虐な弾圧を全面的に発動した。最も残酷なのが、強制収容所に不当監禁された法輪功愛好者から心臓、腎臓、肝臓などの臓器を生きたまま摘出し、その臓器を移植用に高値で売るという「臓器狩り」である。

スミス氏は「中国共産党は、この方法で数十億ドルを稼ぐことができ、また自分たちの臓器も入れ替えることができると気づいた」と大紀元の姉妹メディア新唐人に語った。

中国高官が昨年発表した中央委員会元副主席・高占祥氏への追悼文は「臓器の入れ替え」について言及している。朱氏は高氏が体中の臓器を移植しており「『私の体の臓器は、ほとんど入れ替えたものだ。その多くが自分の臓器ではない』と冗談を言っていた」と明かした。

スミス氏はまた、中国は現在でもオンデマンドで臓器移植を受けることが可能だと強調。「もし、習近平が明日病気になり新しい肺が必要になったら28歳の法輪功愛好者やウイグル人の肺をもらうことになるだろう」

違法な臓器売買は年間8億4000万ドルから17億ドルを生み出していると、米国の民間研究機関、グローバル・フィナンシャル・インテグリティーは推測する。しかし専門家によれば、このような数字はまだ氷山の一角に過ぎない。

スミス氏は、法案は「この野蛮な行為を止めるための第一歩だ。まずは中国から始め、その次に(臓器収奪の)世界的な推進者に歯止めをかける」

中国共産党の本性を暴く
中国の不透明な臓器移植業界では、毎年どれほど多くの人が殺されているのか分からない。2016年に発表された調査報告書では、中国の169の病院のベッド数、収益、移植能力などのデータを分析した結果、年間6万から10万件の移植を実施している可能性があるという。

法案の共同提案者である外交委員のマイケル・マッコール委員長も、公聴会で法案が成立すれば中国共産党の本性を暴くきっかけとなると強調。「米国が相手にしている国家がどのようなもので、(中国共産党が)いかに人命と人権を完全に軽視しているかを米国民に周知することができる」と述べた。

「中国共産党が行っているこの行為ほど、おぞましく、野蛮なものはない」「自身の意思に反して人を拘束し、時には麻酔をかけずに臓器を取り出し、それを何十万ドルもの値段で売りさばいている。絶対に許されることではない」

同様の法案は上院でも発表される見通し。前議会で上院の関連法案を主導したトム・コットン議員は、来週にもこの法案を再提出する予定だとエポックタイムズに明かした。

【引用記事】大紀元(2023年3月3日)