中国での青年の獄中死受け 米政府高官が法輪功迫害加担者への制裁求める

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2022年12月に獄中で「非正常な死」を遂げた元ラジオ局司会者の龐勳(30歳)さんの生前の写真。(ジェニファー・ゼンさんのツイートよりスクリーンショット)

米国際宗教自由委員会の委員であるデービッド・カリー氏は、法輪功迫害に加担する中国政府関係者と団体に対して、多国間で連携した制裁を課すよう米政府に求めると述べた。

法輪功への迫害は1999年7月、法輪功の人気に嫉妬した江沢民(当時の国家主席)の決定により開始した。同氏が2022年11月に死亡してもなお、残忍な弾圧は続いている。直近では12月、若干30歳の龐勳(ほうくん)さんが信仰を理由に拘束され、拷問を受け死亡した。2月になり、母親が火葬前の遺体を撮影した映像を公開した。そこには全身に打撲痕の残る龐さんの身体が写っていた。

米宗教自由に関する委員会で講演したカリー氏は龐さんの死に「深い悲しみ」を示した。同委員会の報告書によれば、2021年だけでも数百件におよぶ法輪功学習者に対する虐待の記録があると付け加えた。

「法輪功学習者に対する中国政府の迫害を非難する。このような残虐行為に関わった責任を負う中国高官や団体に対して、米政府は志をともにする国際的なパートナーと協力して協調した制裁を科すよう米政府に求める」とエポックタイムズの取材に答えた。

四川省人民ラジオ放送局のパーソナリティを務めていた龐さんは2020年、警察に連行された。迫害情報を伝える明慧ネットによれば、中国共産党による迫害は誤っていると説明する資料を配布したためだという。懲役5年の実刑判決を受け、同省の楽山嘉州刑務所に拘禁されていた。

米国務省はラジオ・フリー・アジア(RFA)に公表した声明で「法輪功学習者への虐待を直ちにやめ、信仰を理由に投獄されている人々を釈放し、行方不明となっている学習者の行方を解決するよう中国政府に求める」と述べた。

【引用記事】大紀元(2023年2月21日)

 

衝撃的な遺体動画が語る「法輪功迫害」の真実 四川省の刑務所より

「真実こそ命を救う」を信念として、米ニューヨークより情報発信をするジェニファー・ゼン(曾錚)さんは2月12日、2022年12月に中国の獄中で「非正常な死」を遂げた法輪功学習者・龐勳(ほう くん)さんの遺体を撮影した動画をSNS上に投稿した。

「惨殺された息子」が母の目の前に

1999年7月20日より、当時の江沢民主席の独断的命令によって中国国内の法輪功学習者に対して大々的に開始された迫害は、24年目となる2023年の今も続いている。

亡くなった龐勳さんは30歳。龐さんの体には、電気ショックによるとみられる火傷の跡など体中にひどい傷やアザがある。それらは、龐さんが絶命するまで残酷な拷問を受けていたことを物語っている。

また、事情を知る関係者は大紀元の取材に対し「半年前に面会した時は、すでに体中傷だらけだった。彼は拷問されている」と明かした。

動画のなかには、母親と思われる女性が「我が息子よ、さぞつらかったろうに」と泣きながら遺体の顔を撫でるシーンもあった。

投稿されたファイルのなかには、衝撃的な遺体動画のほかに、龐さんの生前の写真などもある。笑顔がさわやかな美男子だった。

以前から法輪功を修煉していた龐さんは中国伝媒大学を卒業後、四川省のラジオ放送局(四川人民広播電台)で番組の司会者を勤めた。

龐さんは2020年7月27日、仕事に出かける途中で逮捕された。その後、5年の実刑判決を受けたが、2022年12月2日、四川省の楽山刑務所で亡くなった。

 

知人のなかで「最も純粋で親切な人だった」

ジェニファー・ゼンさんは、かつて中国最高レベルの政策研究諮問機関である国務院開発研究センターに勤めた経験を持ち、中国の内情を熟知する「内部関係者」として知られている。

ゼンさんによると、龐さんが死亡した情報の発信元は、龐さんの友人と称する十数万のフォロワーを抱えるインフルエンサー「豆瓣鵝組日報」というツイッターアカウント。同アカウントは昨年12月24日に「妻と一番仲が良かった大学のクラスメートが、中国共産党の獄中で亡くなった」という第一報をツイートしている。

同アカウントは、2月12日に「龐さん家族の同意を得た」とした上で、遺体を撮影した映像を投稿した。

「彼は、とても明るくてハンサムな青年だった。私の知人のなかで、最も純粋で親切な人だった」とその死を嘆くとともに、「彼は法輪功学習者だった。しかし、それは決して中国共産党が彼を殺して良い理由にはならない!」と訴えた。

さらに、龐さんの死因について「刑務所は、甲状腺の病気が原因だと主張している。しかし、私を含め、彼をよく知る人はみな、彼が非常に健康で、命を落とすような持病はないことを知っている」と死因に疑問を呈した。

また同アカウントは、龐さんが逮捕投獄された日が「2020年7月27日」と明かし、ネット上に飛び交う「彼は白紙革命の参加者だった」とする噂を否定している。

「人間の良知」があるから声を上げた

同アカウント「豆瓣鵝組日報」は、法輪功学習者である龐さんのために声を上げることについて、こう述べている。

「私も多くの中国人と同様、宗教的な信仰は持っていない。もちろん、彼のために声を上げれば、私のアカウントが『法輪功支持者リスト』に載って、攻撃されたり、フォロワーが減るリスクがあることは承知している。しかしそれでも私は、人間として基本的な良知を持っている。だから声を上げた。そのことと龐さんの信仰とは関係ない」

同アカウントはさらに、こう付け加えた。「例えば、水に溺れている子供を助けたとする。その子が法輪功学習者やキリスト教徒だと聞いて再び水に投げ入れるような事は、私の知る限りでは中国か北朝鮮でしか起きないだろう」

【引用記事】大紀元(2023年2月21日)