近年、欧米ではようやく中共による浸透に警戒し始め、各国では孔子学院の閉鎖が相次いでいる。米国では、トランプ政権が孔子学院を設置する大学への資金援助を制限するなどの措置を取っていたが、最近の調査報告によると、多くの孔子学院は看板を塗り替えて運営を続けていることが明らかになった。
6月21日、保守派の非営利団体「全米学識者協会 ( NAS )」は、孔子学院は表向きには撤退したように見せかけて、実際には米国の大学内で「中国語学習センター」の名称で運営を続けているとの調査結果を発表した。名称が変わっただけで、他は何も変わっていないという。
全米学識者協会の報告書によると、米国の孔子学院118か所のうち、104か所がすでに閉鎖または閉鎖予定だとしているが、28か所は名称を変更して運営を続けており、58か所は引き続き提携先の高等教育機関と緊密な関係を保っている。
報告書によると、孔子学院は西側の高等教育機関と提携を結ぶ際、秘密保持契約書への署名を要求し、援助金額を漏らしてはならないこと、教材は中国で作られたものに従うこと、政治的話題に触れないなどといったことを要求している。
元中共政治局常務委員の李長春は2007年4月に、孔子学院は中国共産党の対外プロパガンダの重要な一部だと述べていた。
2018年、当時のトランプ大統領は「国防権限法」に署名し、孔子学院を設置している米国の高等教育機関への資金援助を制限し、指導内容や契約情報などの記録を提供するよう求めた。2020年、米国務省は孔子学院を在米外交使節団と認定した。
【参考記事】
・NTDジャパン 「ヘルシンキ大学が孔子学院の閉鎖を発表 15年の提携に幕」