中共の消去を回避 都市封鎖に怒る上海市民がNFTで「人民蜂起」?

時事

中国最大の経済都市・上海は5月6日、都市封鎖が本格的に始まって40日目を迎えた。2500万人の上海市民は物資不足などで困窮している現在、彼らの不満の声は、 中共の検閲と監視の下、短期間で消去される。 しかし、 ロイターによると、ブロックチェーン技術を使って、中共がすべてを消去できないように、都市封鎖の悲惨な状況を保存したという。

 

上海市民は「都市封鎖」に困窮し、食糧や物資が不足している現在、彼らはインターネットで不満をぶちまけるしかないようだが、 中共の厳しい検閲と監視のもとで、これらの声は短期間しかネット上で残らない。 動画であれ、写真や文章であれ、人々に共有されたものは中共から「大衆を扇動した」と指摘され、当然、中共が気に入らない内容は削除される。 しかし、中共の封鎖により、住民の不満が収まることはなく、人々は投稿や撮影を続け、あなたは「投稿を削除する」、私は「意見を書き込む」と、結局は双方が「イタチごっこ」をしている状態だ。 ロイターによると、この「イタチごっこ」に触発された上海市民は、戦場をNFT市場に移し、ブロックチェーン技術を使って、中共がすべてを消去できないように、都市封鎖中に辛酸をなめた市民の悲惨な状況を保存したという。

NFTは新しいもので、ビットコインと非常によく似た仮想資産だ。NFTとビットコインの違いは、NFTは写真や動画、音楽などさまざまな形で表現でき、一度人々の作品がNTFになると、ブロックチェーン技術のおかげで、作品の改変や複製が困難になる。 今、NFTの取引プラットフォームであるOpenSeaに、上海のロックダウンの悲惨な状況を描いた映画「四月の音」が登場している。そのような作品は800本近くあるが、中共は見ることしかできず、他にも上海のロックダウンに関連するNFTが何百本以上あるという。

4月23日、imFongという中国のツイッターユーザーが、映画「四月の声」をNFT化し、元のデータを凍結してIPFS(Interplanetary File System)にアップロードし、映画が検閲を受けることなく、常に後世の人々に見られるようにしたと発表した。 匿名のある上海のプログラマーはロイターに対し、上海の人々は「人民蜂起」の一環として映画「四月の声」を保存しようとしていると述べた。彼は、上海がいかに孤立しているかを示す「上海の疫病封鎖地図」でNFTを作り、「家にいるから、これらのものに多くの時間を割いている」と言った。

※「四月の声」とは、上海の住民が隔離環境を批判して助けを求めている音声クリップをまとめた6分間の動画。

※NFTとは、「Non-Fungible Token」の略で、日本語にすると『非代替性トークン』となる。⇒解説マンガ

OpenSeaでは他にも、ウェイボーでの検閲を訴える投稿や、中共の隔離センターでの写真、「都市封鎖」をイメージした様々なアート作品などが販売されている。上海在住9年のマレーシア人デザイナー、Simon Fong氏は、毛沢東の共産主義プロパガンダ風に「都市封鎖」の生活に関するイラストを描き、時事問題を風刺してNFTにした。 これまでに9点を平均0.1Ether(約2000香港ドル)で販売したと言う。

歴史は権力者によって書かれると言われているが、さまざまなテクノロジーの出現により、歴史は大衆によって書かれるようになる可能性がある。NFTで動画や音声などを保存することで多くの真実が暴露され、至る所で広まり、嘘で政権を維持する中共が今後も維持できるのかどうか、今後の動向が注目される。

【引用記事】ニュース最前線 香港 https://www.youtube.com/watch?v=unijloYsgyI

【参考記事】ロイター https://jp.reuters.com/article/china-tech-coronavirus-idJPKCN2MJ0AL