「心が痛む」ラトビア代表コーチ 北京冬季五輪の人権侵害を批判

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トリノ五輪で銅メダルを獲得したルベニス氏。2006年2月13日撮影(Thomas Coex/AFP via Getty Images)

北京冬季五輪種目リュージュのラトビア代表コーチを務めるマルティンス・ルベニス氏は拘束の危険性を顧みず、現地で大会期間中に人権問題について非難した。法輪功(気功)を実践しているルベニス氏は帰国後「声なき人の声となり、残酷な迫害を早く終わらせたい」とその想いを2月18日、大紀元に語った。

中国冬季五輪委員会は大会開催前、中国のルールに反する言動をした選手らは出場資格取り消しなど処罰する方針を明らかにしていた。このリスクを踏まえたうえで、ルベニス氏は大会期間中、現地で北京冬季五輪を非難した。

「巨大な政治劇場だ」と2月7日、ラトビアメディアのインタビューで述べた。中国共産党による臓器収奪や善良な人々への弾圧が行われている中国での五輪大会は「胸が痛む」と語った。

このインタビューの数日後、ラトビア五輪委員会の会長が駐ラトビア中国大使館に呼び出され、「誤った考え」を抱くチームメンバーをいかに黙らせるかについて「指導」を受けたという。

過去には米国籍の法輪功学習者が中国共産党による人権侵害に抗議するため中国に渡ったのち拘束された事例がある。拘置所で数年間の拷問を受けた者もおり、ルベニス氏にとって訪中や人権問題への発言は「命懸け」だった。

ルベニス氏は2006年のトリノ五輪で銅メダルを獲得したメダリストでもある。当時もラトビアの中国大使館前でハンガーストライキを行った。中国共産党政権が主導する、生きた法輪功学習者からの強制的な臓器摘出に抗議した。

ルベニス氏の人権活動は15年以上にわたる。「私と同じように法輪大法(法輪功)を実践している人々が、『真・善・忍』の原則に従っているというだけで、拘置所に収容され、拷問され、殺害されている」と大紀元に述べた。

 

五輪精神の死

米ニューヨークを拠点とする人権団体、法輪大法情報センターが公開した収容所マップによると、五輪大会会場から数キロ先に法輪功学習者が拷問を受けているとされる収容施設が存在する。

北京五輪会場の目と鼻の先にある収容所…人権団体が収容所マップを公開

ルベニス氏は開会式を監視カメラに囲まれた選手村で見た。「聖火の炎は見えないほど小さかった。五輪の精神が死んでいく」ように感じたという。「人道に反する罪を犯す中国共産党と協力関係を結ぶことは、魔を支えることであり、その手を血に染めることだ」と警鐘を鳴らした。

【引用記事】大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2022/02/86969.html