女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン最高経営責任者は1日、香港を含む中国で開催されるすべてのWTA大会を中止すると発表した翌日、世界のテニス名選手や人権団体が、彭帥選手を応援しているWTAを称賛した。同時に、彭帥さんへの国際オリンピック委員会(IOC)の対応を「無責任」で、オリンピックの精神に背く中国共産党に「加担」していると批判した。
AFP通信によると、WTAを創設した「キング夫人」と呼ばれていたビリー・ジーン・キングさん(78)が、「WTAは選手を支え、歴史の正しい側に立った。中国と世界中での人権を守る強い立場を取ったWTAをたたえる」と語った。
世界トップランクのテニス選手であるノバク・ジョコビッチさん(男性、34)は「WTAを全面的に支持する」と述べた。元名選手のマルチナ・ナブラチロワさん(女性、65)はWTAの「お金より原則を大切にした勇気ある姿勢」を称賛し、IOCに向け「どう思う?あなた方の声はほとんど聞こえないんだけど」と対応を求めた。
時事評論家の藍述氏は「希望之声」のインタビューで、「これは、これは商業的利益よりも人権、金儲けよりも個人の安全が重要であるという強い意志とシグナルである。プロテニスは非常に高額な賞金がもらえる職業である。これらのテニススターは、お金を稼がなくても、彭帥選手の身の安全が保証されているのか、この問題が最終的に公正に裁かれるのかを追及するという態度を示している」と述べた。
WTAはこの動きで数百万ユーロの収入が損なわれる可能性があるが、サイモン氏は声明の中で、「世界各国のリーダーたちには、経済的な影響にかかわらず、彭帥選手やすべての女性のために、正義を貫いて立ち上がり続けてほしい」と述べた。中国のネットユーザーの中には、WTAの公式ウェイボー(微博、Weibo)アカウントにコメントを寄せ、「サイモン氏は度胸がある」と称賛の声を上げている。
男子ツアーを統括するプロテニス選手協会(ATP)のアンドレア・ガウデンツィ会長は2日、「彭さんの状況は、われわれのスポーツの内外で深刻な懸念を引き起こしている。この懸念への対応はここまで不十分だ」と新たに声明を発表した。
一方、IOCは先月21日にバッハ会長が彭選手と30分間にわたって対話したことを明らかにしていたが、2日、再びテレビ電話で対話したと発表した。
IOCは、彭選手の幸福と安全について「多くの人や組織と同じ懸念を共有している」などとしたうえで、来年1月に個人的に会うことで合意していると強調した。
さらに、彭選手を取り巻く状況については、中国のスポーツ団体とともに対応にあたっているとして「私たちは政府や、ほかの組織の経験に基づいた『静かな外交』を用いている。これは、こうした人道問題を効果的に進めるための最も期待できる方法だ。私たちの行動は彼女の個人的な状況を懸念し、サポートし続けることを意味している」としています。
IOCへの批判、2022年北京冬季五輪のボイコットなどの声が高まっている。藍述氏は「IOCがやったことは、単に彭帥選手とビデオ通話をしただけで、それはまったく形式的なもので、彭帥選手の安全をまったく考慮していなかったし、彼女の家族の身の安全が脅かされているかどうかもわからない。IOCはすでに商業的利益しか見ていない。オリンピック精神を完全に犠牲にし、すでにすべての人の怒りを買ってしまい、非常に失望させた」と述べた。
中共の悪いイメージは長い間その信頼性を失っている。中共のさまざまな主張に関して、中国国民がそれを信じていないだけでなく、国際社会もそれを信じていない。そこで国際社会に影響力のある団体IOCに話してもらおうとする。
しかし、今度はIOCの行動が人権団体、WTA、および米国議員からの批判を引き起こした。誰もが中共の嘘を知っている、そして中共を信じることは悪魔を信じることと等しい。