止まらない中国経済の破綻 出稼ぎ労働最盛期に帰省ラッシュ出現

時事

看中国(2021年10月26日)によると、中国において9月10月は、1年のうちで最も出稼ぎ労働者が都市部に集中する時期だが、今年は逆に「帰省ラッシュ」が現れたという。

エネルギー危機が原因で、中国の多くの地域では9月下旬から、電力の供給制限が始まり、特に南部では20以上の都市が「電力の供給制限」が実施された。

一方、北部の産業中心地である北京市、天津市、河北省では、製錬所、化学工業、炭鉱採掘、建設などの産業が集まっており、出稼ぎ労働者に多くの仕事を提供している。しかし、二酸化炭素排出量を減らすため、今年は、習近平氏のエネルギー消費に対する「二重規制(エネルギー消費量・強度の削減 )」政策の結果、10月初旬には北部の26の都市で「操業停止令」が出され、これらの汚染度の高い企業は操業停止を余儀なくされた。

これを受けて、多くの出稼ぎ労働者にとって、2021年は都市に出稼ぎに出ても、あまり稼げなかった。年末に近づくと、各業界が不況に陥り、仕事の需要が減り、仕事が見つかりにくくなるため、早めに帰省するしかないという。

中国の内部政策のほか、外部環境の変化も中国の雇用環境に大きな衝撃を与えている。昨年、中国政府が新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)のパンデミック(世界大流行)により、医療用品の輸出制限を強行したことで、多くの多国籍企業が生産を一国に依存しすぎることのリスクに気付き、中国に集中していた生産ラインを国外に移すなど、意識的にリスクを分散させるようになり、世界の貿易構造が一変した。いくつかの国では、これらの企業の中国からの撤退を促すために補助金政策を導入した。

また、輸出受注が減少しており、これらの事由によって、外国人の貿易加工業に従事する労働者の雇用が大幅に失われた。ボイス・オブ・アメリカによると、外資系企業が中国から撤退する傾向は今後も続くもよう。

中国では今年に入ってから、多くの不動産会社が財務危機に陥ったため、不動産業界が不況に見舞われ、建設業従事者の失業が続出している。中国の農民工が都市部で最も多く従事するのは建設業なので、その影響は計り知れないという。