看中国(2021年3月24日)によると、在英中国大使館がタワーハムレッツ・ロンドン自治区に移転するにあたり、同区議会はこのほど、中国共産党の専制政治に対する英国国民の抗議を特別な形で表明する決議案を可決した。
英紙「ガーディアン」は19日、中国大使館がタワーハムレッツ自治区に移転するにあたって、同区議会が17日夜に決議案を可決したと報じた。同決議では、歴史的に重要な運動や団体、個人などへの応援を示す方法として、大使館周辺の道路や新しい建物を中国の意義ある地名に改称することを調査・検討することを発表した。
決議文には以下の地名が出てくる。
「天安門広場」、1989年に起きた六四天安門事件で、中国共産党政権に弾圧された学生の民主化運動を記念するため。
「チベットビル」、中国共産党政権により弾圧・迫害されたチベットの宗教団体を応援するため。
「ウイグルガーデン」、中国共産党政権による大量虐殺や宗教的迫害を受けたウイグル人を応援するため。
「香港通り」、中国共産党政権に迫害されている香港の人々を応援するため。
同決議は、英国自由民主党の区議会議員であるラビナ・カーン氏が提案したものである。カーン氏は、「タワーハムレッツ区では常にあらゆる民族の人々を歓迎している。17日の区議会本会議では、議員全員一致で修正決議に同意した。中国大使館がここに移転することを歓迎するが、中国共産党による人権侵害にも反対する 」と述べた。
在英中国大使館は、2018年にタワーハムレッツ区のロンドン塔の向かいにある旧王立造幣局の建物を2.5億ポンド(約372億円)で購入し、ヨーロッパ最大の大使館に改築する計画を立てていた。2年以上にわたる改築工事を経て、中国大使館はタワーハムレッツ区の新しい建物に間もなく移転するという。