ミャンマーのグローバリストのスー・チー氏は、ヒラリー元米国務長官、オバマ元大統領、億万長者のソロス氏との関係が非常に深く、バイデン陣営は今回のクーデターを非難した。一方中国は、中国南部の内陸部からインド洋に通じるルートを提供するミャンマーの重要性が高まっているため、ミャンマーとの関係強化を進めようとしており、クーデターを非難せず、静観する姿勢をみせた。
アウン・サン・スー・チー氏は米民主党高官の親密な盟友
看中国(2021年2月3日)によると、ミャンマーのグローバリストでリベラル派のアウン・サン・スー・チー氏は、米民主党高官の親密な盟友であると、米メディア「ナショナル・ファイル(National File)」が2月1日に報じた。彼女はヒラリー・クリントン元米国務長官、バラク・オバマ元大統領、億万長者のジョージ・ソロス氏との関係が非常に深い。
同紙によると、ヒラリー氏は2011年にアウンサンスーチー氏と初対面してからすぐに親密な関係を築き、「戦略的協力」を始めたという。
ヒラリー氏は著書『困難な選択(Hard Choices)』の中で、「ミャンマーのこの有名な政治家について長年関心を持っていて、私たちはようやく対面した」、「昔からの知り合いのような気がして、すぐに古い友のように話し、戦略を考え、笑い合った」と記した。アウン・サン・スー・チー氏もヒラリー氏を絶賛した。ヒラリー氏は、アウン・サン・スー・チー氏に2012年のミャンマー選挙で議会の席を獲得するよう提案したため、アウン・サン・スー・チー氏のミャンマーでの本格的な政治キャリアがスタートした。
アウン・サン・スー・チー氏は、オバマ前大統領からも大きな支持を受けていた。1990年代から2000年代にかけて、アウン・サン・スー・チー氏は反ミャンマー政府の活動に参加して繰り返し逮捕された。オバマ氏はミャンマー当局に彼女の釈放を頻繁に呼びかけていた。2012年、オバマ前大統領が米国の「議会名誉黄金勲章」を彼女に授与した。アウン・サン・スー・チー氏は「私の人生で最も感動したできごとの一つである」と述べた。
その後、オバマ政権はミャンマーに制裁を課し、アウン・サン・スー・チー氏が政治的役割を果たした場合に限って制裁を解除すると堅持し、2015年の彼女の台頭を促した。
アウン・サン・スー・チー氏のもう一人の重要な盟友は、億万長者のジョージ・ソロス氏である。オープンソサエティ財団(OSF)は、1994年から「ミャンマー・プロジェクト」を立ち上げ、長年ミャンマー政府に対抗してきた。ミャンマーのメディアによると、ミャンマーで活躍する100以上の非政府組織がソロス氏の資金支援を受けており、そのため、ソロス氏がミャンマーの政治を操っていると考える人が多い。
「ナショナル・ファイル」は、ミャンマーの国民民主連盟(NLD)のリーダーであるアウン・サン・スー・チー氏が、憲法上では国家指導者としての資格を満たしていないにもかかわらず、事実上の国家指導者であることにも言及した。 彼女は、代理人であるウィンミン大統領を通じてミャンマーを実際支配している。
ミャンマー、狙い澄ましたクーデター 直前に中国と接触
日経新聞電子版(2021年2月3日)によると、1日のミャンマー国軍によるクーデターは、狙いすましたかのようなタイミングで起きた。任期切れが迫る国軍総司令官はアウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる与党が圧勝した総選挙結果に不満を募らせ、クーデター直前に中国側と接触した。軍政回帰の危機だと国際社会から強い批判をあびる国軍だが、クーデターは「合憲」だと主張する。
中国外務省「ミャンマーは友好国」 クーデター非難せず
日経新聞電子版(2021年2月1日)によると、中国外務省の汪文斌副報道局長は1日の記者会見で、ミャンマーでのクーデターを非難せず、静観する姿勢をみせた。汪氏は「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と明言した。中国は米国との関係が悪化し、中国南部の内陸部からインド洋に通じるルートを提供するミャンマーの重要性が高まっているため、ミャンマーとの関係強化を進めようとしている。
2020年1月に習近平(シー・ジンピン)国家主席がミャンマーを訪問した際には事実上の政府トップであるアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相だけでなく、今回のクーデターで全権を掌握したミン・アウン・フライン国軍総司令官とも会談した。また、21年1月に王毅(ワン・イー)国務委員兼外相が東南アジア各国訪問の一環としてミャンマーを訪れた際もスー・チー氏、フライン氏とそれぞれ会談した。
・【DHC】2021/2/3(水) 大高未貴×石平×居島一平【虎ノ門ニュース】ミャンマーのクーデター 12分50秒から22分