リード・ストーリーズは十数人のスタッフ (その約半数はCNNの元社員) を雇うフェイスブックのファクトチェッカーの一つ。資金の一部をTikTokとの提携を通じて受け取っており、中国共産党との関係が疑われる。最近、フェイスブック上での大統領選挙不正に関する話題の検閲を強化したという。
大紀元(2020年12月16日)によると、フェイスブックは自社が使う複数のファクトチェッカー(事実確認の請負業者)を独立した第三者だとしているが、少なくとも一社の資金源は明らかに怪しい点がある。
ファクトチェッカーのリード・ストーリーズ(Lead Stories)は、資金の一部をTikTokとの提携を通じて受け取っている。TikTokは中国共産党にコントロールされている中国企業、バイトダンス(ByteDance)によって運営されているSNSプラットフォームであり、現在、米国当局によって国家安全保障上の脅威として調査されている。
リード・ストーリーズによると、同社は「ファクトチェック関連の事業で」バイトダンスと契約している。TikTokもこの契約を公表しており、今年初めに中共ウイルス(新型コロナ)の「誤った情報の拡散を防ぐ取り組みを支援するために」いくつかの組織と提携したと発表した。
リード・ストーリーズは2015年に創設され、2017年は5万ドル以下だった運営費が、2019年には7倍に拡大した。その主な理由は、フェイスブックが2018年と2019年に46万ドル以上を支払ってファクトチェックを委託したからだ。同社は十数人のスタッフ (その約半数はCNNの元社員) を雇い、フェイスブックの米国コンテンツの最大のファクトチェッカーの一つとなった。
検閲
ファクトチェッカーは、どのコンテンツをチェックするかを選択でき、真偽を決定できる。彼らは判断に対するクレームを受けても、容易に自分の判断を覆すことはない。
リード・ストーリーズは最近、選挙不正に関するコンテンツのファクトチェックに焦点を当てており、フェイスブック上での選挙不正に関する話題の検閲を強化した。
バイトダンス
TikTokを所有し、北京に拠点を置くバイトダンスも検閲することで知られている。
ガーディアン紙は2019年の記事で、TikTokがコンテンツ管理人に対して、天安門事件や法輪功(1999年以来中国で厳しく迫害されている気功)など、中国政府が「敏感」だと考える話題に関する動画を検閲するよう指示したと報じている。
TikTokは当時、そのようなポリシーは2019年5月に変更され、すでに適用していないと述べた。
しかし12月には、中国共産党の新疆地域でのウイグル人の弾圧を批判する動画を投稿した米国の若者のアカウントを閉鎖したことで、再び非難の的となった。
中国共産党への忠誠
中国企業は中国共産党の方針に従わなければならない。バイトダンスの創設者、張一鳴(チャン・イーミン)氏は、中国共産党が要求する検閲を実施している。
2018年、中国共産党は彼のユーモアアプリ、「内涵段子(インサイダージョーク)」を閉鎖した。これに対し張氏は、党の政策に忠誠を誓う内容の自己批判文書を出した。
チャイナ・メディア・プロジェクトの翻訳によると、彼の自己批判文書には、「私たちの製品は間違った道をたどり、社会主義の基本的価値観と釣り合わないような内容があり、世論指導を適切に実施していなかった」と書かれている。
張氏はまた、同社が「党づくりの強化、全社員を対象とした「4つの意識」と社会主義のコアバリューの教育、世論の指導と法令等の教育を実施し、真に企業の社会的責任を果たす」と約束した。
「4つの意識」とは、習近平氏が数年前に出した理念で、共産党の理念に忠実であり、習近平氏を支持し、党指導部と連携し、「大局」を考えることを党員に求めている。
張氏はまた、「権威ある(党の)メディアと協力をさらに深め、権威あるメディア・コンテンツの配信を促進し、権威ある(党の)メディアの声が確実に強い力で放送されるようにする」と約束した。
米司法省は最近、裁判所に提出した文書の中で張氏のこの書簡を引用し、同氏を中国共産党の「代弁者」と呼んだ。
国家安全保障上の脅威
トランプ政権は、2017年にバイトダンスが中国の動画共有アプリ、「ミュージカリー(Musical.ly)」を買収した件を調査している。バイトダンスは、アメリカの若者の間で人気のアプリだったミュージカリーを閉鎖し、何百万人ものユーザーは買収後にTikTokに乗り換えることを余儀なくされ、同アプリの人気が急上昇した。
バイトダンスは中国の法律に従っており、同社のすべてのデータを中国共産党が管理できるため、政府と一部の議員はTikTokは国家安全保障上の脅威だと述べている。バイトダンスによると、同社のTikTokのサーバーは米国にあり、バックアップがシンガポールにあるという。中国共産党はシンガポール政府と緊密な関係を維持している。
米国商務省はTikTokを事実上禁止する命令を下し、禁止令は11月12日に発効となっていたが、今のところ裁判所によって阻止されている。
米国政府はバイトダンスがTikTokをウォルマートとオラクルに売却する交渉を進めている。
ファクト・チェッカーをチェックするのは誰か
フェイスブックは、使用するファクトチェッカーは国際事実確認ネットワーク(IFCN)の認証を受ける必要があることから、ファクトチェッカーの使用を正当化している。IFCNは2015年に設立され、非営利ジャーナリズム学校の「ポインター研究所(Poynter Institute)」が運営している。
TikTokは、ポインター研究所と別の事実確認プロジェクトである「メディアワイズ(MediaWise)」をパートナーとして発表している。
ポインター研究所のマーケティングディレクターであるTina Dyakon氏は、同社がバイトダンスから受け取っている金額について明らかにしなかった。
「契約内容の詳細は開示していない」と彼女は大紀元に電子メールで答えた。「ポインター研究所は今年、事実確認とメディアリテラシーのためにTikTokと提携した」同氏は、ポインター研究所は編集の独立性を維持し、研究所の倫理方針に従っていると述べた。
2019年には、IFCNは資金のほぼ全額を、eBayの創設者で民主党の主要な寄付者であるピエール・オミダイア氏、グーグル、そして左翼の億万長者であるジョージ・ソロス氏から受け取っていた。フェイスブックも以前の寄付者の1つとして挙げられている。
どのファクトチェッカーが認証を受けるかは、事実調査機関の代表で構成される7人の諮問委員会によって決定される。委員会のメンバーで米国の政治ニュースの経験があるのは2人だけだ。1人はグレン・ケスラー氏で、彼は元外交政策記者で、現在はワシントン・ポスト紙の事実調査部門のトップだ。ケスラー氏のチームは今年、『真実を攻撃するドナルド・トランプ(Donald Trump and His Assault on Truth)』という本を出版している。
もう1人は、ポインター研究所が所有する「ポリティファクト(PolitiFact)」の編集長、アンジー・ドロブニック・ホラン(Angie Drobnic Holan)氏だ。
IFCN理事のBaybars Orsek氏は以前大紀元に対し、理事らは自分が主要な役職に就いている組織の認証については投票や審議を行わないと述べていた。