大統領就任式両院合同委員会は12月8日の非公開会合で、バイデン氏を次期大統領と認める決議を否決した。委員会に出席した複数のメンバーが明らかにした。トランプ大統領と共和党は、11月3日に行われた大統領選挙の結果を覆そうと裁判を続けている。
同委員会には、共和党からはケビン・マッカシー(Kevin McCarthy)下院院内総務、ミッチ・マコネル(Mitch McConnell)上院院内総務、ロイ・ブラント(Roy Blunt)上院議員の3人、民主党からはナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長、ステーニ・ホイヤー(Steny H. Hoyer)下院院内総務、エイミー・クロブシャー(Amy Klobuchar)上院議員の3人が出席した。
下院民主党のホイヤー院内総務が提案した動議の内容は、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領の就任式の準備が進んでいることを確認するというものだった。
上院共和党のマコネル院内総務、上院議事運営委員会のブラント委員長、マッカーシー下院院内総務が動議を妨げ、同委員会が就任式がバイデン氏のためにあると公に認めることを阻んだ。
前出のホイヤー氏に加え、議事運営委員会のクロブシャー民主党筆頭幹事、ペロシ下院議長は動議に賛成した。
同委員会でこのような決議案が出されるのは異例で、民主党の動きは共和党員を驚かせた。民主党関係者は共和党員がバイデン氏を次期大統領と認めるかを記録に残すのが目的だったと語った。
ブラント氏は会議開始のわずか8分前に民主党から決議案を知らされたと述べ、こうした決議を行うのは通例ではないと言及した。
ホイヤー氏は声明で、これほどまでに共和党議員らが選挙結果を受け入れず、バイデン氏とハリス氏をそれぞれ次期大統領、次期副大統領と認めないのは「驚くべきことだ」と指摘。「彼らはなおもトランプ大統領の選挙後の癇癪(かんしゃく)に配慮している。こうした態度は我が国の民主主義を脅威にさらし、選挙制度への信頼を損なう」と批判した。
一方、反対票を投じたブラント氏は声明で、選挙のプロセスを先回りして誰が大統領となるかを決めるのは就任式両院合同委員会の職務ではないと強調。「われわれは、この世界的パンデミックの中、安全な就任式を計画しなければならないという難問に直面している。同委員会のメンバーが長年の伝統を尊重し、党派を超えた協力の下で眼前の作業に注力することを望む」と語った。
参考記事
・CNN「米共和党指導部、バイデン氏を次期大統領と認める決議退ける」2020年12月9日
・大紀元「米議会就任委員会、バイデン氏を次期大統領とする決議案を否決」2020年12月10日