「中国の臓器狩り」阻止と制裁措置を=米議会委員会が報告書

人権
米国議会議事堂(Samira Bouaou/大紀元)

大紀元(2020年10月5日)によると、米共和党下院議員が結成した委員会「チャイナ・ タスクフォース(China Task Force)」は9月30日、中国共産党による強制的な臓器摘出に至る、法輪功をはじめとする全ての人権侵害行為に対するさらなる具体的な行動や制裁措置を講じるよう求める報告書を発表した。

同報告では、議会が臓器売買に関与した当局者のビザ申請を拒否すること、「略奪的臓器売買禁止法」の可決を促した。

中国当局の法輪功学習者を含む良心的な囚人に対して行われる臓器狩りの問題は2006年に報道されて以来、国際社会から非難の声が上がっている。

2006年、カナダの著名な国際人権弁護士デービッド・マタス(David Matas)氏とカナダ外務省前アジア大洋州局長およびカナダ国会議員デービッド・キルガー(David Kilgour)氏は、「血まみれの臓器摘出」と題する報告書を発表し、52種類の異なる証拠方法を用いて、中国共産党による法輪功学習者の臓器摘出を調査した。

マタス弁護士は記者会見で、「すべての証拠を詳しく検証した結果、我々の調査結論は、法輪功学習者の臓器を生きたまま摘出するのは、紛れもない事実であり、本人の意思に反する、法輪功学習者を対象とした、この大規模な臓器狩りは常に存在し、未だに行われていると我々は信じる…私たちもこの調査結果に驚いており、これは地球上において前代未聞の邪悪な行為だ」と述べた。

中国大陸では迫害政策がいまもなお続いている

法輪功情報サイト「明慧網」によると、数百万人もの法輪功学習者が中国当局に拉致、逮捕された後に行方不明になった。

「血液型の適合」は臓器移植に必要不可欠な条件の一つである。

中国当局は法輪功学習者に対して「強制採血」を全国各地で行っている。

今年8月2日、上海市警察当局は現地の法輪功の女性学習者、沈芳氏の自宅ドアを壊し、住宅に侵入し、沈氏に対して強制的に採血を行った。抵抗する沈氏が説明を求めたところ、警官の一人は「これは国が決めたことだ」と話し、もう一人の警官は「法輪功学習者に対して、法に則らなくてもよいのだ。(学習者)一人も残らず全員を滅ぼすのだ」と叫んだという。

前米政府高官、「国連に調査を呼びかけるべき」

元国防長官ドナルド・ラムズフェルド氏の下で中国担当だったジョセフ・ ボスコ(Joseph Bosco)氏は9月29日、米政治専門紙「ザ・ヒル」に寄稿した。

ボスコ氏は記事で「中国は新疆ウイグル人とチベット仏教徒のほかにも、クリスチャンや他の宗教団体も迫害している。中国当局は法輪功学習者を含む良心的な囚人の臓器を生きたまま摘出し、販売している」と指摘し、「米国は、中共の人権侵害を公表するよう国連調査に呼びかけるべきではないのか?」と呼び掛けた。

「断固として行動しなければならない」

チャイナ・ タスクフォースが9月30日に発表した調査報告書のタイトルは「米国は断固として行動しなければならない(US must act decisively)」だった。

最近、49人の米バージニア州議員は、ポンペオ米国務長官宛ての書簡で「中国当局による法輪功迫害を阻止し、法輪功学習者に対する強制的な臓器摘出に注意を払うよう求める」とした。

米国の外交政策提言組織「現在の危険に関する委員会・中国(CPDC)」は5月27日、トランプ政権と議会に対して提出した「対中政策の意見書」の中で、「米国は中国が行っている臓器狩りを阻止し、人権侵害や臓器摘出に関与したすべての中共当局者を制裁すべきだ」と提言した。

米政府機関である国際宗教自由委員会(USCIRF)のゲイリー・バウアー(Gary L. Bauer)委員は8月14日、大紀元のインタビューで「米国政府、米国務省および米財務省に対し、中国当局が法輪功の学習者を含む囚人を主な対象に行っている強制臓器摘出を全面的に調査し、関与した当局者、医師、機構に制裁を科す準備を備えるべきだ」と提案した。