6中全会の初日、習近平氏が江沢民派に一撃を発す

人権

中国共産党(中共)は8日、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)を開いた。日程は8日から11日までの4日間。今日はその歴史決議について、全会の初日に習近平国家主席が江沢民派に警告を発したという党メディアの記事について紹介したい。

「看中国」によると、中共の代弁者である人民日報は、「免罪符の『丹書鉄券』(注1)もなければ、『鉄帽子王』(注2)も存在しない」という評論記事を掲載した。これは、中共内の闘争が依然として熾烈であることを示しており、6中全会の初日、習近平国家主席が党内の反対派に警告を発したといえる。

中共メディアのトップページに表立って掲載された記事は、何らかの政治的シグナルを発しており、その派閥の指揮の下で発表している。

江沢民が中共を実質的に支配していた過去数十年間、江沢民と曾慶紅などの「黙って金を稼げ!」という実践により、中共の官界で腐敗していない人はほとんどいなかった。

同記事によると、2012年12月から今年5月まで、規律検査・監督機関は、省部級(注3)以上の392人、部局級の2万2千人、県処級の17万人以上、郷課級の61万6千人の中共幹部を対象とした調査を行ったという。中共の公式数字は昔から捏造されてきたが、これらの数字だけでも目を見張るに値する。中共の官僚組織がいかに腐敗しているかということだ。

また同記事では、2012年以降の習氏の反腐敗に関する数多くの演説を引用しているが、その中で最も注目すべきは、敏感なフレーズが再び登場したことである。

「法の支配のもとでは、誰もが幸運に恵まれず、超法規的な恩恵を期待することもできず、免罪符の『丹書鉄券』もなければ、『鉄帽子王』もいない」「見つけた数だけ調査され、罰せられる」

米国在住の政治経済学者・何清漣氏は、かつて「人民日報が言及した『鉄帽子王』とは誰のことか」という記事の中で、当時の人民日報で言われていた鉄帽子王」という名に値するのは江沢民曾慶紅だけだと述べた。

江沢民といえば、法輪功を迫害した首謀者である。

1992年に伝え出された法輪功の人気が急上昇していた時、江沢民はその人気に強い嫉妬心を抱いたため、1999年7月、系統的に法輪功を迫害するよう指示を下した。中共は中国全土を巻き込み、あらゆる手段を用いて法輪功学習者を弾圧した。「彼らの肉体を消滅させ、経済を破綻させ、名誉を汚せ」。これが、江沢民の指令である。

中共の宣伝機関は、法輪功への憎悪と中傷に満ちた報道を繰り返し、人々は徐々に洗脳された。中国人は法輪功が説く「真・善・忍」を捨て、代わりに「虚偽、邪悪、闘争」を受け入れた。

中国だけではない。海外の自由社会は、中国国内で起きている狂気的な投獄、殺人、拷問に目をつぶった。経済的な利益を理由に、自由社会は中共の暴挙に対して見て見ぬフリをしたのだ。

法輪功への迫害はどんどんエスカレートした。生きている法輪功学習者から強制的に臓器摘出を始めた。臓器ドナーとして収容されている学習者たちはいつでも患者の要求に応じて殺害される。彼らの臓器は政府の医療機関や軍病院で摘出され、数百万ドルで取引されている。

臓器売買は、莫大な利益を上げるビジネスである。このシステムが法輪功迫害を維持し、また多くの臓器移植患者が世界中から中国へ集まってくる。

曽慶紅はずっと江沢民に法輪功を抑圧するよう助言してきた。江沢民が辞任するまで、彼は依然として国家指導者の重要な立場と実権を握って迫害を実行し続けたのだ。最も凶悪な犯人の一人だ。

関連資料:法輪功について

 

「歴史決議」採択から・・・

NHKによると、今年、中国共産党の創立から100年の節目を迎えたことを踏まえ、これまでの成果と歴史を総括する「歴史決議」を採択し、次の党大会を来年後半に開くことを決めたとしている。

「歴史決議」の全文は発表されていないが、その結果をまとめたコミュニケでは歴代の指導者の実績を肯定的に評価したうえで、習近平国家主席が党のトップに就任して以降を「新時代」と位置づけている。

そのうえで「習近平同志を党中央の核心として確立したことは中華民族の偉大な復興の歴史的過程に決定的な意義を持つ」として、習主席の指導的地位を際立たせている。

習主席が2013年から反腐敗運動を開始したのは「江核心」から権力を奪うためだった。数年にわたる苦闘の末、彼はついに「江核心」に取って替わり、「習核心」となった。

 

注1:丹書鉄券とは、天子が功臣に与えた、鉄に朱で書いた誓文のこと。功臣やその子孫が罪を犯した時、減免される証となる。

注2:鉄帽子王とは、清王朝時代に生まれた制度で、特定の地位(爵位など) や財産を、子孫が代々承継することを指す。鉄の帽子のように壊れにくい冠をいだいている親王という意味である。

注3:中国公務員では指導職務の行政等級は、おおまかに国家級、省部級、庁局級、県処級、郷科級に分かれている。省部級幹部は、各省・直轄市・自治区の党委員会常務委員・中央各部の副部長以上の高官を指す。

【引用記事】
NHK「中国共産党「歴史決議」採択 習国家主席の権威高めるねらいか」