中国の選択:国際圧力の下、習近平氏の失脚か、冷戦か?=英メディア

時事

国際圧力下で習近平氏が失脚の可能性も=英メディア

大紀元(2020年9月19日)によると、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染情報を隠ぺいし、国際社会で高圧的かつ攻撃的な「戦狼外交」を展開する中国当局は国際社会で孤立が深まっている。英メディアはこのほど、国際社会の圧力の下で、中国当局は今後、習近平国家の失脚を含む2つの選択肢を迫られるとの見方を示した。

習近平は失脚?

中国当局は昨年末、武漢市で感染が初めて確認されたにもかかわらず、感染情報を隠ぺいし、中共ウイルスを警告した医師らを処罰した。このため、ウイルスは全世界に広まり、各国に甚大な損失を与えた。9月17日正午12時の時点で、中共ウイルスの全世界の感染者数は2970万人、死亡者数が93.9万人。

今年5月、世界保健機関(WHO)の年次総会で加盟194カ国の代表は、中共ウイルスの発生源や初動対応に関する独立した検証委員会を設置することで合意した。今年11月には報告が公開される予定。

英軍元将校で国防問題専門家のニコラス・ドラモンド(Nicholas Drummond)氏は12日、同国紙デイリー・エクスプレス電子版に対して、中共ウイルスの独立調査の中間報告によって、習近平氏が失脚する可能性があるとの見方を示した。

ドラモンド氏は、独立調査の結果が公になれば、中国共産党政権は2つの選択肢を迫られるとした。

「国際社会の圧力の下で、中国当局が習近平氏を失権させるか、あるいは西側諸国と完全に冷戦状態になるのかを選ばなければならない」

中共ウイルスの世界的な流行とともに、「中国と英国の外交関係だけではなく、他国との外交関係も険悪な状態になった」。同氏は、中国当局が欧米諸国との関係を回復したいなら、習近平氏の降任を考慮する可能性があるとした。

また、ドラモンド氏は、習氏が最高指導者の地位を他の人に譲らない場合、党内の権力闘争が一段とし烈になり、「共産党政権が内部から瓦解するだろう」と指摘した。

デイリー・エクスプレスはその後、同インタビュー記事を取り下げた。中国当局から圧力を受けたとみられる。

内部から崩壊

一部の中国人学者は、習氏が失脚し共産党が他の人を最高指導者に推しても、共産党の邪悪な本質は変わらないとの認識を示している。

米中国語メディア「看中国」のコラムニスト、鄭中原氏は6月のコラムで、中国共産党の歴代の最高指導者の中で、実際に「党の存亡」に最も危機感を持っているのは習近平氏だと指摘した。

習政権は1期目の5年間に、政権崩壊を回避するために、党内で大規模な反腐敗運動を行い、大物の高官を次々と摘発した。「習近平氏本人も、共産党体制によって最高指導者になったため、この体制や共産主義を簡単に放棄できないだろう」

「しかし、実際のところ、汚職官僚を全部取り締まれず、かえって増えた。反習近平勢力の妨害で、習氏の指令を地方政府に伝えることもできなかった」と鄭氏が示した。

習近平政権が2期目に入ってから、米中貿易戦争、アフリカ豚コレラや中共ウイルスのまん延、国内各地での大洪水、景気悪化など中国は未曽有の危機に直面している。

また、各国で中共ウイルスが拡大する中、習政権は国際社会で「マスク外交」「戦狼外交」を展開し、香港で「国家安全維持法」を強制的に導入した。中国軍は、南シナ海、台湾海峡、東シナ海などに軍機や軍艦を派遣し挑発行為を繰り返し、また、中印国境ではインド軍と数十年ぶりに衝突した。中国当局は国際社会において、ますます孤立化している。

共産党政権の維持を目指す習氏の方針と政策は、実際には政権の崩壊を加速させている。このため、中国人ネットユーザーの間では、習近平氏を「総加速師」と揶揄した。

鄭中原氏は、国内外の厳しい情勢の中で、共産党内の各グループの利益が大きく損なわれたため、習近平氏への不満が集中し、権力闘争が一段と激しさを増しているとした。

9日、SNS上では中央党校元教授の蔡霞氏の新たな発言が投稿された。蔡氏は、共産党政権がどのような形で滅びるかについて分析した。

同氏は、「この暴力と恐怖を通して維持してきた全体主義体制は、絶えず内部で対立を作り出してきた。高圧の下で上から末端まで圧力に耐えきれず、突然内部から崩壊していく可能性が最も高い」と述べ、前述のドラモンド氏と同様な意見を示した。